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第269話 アルム対ヴァルナ

 ヴァルナが上位の神族だと気づいた俺は、指示を出す。

 「ワルカを引きあげさせてくれ。」「今は、戦闘中です。」

アデル艦長が言う。ティグラトとドニィーシャが俺の心配をくみ取り、出撃しようとする。俺は2人に言う。

 「あの神族は上位だ。俺が片づける。」

ティグラトが言う。

 「陛下は自分で動かれるつもりですか。」「そうだ。」「陛下がお出になるような敵ではありません。」

ドニィーシャも言う。

 「部下の功績を奪うつもりですか。」

2人は、ヴァルナの気配が一瞬、爆発的に大きくなったのに気づいていないらしい。俺の脳裏に全滅するワルカが浮かび上がる。


 戦場ではオイゲン、フェリクスがライフルでヴァルナを撃ちけん制している。本命は、アルムが刀に魔力をのせてヴァルナに迫る。

 ワルカの刀は、オルカル81製で最強の武器である。

 ヴァルナは多重シールドを張る。アルムのワルカは刀に魔力をのせた強力な突きを放つ。

 突きは、多重シールドを突き破る。ヴァルナは、紙一重で突きをかわすと自分の周りに魔弾を多数作り出し、打ち出す。

 魔弾は、オイゲン、フェリクスのワルカを直撃する。ワルカは、魔弾に砕かれ、落ちていく。

 アルムは魔弾をかわし、刀でヴァルナを横なぎにする。ヴァルナの気配が爆発的に大きくなる。

 彼は、素手でワルカの巨大な刀を受け止めると瞬間的にアルムのワルカの前に現れ、ゼロ距離で魔弾を撃つ。ワルカは胴がちぎれ、2つになって、落ちてゆく。

 ついに、ヴァルナが上位の神族の本性を現したのである。

 撤退の信号が送られる。ワルカのパイロットは撤退すべきであるが、やみくもにライフルを撃ち続ける。


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