第167話 グリゴリーの卒業
グリゴリーとカロルのアルバイトは、土木工事のあり方を変えてきている。難しい工事において錬成魔術士に錬成を雇い、工事を安全に早く進めることが多くなってきている。
4回生になったグリゴリーとカロルは研究のテーマを錬成技術の建築土木への応用と効率向上にしている。
土木工事のアルバイトは既に3回生と2回生に引き継いでいる。
2人はアルバイトで生活するのに十分な資金をためている。そして、彼らは、はほとんど2人で行動している。
カスパルも4年間で町から都市と言える規模になってきている。学校も魔術学校と総合大学だけでなくそれらに入るために基礎的なことを学ぶ学校ができている。
また職業に就くために学ぶ専門学校が作られカスパルはフレイムランド1の学園都市となっている。そして、カスパルから少し離れた所に3か所、街が作られ始めている。
住民が住むにはカスパルだけで十分土地も部屋も足りている。しかし、将来、ムーラーの襲来によって発生する避難民のために町が作られ始めているのである。
これはゲートタウンとカンペールにも作られている。しかし、人類を受け入れるにはささやかすぎる街づくりである。
グリゴリーとカロルは魔術学校を卒業後、国家魔術師としてランド3へ向かう。2人は錬成を使った街造りの実証実験をする。
ランド3では拠点の町ができているだけである。街の名前はウーディネと名付けられている。今は海水魚の養殖実験が主な活動となっている。
カロルはグリゴリーに言う。
「随分、何もない所に来ちゃったね。」「君がいるから大丈夫だよ。」
グリゴリーは答えるとカロルは赤くなる。彼は恥ずかしい言葉も恥ずかしがらずに平然と言うが、カロルはいまだに慣れない
「まあ、陛下から自由に街を作っていいと言われているからいいか。」「機能的な街を作ろう。」
2人は自分たちが作る街の話を進める。