第193話 移民の受入れ
カルピでは、試験漁業が始まり、毎回豊漁の状態である。漁船は10隻に増えいろいろな漁法が試されることになる。港では魚の加工工場が間もなく出来上がる。
各地の農産物や水産物も人口に対して供給量が多くなってきている。そこで俺は国で余剰の食料を保存食にして買い取り備蓄を始める。
それとともに国交はないが紛争や災害の発生した地域に食料の提供を始める。
フレイムランドでは農産物や水産物の供給を増加させていく必要がある。すでに供給過多の状態にある
しかし、将来的には移民を受け入れて人口が急増する恐れがあるため、食料の供給量は減らすことはできないのだ。
アピルが俺に提案する。
「戦争移民だけでも受け入れたらどうじゃ。」「戦争が終われば帰国を望みますよ。」「条件を付ければよい。」
俺はドニィーシャにこの案を実行するかはかることにする。そして、この案は幹部会で採決されることになる。
発案者のアピルが説明する。
「無条件に受け入れるのではなく、一定の条件を付けて移民を受け入れたいと思う。」
アサドとアマル、ティグラトが賛成に回る。
アーリィが国防上の観点から懸念を示す。
「人数が多いと暴動を起こす恐れがあります。」
俺はアーリィに説明する。
「条件に帰国しないことと教会等の建築は認められていないことで移民する人数は限られると思う。」
アーリィはそれならばと安堵する。そして満場一致で賛成となる。
俺はホットラインを使って国連に条件付きで移民を受け入れる準備があることを連絡する。国連は紛争地域からの移民100名ほどの依頼をしてくる。
フレイムランドでは輸送船で移民を迎えに行き、しばらく浮島で過ごしてもらうことにする。まずはこの国について知ってもらうためである。
そして俺とドニィーシャ、サイーシャは、スパイか工作員が紛れていないか警戒する。