第145話 ラスク第1艦隊
木星付近を警戒中の強行偵察艦が目視で艦影を捉える。艦船の数はだんだん増えていく。2隻の強行偵察艦が監視の応援に駆け付ける。
艦船は100隻ほどになり、通信の内容からラスクの第1艦隊であることが分かる。彼らは第3艦隊からの通信が無いことを不審に思っているようだ。
そして第1艦隊は偵察艦を発進するすることが判る。偵察艦には強行偵察艦が1隻張り付くことになる。
フレイムランドでは偵察艦に自国の艦船を発見されないようにする。偵察艦の行動は強行偵察艦からの連絡で把握され、付近を航行しないようにし、近くの場合はステルススクリーンを展開して発見されないようにする。
そして、偵察艦は地球へと至る。まだ、月の裏の基地は見つかっていない。もし、偵察艦が基地を発見すれば即撃破する予定である。
偵察艦は月の基地を発見することなく艦隊へ戻っていく。ジェームス、ルーカス、クリストフの3提督が艦隊発進準備を進める。
偵察艦が戻るとラスクの第1艦隊は第2艦隊と交信する。交信内容からラスクには第1と第2艦隊が残るのみと推測される。
第1艦隊が動き出す、既に艦隊には強行偵察艦3隻とベネディット、ホワイトアースがステルススクリーンを展開して追従している。地球の宙域にはスクルド、スコーネ、グローサが展開している。
3提督の艦隊はすでに発進し、ラスクの第1艦隊を三方向から包囲する形で展開する。そして、ルーカス提督は、ジェームス提督とクリストフ提督と協議して攻撃の時間を決める。
各提督は同時に艦隊を指揮する。
「砲撃用意。」「ステルススクリーンを解除と同時に砲撃を開始する。」「了解」
「ステルススクリーン解除、攻撃開始。」「フレームシリーズ発進」
一斉にステルススクリーンを解除すると同時に艦砲射撃を始める。ラスクの艦隊は突然のことに対応できない、艦隊は反撃できず逃げに徹する。
5隻が包囲を抜けるがそのうち3隻が発進したフレームシリーズの餌食になる。残った2隻は降伏の意思を示しながら逃げる。
そして、地球の宙域に来る。グローサのマリア艦長がいち早くラスクの船に気づく。
「砲塔展開、前方最大船速。」「敵艦目視で確認。」「撃て。」
グローサが2隻の戦闘艦を沈める。
この状況は地球の各国にも発信されている。そして降伏した艦を撃破したことに抗議の声が上がる。
しかし、フレイムランドではそのことについて回答はしていない。