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第273話 東京湾の戦いの終わり
収束砲は、ヴァルナを跡かたなく消し去る。彼の気配も消え去っている。
スクルド、スコーネ、グローサの艦内では歓声が上がっている。俺たちは3人目の上位神族に勝ったのである。
破壊されたワルカのパイロットたちに負傷者が出たが死者は出ていない。
俺はスノウビューティーをスクルドに帰艦させる。スノウビューティーの整備担当のウォルターさんに左腕の破損を見せるが彼は難しい顔をしている。
フレイムランドのフレームシリーズの製造技術は、いまだにスノウビューティーを超えていないのである。
艦橋に戻るとティグラトとドニィーシャが迎え出る。ティグラトが賞賛する。
「陛下、お見事です。」「スノウビューティーを壊してしまったよ。」
「陛下のワルカを用意しましょう。」
ドニィーシャが言う。
「東京湾の状況はどうだ。」「海水温が上昇しています。沿岸にも被害が発生しています。」
俺の問いにアデル艦長が答える。
フレイムランドに戻るとハーレム王コールで出迎えられる。慣れてきたが、できればやめてほしいと思う。
日本政府から連絡が来ているがドニィーシャが対応している。