第157話 モーリス教諭の事件2
モーリスはグリゴリー、カロルと共に図書館へ行く。司書にテウルギアのあったところを聞く。3人は支所にその場所へ案内される。
「テウルギアが無くなったことを発見したのは誰ですか。」
グリゴリーが質問すると
「事務局長です、随分慌てていました。」
司書が答える。
本は奥まった目立たないところに保管されていたようだ。グリゴリーが質問する。
「他の棚にもテウルギアがあったと思いましたが。」「それは貸し出しができるものです。」
司書が答える。カロルが言う。
「おかしくありませんか、同じ本なのに1冊は貸し出し禁止なんて。」「そうですね、町の本屋でも注文すれば手に入るものです。」
司書が説明する。
「訳アリだね。」
モーリスが他人事のように言う。カロルが抗議する。
「これ、先生の仕事ですよ。」「でも、どんどん捜査が進んでいるよ。」
モーリスは気にせずに言う。グリゴリーが床に魔法陣を描いている。モーリスが司書に礼を言うと司書は帰って行く。
カロルがグリゴリーに言う。
「あんたは何やっているの」「過去に起こったことを映像化する。」
「それって一部の魔術師にしかできないでしょ。」「出来るからやっている。」「そお。」
カロルは負けているようで面白くない。
床から映像が浮き上がる。事務局長が本を探しているところが映像化される。
さらに時間をさかのぼると事務員のロジーネが本を取り出している。しかし、グリゴリーは再生を止めない。
頻繁に学長と事務局長が本を取り出しては戻している。カロルが学長と事務局長の動きを見て聞く。
「なにこれ。」「学長の秘密。」
モーリスが言うとグリゴリーがまじめな顔のままで言う。
「ゆすりますか。」「辞めておこう、既にロジーネがゆすっているだろ。」
モーリスが答える。
「あとは本を手に入れるだけですね。」
グリゴリーが言う。