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第266話 事態の放置
フェンリルの投入の結果、シャルロッテ、クラウスを失い、アルビーナは医療カプセルに入っている。
しかし情報も得られた神族たちはフレイムランドの王である俺の命を狙っているのだ。手練れの神族の名もヴァルナとわかる。
幹部会では対応を検討されるがよい方策は出てこない。神族はアルムを圧倒して見せたのである。フレイムランド内でアルムに匹敵するののは限られる。
俺はみんなに言う。
「ヴァルナは俺の命を狙っているのだから、スノウビューティーで出撃しよう。」「だめです。」
ドニィーシャとティグラトがハモって、俺の申し出を却下する。
ティグラトは俺に言う。
「陛下は命を狙われているのですよ。」「分かっている。」
「そこを出ていけばどうなるか。」「死ぬかもしれないな。」
「死なれては困ります。」
俺の出撃は却下される。
俺はみんなに言う。
「手がなければ放置するしかないな。」
俺の発言に幹部会はざわめくが、よい案はでてこない。議論は後日に持ち越される。
その頃、ヴァルナはフレイムランドの王が出てくるのを待っている。