第214話 軍学校の入学試験
3か月後、ゲートタウン、カンペール、カスパル、カルピ、ウーディネ、グリルの町へ移住した500人の移住希望者はすでに全員就職している。彼らは3か月で充分に町の生活に溶け込んでいる。
そして、軍学校の入学試験が行われる、試験は体力試験、学力試験、面接試験からなる。入学当初からパイロット、騎士団、整備士、航行科など軍の希望分野に分けられ、求められる実力も違ってくる。
移住希望者500人の中から合格したのは67人だった。残る433人は全員再度試験を受ける予定である。
軍の正規の入学試験は3か月後である。国土管理局の本部は移住希望者の中から合格者を増やすため。
自由参加の講義を開始する、講義の中には体力増強の訓練も含まれる。軍の正規の入学試験は合格者は300人である。
普段なら倍率はそれほど高くないのだが、今回の倍率は当然高くなる。この状況に軍司令のアーリィは、優秀な人材が集まると喜んでいる。
国土管理局の局長ヨーゼフは、早く残った移住希望者に軍人になるなり、諦めて就職をしてもらいたいのである。今、433人の生活費は国の予算から賄われている。
長期になれば、その費用は無視できない数字になるだろう。すでにヨーゼフからは幹部会に意見を申し入れられている。
それは、移民の試験回数を制限して合格しなければ、町へ行き就職してもらいたいというものである。
幹部会でこの意見をアサドとアマルが賛成する。アーリィは反対する優秀な人材を手に入れる機会を失うことになる。
アピルが、働かずに試験を受けられるのを2回に制限し、就職した後も自由に受験できることにする折衷案を出す。
実際、国民には自由に働き学ぶ機会を与えられている、働いていても軍の試験を受けるのは自由なのだ。
ドニィーシャとサイーシャが賛成に回るとティグラトが国民の就職の自由を説く。そして、アピルの意見が全員一致で決定される。
決定は、今の433人の軍人希望者にも伝えられる。