第251話 機動要塞建設案
7つ目の艦隊ベルント提督の艦隊が運用を始める。それから約1年後、幹部会ではアーリィが宙域防衛艦の増強の話を出す。
彼女は宙域防衛艦の増強を諦めていなかった。アサドがアーリィに言う。
「前に財政的に厳しいとお話ししたはずです。」「あれから2年近く経っています。フレイムランドの状況は変わってきています。」
「確かに財政は豊かになっていますが軍費だけを増やすわけにはいきません。」「ムーラーの襲来はどうするのですか。今のままでは防げませんよ。」
「分かりました。宙域防衛艦を増やすとしましょう。ドックはどうするんですか、前線基地では手狭ですよ。」「新たな基地の案があります。」
ティグラトがアーリィに言う。
「すでに計画を練っているのか。」「はい、木星宙域に前線基地を配備します。」
アピルが心配する。
「それではムーラーの餌食ではないか。」「私は機動要塞の建造を提案します。」
「この様子では、図面ぐらいできていそうだな。」「はい。これをご覧ください。」
アーリィがホログラムを浮かび上がらせる。それは、SPA砲を6門装備した機動要塞だった。
10隻の宙域防衛艦のドックを有しており、装甲はムーラーの侵入に対処した作りになっている。
アーリィは、この巨大な機動要塞の必要性を説き、押し切る形で賛同を得る。
機動要塞の建造は早かった月の基地ですぐに建造が始まる。アーリィは、幹部会に意見を出す前に計画と設計を済ませ手を回していた。
そして、宙域防衛艦の建造も月の門の異世界側のドックで建造が始められる。浮島ではエレクとワルカ、クリスの製造が急がれている。
フレームシリーズは、宙域防衛艦だけでなく機動要塞にも搭載せれることになっている。
幸い第2軍学校の卒業生もおり、何とか人員は不足気味だが確保できそうだ。