第249話 エルマー艦長の進言
ファーストフレーム・ワルカは近衛艦隊と近衛騎士団で運用されて高評価を得る。ワルカは前線基地の宙域防衛艦にも配備されることになる。
1番艦ベネディット 3機
2番艦ホワイトアース 4機
3番艦レジナ 3機
4番艦ヴィットリオ 4機
5番艦ヴェネト 4機
6番艦ルチヌ 3機
7番艦クーロンヌ 3機
8番艦ミッチェル 3機
9番艦ハインド 3機
10番艦トライアンフ 3機
の合計33機のワルカが配備される。今後は艦隊にも配備されることになる。
余った33機のエレクは、月基地に送られることになる。7番目の艦隊の計画があるためである。
ベネディットのエルマー艦長は新型機を送られたことをありがたく思っている。しかし、今のままでは、次のムーラー襲来に耐えられないと判断している。
彼は幹部会に宙域防衛艦の増強の要請を進言する。幹部会ではエルマー艦長の進言を検討する。
アーリィ軍司令は発言する。
「宙域防衛艦の数を倍に増やすべきです。」
アサドが答える。
「今の状況では10隻の宙域防衛艦を作ることも20隻の宙域防衛艦を運用することも財政的に難しいです。ドックの増設も必要になるでしょう。」
「ムーラが来てからでは遅いですよ。」
「そのために移民政策をしています。国が大きくなってからではだめですか。」
ティグラトが発言する。
「7番目の艦隊ができてからではどうですか。」
アーリィが提案する。
「並行して行うことはできませんか。」
アサドが首を振る。ドニィーシャが代わりに発言する。
「人員も財政的にも無理です。」
アーリィが食い下がる。
「無理を承知で言っています。前線で命を懸けている指揮官の進言です。聞く必要があると思います。」
俺はアーリィの気持ちはわかるが、話はまとまらないとみて話を切る。
「今は、7番目の艦隊に集中しましょう。」
あとから俺はアーリィの愚痴を聞かなければならないだろう。