第26話 戴冠式
今日は戴冠式だ、俺は着なれない衣装を着せられ、椅子に座らされている。脇にはマサソイト・ホーク、サイーシヤ・プラトノーフ、アピル・ラッサル、アーリィ・ユーイングの順で片膝をついて平伏している。
俺の椅子の前には3段の階段があり下の段には数人の男女がおり写真を撮ったり、メモを書いたりしている。ドニィーシャ・メルルが冠を掲げ入って来る、冠は金に宝石が散りばめられている、趣味が悪い。
ドニィーシャは俺に冠を被せると皆が起立する、ドニィーシャも列に加わり、号令をかける
「仙田ほむら陛下に敬礼!」
皆が敬礼する、そしてそのまま動かない。俺は右手を上げるすると皆、直れをする。ドニィーシャは解散を指示する、寂しい戴冠式だ、まあ、お飾りだし関係ないか。
俺も席を立ち部屋に戻ろうとする、するとドニィーシャが俺に言う。
「インタビューがあります。」「インタビュー?」
おれは、仕方なく椅子に座りなおす、下に集まっていたのはマスコミのようだ、ドニィーシャが仕切る
マスコミの1人が質問する
「初陣で敵を1万以上倒されたそうですね。」
ドニィーシャが答える。
「正確には1万3579です。」
どこからそんな数字出てくるんだ。戦闘記録から数えたにだろうか。
「危険を顧みず、味方を助けに向かったそうですね。」「陛下は仲間を見捨てません。」
「敵の要塞をたった1艦で破壊したんですね。」「陛下の知略の結果です。」
あれは、アデル艦長の作戦でしょ。
「この国に何をお望みですか。」
俺がドニィーシャより先に答える
「ハーレムです。そのために王になりました。」
マスコミがペンを落とす、さらに俺は続ける。
「この国に英雄はいりません。要塞を撃破したのも乗員が力を合わせたからです。この国は皆が一人一人支えて出来ている。私もその一人でしかありません。皆で力を合わせてこそ、良い国ができるのです。違いますか皆さん。」
意外にもマスコミは拍手する。ドニィーシャは睨んでいる。
後でドニィーシャは、俺を怒鳴りつけた。
「何してくれるの、めちゃくちゃじゃないの。」「嘘をつくからさ。」
「嘘じゃない、あなたは見合う働きをしたわ。」「みんなが力を合わせた結果だよ。」
次の日の新聞に
ハーレム王戴冠
と見出しが躍ったのはいうまでもない。