第299話 幹部会の不安
フレイムランドでは、2回目の100万人の希望移住者の募集で集まった人々が浮島の移民受け入れ施設に入る。ここで2週間の移住の教養を受けるが、ムーラーとの戦闘は予想外に事態が早く進展している。
各都市の状況も急激に人口が増えて小さな問題が起きていている。各支部で対処しきれていないのである。
国連は3回目の100万人の希望移住者の募集をしているが、フレイムランドのムーラーとの戦況が良くないため希望者が殺到して混乱している。
ゲートタウン、カンペール、カスパル、カルピ、ウーディネ、グリル、トラーニ、ロヴィーゴの各都市では居住地の造成が急がれている。
フレイムランドの幹部会では、地球がムーラーに占拠された場合、月の裏側の門をどうするか話し合われている。
「地球が占拠された場合、新たなムーラーと本拠地が生まれます。」「そうしたら、次は月に来るな。」
「異界の門をそのままにしておけば、ムーラーに異世界に侵入されます。」「門を破壊するのか。増援を送れなくなるぞ。」
「浮島があります。」「浮島ではスクルド級しか作れんぞ。」
「門からムーラーが侵入したらどうするのですか。」「・・・」
「門は作り直すことが出来る。」「門は破壊するが、考えが後ろ向きすぎる。」
「地球を守る案を出してくれ。」
俺は士気が下がってきているのを感じる。