第206話 ダバオ湾の戦い5
スクルド、スコーネ、グローサは、ステルススクリーンを展開したままダバオ湾まで進み上空に停止する。3隻は見ることが出来ずレーダーにも反応しないため、人間にも神族にも知られていないはずである。
バナボの様子が、カミルから知らされる。住人の避難が始まっており、神族は海に向かって動き出していると報告する。
俺は地上に被害の少ない海上での戦いを選ぶ。海に向かっている神族の中に気配の一段と大きい上位の神族がいることが分かっている。しかし、海に向かっている理由はわからない。
俺たちはステルススクリーンを展開し、気配を殺して奇襲に備える。神族たちが海に出た時、一斉にフレームシリーズが発艦して、攻撃するのである。
彼らはゆっくり海に向かっている、今のところ直進している。彼らは、もしかすると俺たちが海から来ると予想し海に向かっているのかもしれない。
俺は、俺たちのいる位置が神族にばれていないことを願う。神族がついに海に出る、52機のフレームシリーズが一斉に発艦する。
彼らには突然、フレームシリーズが現れたように見えたはずだ。スクルド、スコーネ、グローサは、ステルススクリーンで姿を隠したまま後方へ下がる。
フレームシリーズは神族にライフルを撃ちこみながら接近し、盾に内蔵されたビームバルカン砲を掃射する。俺はこの隙にスノウビューティーの盾から魔力弾を射出して、その魔力をコントロール下に置く。
さらに魔力をスノウビューティー全体に上掛けして、魔力を纏う。その間にフレームシリーズは、下位と中位の神族を多数掃討している。
神族たちは突然の奇襲に対応できず、防御もままならない状態で打ち取られていく。俺たちは奇襲に成功し、戦いを優位に進めることができるように見える。
このままいけば、最小限の被害で戦うことが出来るはずだ。