第279話 ダンケルク逃げる
ダンケルクのアレクシス艦長はSPA砲のバレルの冷却を急ぐ、バレルを冷却しなければSPA砲は使えない。彼は命じる。
「バレルの冷却を急げ」
ダンケルクは、ムーラーの大群の中から抜けないと数にすりつぶされてしまうだろう。
「バレルの冷却終了しました」「右舷のSPA砲を発射する」「了解」
「SPA砲発射準備」「バレル内の状況を報告」「バレル内電子正常に加圧中」
「バレル内圧力目標値に到達、撃てます」「撃て」
ダンケルクの右舷の艦首からエネルギーの激流が吐き出される。
ダンケルクの前方のムーラーの群れに穴が開く。アレクシス艦長は指示する。
「前進、最大船速」「了解」
「左舷のSPA砲の発射準備」「了解」
「バレル内電子正常に加圧中」「バレル内圧力目標値に到達、撃てます」
「撃て」
ダンケルクの左舷の艦首からエネルギーの本流が流れ、ムーラーを消し去る。ダンケルクはムーラーの群れのトンネルを前進していく。
アレクシス艦長は聞く。
「右舷バレルの冷却は終了したか。」「まだです。」
「熱核弾頭ミサイル前方に撃ち込め」「了解」
熱核弾頭ミサイルが前方のムーラーの群れに穴を開け、フレームシリーズが残ったムーラーをビームバルカン砲で掃討して道を開く。
しかし、ムーラーの動きは早い。ダンケルクはこのままだと前に進めなくなる。
「右舷バレルの冷却終了」「直ちにSPA砲の発射準備」
ダンケルクは右舷と左舷のSPA砲を交互に撃ち続けムーラーの群れを抜け出す。
ムーラーはダンケルクを追跡をするが追いつけない。
ムーラーの数が多くダンケルクは逃げるしかない。