第175話 実験都市グリル
グリゴリーとカロルは、魔術学校を卒業後、ランド3のウーディネへ行く。彼らは錬成魔術での都市等の開発実験をすることにしている。
2人は、ウーディネから内陸に10キロメートル入ったところに都市を錬成魔術で作り始める。
都市は1階が市場のエリア、2階が流通エリア、3階が住居と都市機能のエリアとなっている。土台は全て錬成で作り上げる。
建物の基礎は建築士と相談しながら組み上げていく、1年で3階建て都市の基礎工事が完成する。建築士はその作業の早さに驚く。
グリゴリーとカロルの都市建設のレポートは学会で錬成魔術の土木工事での有用性を証明する。
彼らは次に都市の近くに牧場を錬成する。直ちに人員と牛が配置され実験が開始される。
つぎに彼らは農園を錬成する。こちらにも人員が配置され、実験が開始される。
グリゴリーはカロルに言う。
「これで成功すれば食料自給に目途がつく。」「そうね、成功すれば、牧場と農場を広げましょう。」
1年後、グリゴリーとカロルは牧場と農場の錬成について、学会にレポートを提出する。学会では錬成魔術が注目を浴びる。
錬成魔術はこれまで目立たない分野であったが、異世界の開発との相乗効果で目立つ存在となる。
そして、農場と牧場は成功を収めたため、2人は農場と牧場を拡張する。
ウーディネの海水魚の養殖の成功もあり、ランド3は自給の目途がつく。グリゴリーとカロルが作った都市はグリルと呼ばれランド3の中心の都市になる。
2人はさらにグリルに隣接して10階層の居住用の都市を作り上げる。今は必要のないものだが将来的に必要になると予想しての建設である。