第155話 ラスクの消滅
ラスクの第2分艦隊との戦いで近衛艦隊はフレームシリーズ18機のうち半数の9機を失う。スクルド、スコーネ、グローサは沈まずに済んだが大きく損傷し戦闘能力は残っていない。
ジェームス提督の艦隊にも少なからず損害が出ている。アデル、アーシャ、マリアの3艦長は一息つくが被害報告で頭を痛めることになる。
俺も一時は全滅を覚悟したが、何とか乗り切っている。しかし、俺の判断について異論が出てくるに違いない。
そしてフレイムランドは唯一の知っている知的地球外生命体を絶滅させてしまっている。
戦闘の様子は、世界各国に発信されている。各国への対応はドニィーシャに任せることにする。
スクルド、スコーネ、グローサはジェームス提督の艦隊と共に月の裏側へ向かっている。近衛艦隊の3隻とも大気圏突入ができないほど損傷が大きいのだ。
3隻は門の中のドックで修理することになる。俺は月の裏側の基地でスクルドを降り、輸送艦で浮島に帰る予定である。
俺は戦闘終了後、3日で浮島に帰る。各国からは少数で多くの敵を倒したことへの称賛と唯一の知っている知的地球外生命体を絶滅させてしまったことの非難が来ている。
そして、国連への加盟や国交を求める連絡が来ている。ドニィーシャは要請の全てを拒否していた。
俺はドニィーシャに聞く。
「非常の場合のホットラインは確保したか。」「はい、陛下の要望通りです。」
ホットラインの確保は、今後、ムーラー対策のために必要だからだ。
俺は国交がなくてもムーラーが地球に到達した場合は避難民の受け入れをする予定でいる。
しかし、全てを受け入れることはできない。受け入れ人数を各国に割り振ることになるだろう。