第164話 モーリス教諭と魔眼４
グリゴリーは、サイーシャに魔眼のことと地下オークションのことを連絡する。サイーシャは、俺に魔術学校の女学生から奪われた魔眼が地下オークションのかけられることを知らせる。
俺はサイーシャに地下オークションについて聞く。
オークションでは、希少価値のあるものから人体に至るまでなんでも取り扱っているという。
また、会場は手練れの戦士が守っているため騎士団も手を出せないでいる。
事実上、無法地帯で金があれば何でも手に入るのである。
俺はこの機会に地下オークションをつぶすことにする。近衛騎士を招集し、襲撃プランを練る。
２日後、モーリス、グリゴリー、カロルの３人は地下オークション会場にいる。今は魔石が出品されている。
金貨５０００、６０００と値がつり上がっていく。
「先生、資金は大丈夫ですか。」
カロルが聞く、モーリスは
「学長持ちだから大丈夫。」
と平然としている。
次に全裸の少女が出品される。カロルがグリゴリーの目を塞ぐ。
「見ちゃダメ。」「どうしてだ。」
「まだ早いのよ。」「そうか、よくなったらカロルのを見ることにする。」
カロルは赤くなり、黙り込む。
その頃、近衛騎士団は静かに気づかれないように狩りを始めている。既に入口の護衛は始末し、近衛騎士にすり替わっている。
俺は一番腕の立ちそうな男の背後から忍び寄る。男は俺に気づいていたようで振り向きざま、剣を抜きはらい切りつけてくる。
俺は姿勢を低くしてかわし剣を下から喉に突き上げる。男が落とした剣を空中で掴み男を物陰に隠す。
魔眼の出品は最後である。この時には会場の警護は全て近衛騎士にすり替わっている。
ドニィーシャが最後の護衛を始末する。俺は壇上に魔眼を運んでいく。
そしてオークショニアは俺の顔を見ると顔を青くする。俺は彼に当て身を加えて捕える。
そしてドニィーシャが声を上げる
「そのまま動くな。」
俺の傍らにはサイーシャが来る。客は近衛騎士によって連行される。
カロルは連行されながら言う
「魔眼はどうするのよ。」「大丈夫、事情は話してある。」
グリゴリーは言う
「これは来る必要なかったかな。」
モーリスは嘆く。
３人はすぐに釈放され、魔眼は元の女学生の左目に戻る。
地下オークションについては近衛騎士団で捜査が進められている。
