第170話 セカンドフレーム・エレク
スクルド、スコーネ、グローサの3隻が浮島に帰港する。俺は出迎えに出て、アデル、アーシャ、マリアの3艦長とクルーの労をねぎらう。
なぜか、グローサの男性乗員から熱い視線を感じるが無視する。俺は女性からの熱い視線以外は受け付けないことにしている。
3隻の近衛艦には9機のクリスが新に搭載される予定だったが、新型のセカンドフレームが搭載されることになる。
新型は低魔力で起動するものを作る予定であったが、それは実現できなかった。その代わり操作性に優れ、軽量化したものができ、機動性が上がっている。
クリスを細くしたような形の新型はFSー2エレクと名付けられている。この機体がスクルドに2機、スコーネに4機、グローサに3機、搭載される。
近衛艦隊でのエレクの運用がうまくいけばクリスにとって代わることになるだろう。
エレクには脳波で機体をコントロールする機能が搭載されているが、いまだに使える者がいない。模擬戦の中で脳波コントロールが起動した事例が無いのである。
近衛艦隊ではエレクで早速、模擬戦を試しているが、パイロットが新人のためクリスに乗るベテランにかなわずにいる。
セカンドフレームの性能が勝っていても実戦を戦ったパイロットとの腕の差の方が大きい。
アーシャの夜伽の番になり俺の部屋に彼女は入って来る。彼女は1か月以上浮島を離れていたので久しぶりの夜伽になる。
俺は彼女とベットの中で話す。
「ラスクの第2分艦隊との戦い、他に手があったと思うか。」「あれがベストだと思う。」
「そうか。」「それより、陛下との子供が欲しい。」
「スコーネの事務処理で疲れているだろ。」「陛下が抱いてくれれば元気になる。」
俺はアーシャに迫られる。