第268話 ワルカ投入
神族ヴェルナは、幹部会で対応策が決まらず放置されている。不幸なのはフレイムランドが神族ヴェルナを腕の立つ中位の神族と認識していることである。
ヴァルナは気配を殺しているため、フレイムランドでは誰も上位の神族が出てきていることに思い至っていない。
彼は、アルムを圧倒して見せ、フレイムランドの王が出てくるのを待っている。俺はヴァルナを放置しておくことに決めている。
数日が立つが、フレイムランドに動きはない。彼は我慢強く待った。しかし、我慢は限界である。
ヴァルナはビルを破壊して、のろしを上げる。 ビルの倒壊現場にはマスコミが駆け付けてくる。
彼はカメラの前て宣伝する。
「私はヴァルナ、フレイムランドの王よ、殺してやるから出てこい。」「出てこないと、この街を破壊するぞ。」
この映像は世界中に流される。日本からフレイムランドに事情を聴いてくる。
ドニィーシャは神族が一方的にやっていることだと説明する。
幹部会では、ティグラトとドニィーシャが出たがる。そして話し合いの結果、ファーストフレーム・ワルカで戦うことになる。
話し合いの中でもヴァルナが上位の神族とは思いもしていない。
近衛騎士団のワルカ15機と近衛艦隊のスコーネ、グローサに搭載されているワルカ7機が投入されることが決まる。
使う船はスクルド、スコーネ、グローサの3隻である。俺も名指しされているためスクルドに乗り込む。一応、スノウビューティーも搭載される。
ワルカには、ティグラトとドニィーシャがパイロットとして控えている。彼らは俺が出撃するならと参加している。
ワルカのパイロットにもアルム、カイル、ケイティ、ヴァンス、オイゲン、フェリクスが再戦に挑んでいる。
ヴァルナは、ビルの倒壊現場に陣取ったまま動いていない。
スクルド、スコーネ、グローサはステルススクリーンを展開したまま東京に近づく。ヴァルナから500メートル離れたところで、各艦から20機のワルカが出撃する。
20機のワルカは、ライフルのエネルギーをヴァルナに撃ち込む。ただのエネルギー弾ではない、魔力を上乗せしているのである。
1発でも当たれば中位の神族は蒸発するはずである。ヴァルナの気配が一瞬、爆発的に大きくなる。
放たれたエネルギー弾はヴァルナに命中する。彼は力のシールドですべてのエネルギー弾を防ぎきる。
俺は、ヴァルナが上位の神族だと気づく。