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第137話　剣技の上達

　午前中のドニィーシャとの真剣での訓練は続けている。最近、アクセルを習得し、魔力による強化と合わせてかなりの加速ができるようになる。

　俺はやっとドニィーシャのスピードに追い付いてきたのである。

　しかし、問題が出てくる。段々ドニィーシャの動きが遅く感じられるようになる。彼女の剣筋がまるわかりなのである。

　そのためこれまで大きくかわしていたのが小さな動きでかわすことができる。そして、攻撃に移りやすかった。

　さらに攻撃をドニィーシャがどのようにさばくかも予想がつく。当然、次の彼女の攻撃へと予想は続いて行く。

　これはドニィーシャがわざとしているのだろうか。ドニィーシャは、俺との訓練に嫌気がさしてきたのだろうか。

　１０年以上かけて、やっとアクセルが使える程度の進歩の遅さである。そろそろ、ドニィーシャに見限られてもおかしくない。

　ある日、ドニィーシャは俺に隙を見せる、俺は剣をはね上げれば勝ちをとれると思う。誘っているのかもしれないが、打ち込むことにする。

　するとドニィーシャは剣をはね上げられ剣を放す。俺は初めてドニィーシャに勝つ。

　しかしうれしくない、どう考えてもドニィーシャがわざと隙を見せたように思うのである。

　俺はドニィーシャに聞く。

　「どうして隙を見せた。」「陛下、私は手を抜いていません。」

　「だが、今のは明らかに隙があったぞ。」「とうとう、追いつかれてしまいましたね。」

　「俺が強くなったってこと。」「そういうことです。」

ドニィーシャは嬉しそうだ。俺には実感がない。

　「いずれ、分かります。」

ドニィーシャは口癖を言い、俺にキスをする。