第166話 アルバイトの伝承
グリゴリーとカロルはアルバイトに２回生を連れていく。彼はアルバイトのノウハウを２回生に教えるつもりである。
今日は森の中に幅６メートルの直線道路を２キロ作る仕事である。グリゴリーとカロルは、１時間弱で道路を錬成する。
これで報酬は金貨２０枚である。２回生たちは驚く、２人の錬成もすごいが報酬もいいのだ。グリゴリーは見学した手間賃として２回生に金貨１枚ずつ渡す。
そして、グリゴリーは2回生に言う。
「試しにアルバイトをしてみるか。」「ぜひ、やらせてください。」
４人の２回生はアルバイトをやる気になる。
次に他の工事現場へ行き現場監督と交渉する。学生６人であるが話に乗る現場監督はなかなかいない。
そして、ある現場でグリゴリーとカロルのことを知っている現場監督に会う。お試しで道路を錬成することになる。
カロルが２人２回生の面倒を見て、グリゴリーが残り２人の面倒を見ることになる。
２回生は道路の錬成に苦労する。そして、次々と魔力切れを起こす。グリゴリーとカロルが錬成を手助けする。
道路は１時間程で完成したが２回生の錬成技術はまだ土木工事には使えないレベルである。
４人の２回生は休み時間に裏庭で錬成の練習をすることになる。コーチはグリゴリーとカロルがする。
練習は道路を錬成するとまた元の裏庭に錬成しなおす無限ループである。
錬成の訓練は他の者から見ると苛烈なものである。魔力切れで倒れるのは日常茶飯事である。
グリゴリーとカロルはスパルタの先輩として恐れられることになる。１カ月の訓練でやっと現場で使えるレベルになる。
しかし、グリゴリーとカロルとは程遠いレベルだ。４人の２回生は練習をやめない。彼らは、魅力的な報酬とグリゴリーとカロルという目標がある。
裏庭の練習は続けられる。もともとグリゴリーとカロルのレベルが高いため、普通の学生が苦労するのは当たり前のことである。
それでも１年続けるとかなりのレベルに上達する。
この裏庭での練習はモーリス・ヴィトンの魔術研究室の名物となる。
