第241話 ワルカの模擬戦
ワルカの模擬戦が始まる。俺はスノウビューティーに乗り込み、ドニィーシャはワルカに乗り込む。
モニターは模擬戦モードであることを示し、武器類は青色ランプで模擬戦であることを表示している。管制官から発進許可が出る
「スター1、進路クリヤーです、発進どうぞ。」「了解。」
俺はスノウビューティーを発進させる。次にドニィーシャに発進許可が出る。
「スター2、進路クリヤーです。発進どうぞ。」「了解、発進する。」
ドニィーシャはワルカを発進させる。模擬戦が始まる。
俺は岩と盾にしながらワルカに接近する。そして、射程に入ると素早くライフルを撃つ。
ドニィーシャはワルカを加速させ避けようとするが一歩遅れる。右脚部に当たるが損傷は軽微だった。
ワルカは小惑星をかすめて飛び、俺の後ろを取ろうとする。俺は岩を足場にして方向転換する。そして、ワルカの後ろを取り、仕留める。
俺とドニィーシャは、6回模擬戦をして、俺が6回勝つ。7回目からドニィーシャのワルクの動きが変わってくる。
ワルカは、俺の攻撃をぎりぎりでかわして、俺の動きを先読みするように攻撃してくる。
俺はエルクとの模擬戦でこの変化を経験している。ワルカに搭載されている脳波コントロールが作動し始めたのである。
俺はわざと目標をずらしてライフルを撃つ。スノウビューティーの機動性を生かして、動きをより早くする。
こうして互角に持ち込むが、だんだん押されていく。そして最後には直撃をもらう。
帰艦後、ワルカとドニィーシャは検査される。結果はエレクとの時と同じである。
ドニィーシャに異常はなく、ワルカは脳波コントロール発動後継続して動作しているが、発動条件は分からないままだ。
ドニィーシャは、俺に言う。
「脳波コントロールすごいわよ、思ったままに動いてくれるわ。」「いつでも使えそう。」
「どうして作動したかわからないわ。」「それじゃあ、あてにできないね。」「そうね。」
脳波コントロールはやはりあてにはできないようである。
ワルカは近衛艦隊に配備して細かい調整をすることになる。