第169話 マリアの目論見
スクルド、スコーネ、グローサの修理は急がれて1ヶ月で完了する。3隻は出港の準備が出来次第、発進してゆく。
グローサでは、パイロットのヘーベルハルトがマリアに話しかける。
「美少女コンテストでは惜しくも負けてしまいましたが、次は勝たせて見せますね。」「おぬしが絡んでおったのか。」
「マリア様を守る会の会長として当然のことをしているだけです。」
ヘーベルハルトは言い切る。マリアはどうしたものかと考える。彼女としては、また美少女コンテストに担ぎ出されてはたまらない。
そこで、彼女はヘーベルハルトに好きな男性がいることを伝えることにする。
「おぬし、私の好みの男性を知っておるか。」「分かりません。」
「陛下だ、あのような男性が好ましいぞ。」「分かりました。」
ヘーベルハルトは急いで艦橋から去っていく。マリアは彼に自分の父親を愛していることを伝えたつもりでいる。
エルザ副長がマリアに何かしらのトラブルを警戒して言う。
「大丈夫ですか。」「大丈夫だろう、これでファンクラブは解散するだろう。」
しかし、マリアの目論見は外れる。
グローサの男性乗員が体を鍛え、白兵戦の訓練を始める。彼らはマリアの好みの強い男を目指している。
艦橋の乗員も例外ではなく筋肉質になっていく。
そして、グローサはある事件を機にフレイムランド最強の船と言われるようになる。