第160話 グリゴリーとカロル
今日はグリゴリーとカロルのアルバイトの日である。知り合った現場監督からは頼りにされている。
特に道を作るのが難しい場所で2人の力がものを言うである。待ち合わせにカロルは少し遅れてくる。
「待たせた。」「それほど待っていない。」
グリゴリーはそっけなく答える。カロルは少しおしゃれをしている。土木工事には場違いな服装である。
「どおかな。」「似合っているけど、今から行くところにはいつもの服装がいいよ。」
カロルは期待した自分がバカだったと反省する。
仕事は岩場に幅8メートルの直線を1キロ作ることである。グリゴリーとカロルは手慣れてきて錬成魔術で30分ほどで完成させる。
カロルも魔力切れを起こさない。これで1人金貨10枚である。2人が帰る途中、カロルがグリゴリーに言う。
「私の家でお昼食べない。」「いいよ。」
彼は断る理由はないので一緒に昼食を食べることにする。。
カロルはアパートに1人で暮らしている。グリゴリーは、カロルの家に入り、感心する。部屋が片付いているのである
「凄いなー、片付いている。」「あ、ありがとう。」
カロルが答えるが、グリゴリーは違和感を感じる。
勲章授与式が終わってからカロルの様子が変なのである。グリゴリーは気になるが触れないでいる。何か地雷のようなものを感じる。
カロルはサンドイッチを作る。2人はサンドイッチと紅茶で昼食にする。
「味どうかな。」「美味しいよ。」「ありがとう。」
カロルは赤くなる。彼女は何か言いたそうである。
グリゴリーはカロルに言う。
「何か聞きたいことでもあるの。」「そ、そ、それねー」
カロルはさらに赤くなりながらグリゴリーに言う
「式の時、言ったこと本気。」「嘘は行っていないよ。」
「本気にするわよ。」「構わない、それよりさっきから顔赤いぞ。」
カロルは顔を隠して言う。
「いじわる。」
グリゴリーは意味が分からない。
彼女はグリゴリーが気が付いていない様子に少しむくれて言う。
「プロポーズしたくせに。」
グリゴリーは考える、そして納得して言う。
「カロルがそのつもりなら構わないぞ。」
グリゴリーはあっさり受け入れる。彼はカロルが伴侶として問題ないと判断したのである。
カロルは再び頭がショートして倒れる。彼女が気づくとベットに寝かされている。
グリゴリーはベットの横で本を読んでいる。カロルは安心し、しばらく寝たふりを続ける。