第25話 アーリィ
今日も午前中はドニィーシャの剣の訓練である。訓練の後、彼女は俺に言う。
「明日、戴冠式を行います。」「何をすればいい。」
「椅子に座ってるだけでいいわ、後、余計なことは言わないで、全て私が話すから。」「人形置いとけばいいのでないの。」
「そうはいかないわ、あなたは王よ、そして英雄なの。」「わかったよ。」
何か、気に入らない。特に英雄てなんだよ。何もそれらしいことしていないぞ。
午後は図書館に行くアピルの講義を受けるためだ。俺は、アピルに聞く
「アピル様、昨日は眠れた?」「まあ、今日になるが、少し添い寝をしてやったぞ、感謝しろ。」
「気付かなかったけど、ありがとうアピル様。」「うむ、よく感謝しろ。」
アピルはほとんど寝ていないだろう。俺はアピルに感謝しつつ講義を受けた。
俺は部屋に戻り、講義の復習をする。特に魔力のコントロールを確かめる。
すると老婦人が入って来る軍司令官のアーリィだ、彼女はきれいな銀髪だった、若い時はさぞ美人だったろう。俺は彼女にベットに座るように勧めた。
「お話をしませんか。」「こんなおばあちゃんでは退屈でしょ。」
「いいえ、私はこの国のことを何も知りません、何でも好きなことを話してください。」「そうですね、まず私のことを話しましょう。」
彼女はそういうと、全裸になった。えっ、なに自分のこと話すんじゃないの、なぜ脱ぐの、すると彼女は若返っていき20歳代位になった。
「この姿は秘密ですよ。」「はあ。」
ここは化け物屋敷だ、アーリィは話始める
「私は19世紀、西部開拓時代のアメリカ人でした、この姿でモテたのですよ、私をめぐって争いは日常茶飯事でした。私と付き合う男は、皆早死にでした。私は死神アーリィと呼ばれるようになったのです。」
「アーリィも長生きなんですね。」「サイーシャに出会い老婆の姿にしてもらったのです。その影響かもしれません。」
「あなたは長生きしてくださいね。」「今のところ、死ぬ予定はありません。」
アーリィは若い姿のまま添い寝をしてくれる、俺の頭の中では、ジョン・ウェインがショットガンを担いで歩き回っている。