第171話 脳波コントロール
新型のエレクのパイロットたちは1ヶ月ほどの訓練でクリスと何とか渡り合える腕前になる。さらに2ヶ月でクリスを翻弄するパイロットが出てくる。
彼はシスト・スポジーニと言い、まだ軍人になったばかりである。彼はイザベラのホワイトフラウと模擬戦をして勝っている。既に模擬戦では、彼が近衛艦隊のエースと言える。
俺は彼と模擬戦をすることにする、俺が乗るのはスノウビューティーである。俺はスノウビューティーを模擬戦モードにする。
火器類もランプが全て青に変わる、モニターでも模擬戦モードであることを表示している。
シストのエレクが先に発進する。管制官から発進許可が来る。
「スター1、進路クリヤ、発進どうぞ。」「了解。」
俺はスノウビューティーを発進させる。
直ぐに模擬戦を開始する。シストは遠距離から正確に射撃をしてくる。射撃が正確なためかえってかわしやすい。
俺はスノウビューティーの機動性を生かしてシストに迫り、盾に装備されているビームバルカン砲を使う。
シストのエレクは撃墜の判定を受ける。模擬戦は続けられる。
シストは段々動きが良くなるが、スノウビューティーの性能が良い分、俺の方が優位に戦える。おそらく、ホワイトフラウに乗っていたら立場は逆であっただろう。
6戦目に入った時、シストのエレクの動きが変わる。俺の攻撃をすれすれにかわし、俺の動きを先読みする形で撃って来る。
スノウビューティーにダメージ判定が出る。そこで模擬戦中止の指示が来る。
俺とシストは帰艦する。スクルドの格納庫ではスノウビューティーとエレクの状態をモニターしている。
俺はスノウビューティーを降りると整備士に何があったか尋ねる
「何かあったか。」「はい、エレクの脳波コントロールが作動しました。」
「どういうことだ、あれは使いこなせないんだろ。」「それが、オートで同調して作動したんです。」
どうもエレクの動きが変わった時、脳波コントロールが動作したらしい。
シストは検査を受けることになる。