第239話 ファーストフレーム・ワルカ
ウルクの次世代機の開発は遅れてきた。現在は、ファーストフレームよりセカンドフレームの方が主流を占めており部品の統一化のためにもエレクとクリスが使われている状態である。
セカンドフレームは、もともと魔力の弱い者のために作られている。このためシンクロ率も60%に抑えられ魔力切れを起こさないようになっている。
魔力が強いものが乗るには、セカンドフレームはパイロットの能力を生かせないのである。ウルクの次世代機を作る計画はエレク完成時にエレクの技術を生かして進められているのである。
機体はムーラーの襲来の中、完成している。シルエットはウルクを細身にした形状でエレクに近い。しかし、シンクロ率の制限はないため機体はこれまでのフレームシリーズの中では一番頑丈に作られている。
計算上ではスノウビューティーを上回るはずである。
今は俺が動作チェックと共に魔術式を書き換えている。魔術式を書き換えるだけで動作は大きく変わった来るのである。今度の機体の魔術式はまともにできているが、俺がフレイムランドに来た頃のウルクの魔術式はひどかったのである。
俺は作業を終えるとハッチを閉じ、起動してみる
シュイン、シュイン、シーン、シーン・・・
とこの機体のために開発されたモーターが動き出す。
俺がモーターを止めハッチから出るとドニィーシャが来ている。ドニィーシャは俺に聞く。
「FF-0ワルカの調子はどお。」「いいと思うよ、ウルクは100年以上も前に作られた機体だから比較したらかわいそうだよ。」
「そんなにいいの。」「自分で試せばいいよ。」
この後、俺とドニィーシャはスクルドで小惑星帯へ行き、ファーストフレーム・ワルカの試験をすることになっている。
ワルカにはウルクにない脳波コントロールシステムや盾に防御スクリーン発生装置が組み込まれている。