第123話 神族エール
カイル、ケイティ、ヴァンスの3人はエールを相手にしている。3人は東京で数多くの神族と魔族と戦って場数を踏んだ手練れである。
3人の連携は、エールに攻撃のチャンスを与えない。カイルが攻撃の中心になって、ケイティ、ヴァンスの2人がエールの死角を突く。
一見、3人が優勢でエールは手が出ないように見える。しかし、エールはただ攻撃を受けているだけではない。徐々に体の中に魔力を集中させている。
最初にカイルがエールの異変に気づく。彼は直ちにケイティ、ヴァンスの2人に離れるようにサインを送る。その時、エールは魔力を爆発させる。
エールを中心に直径100メートル程の爆発の後ができる。カイル、ケイティ、ヴァンスは、とっさに距離を取っていたが無傷ではいられない。
エールは3人の中心であるカイルに襲い掛かる。彼は右手の手刀に魔力を乗せて首を落とそうとする。
カイルは剣で受け止める、そこへケイティ、ヴァンスがエールに迫る。今度はケイティが狙われる。エールは魔弾をケイティに撃ち込む。
ケイティは魔力のシールドを張って後ろに飛ぶが、魔弾にシールドを破られ直撃を受け、地面を転がる。彼女はそのまま動かなくなる。
カイルとヴァンスはエールに魔弾を撃ち込む。しかしエールは魔力で体を強化し魔弾に耐える。
エールはカイルに向け魔弾を撃つ、カイルは魔力のシールドを張り、角度を付けて魔弾を受けはじく。
カイルはシールドを張ったまま、剣に魔力を乗せてエールに切りかかる、エールは後ろに飛びかわす。彼は同時に背後に大きな気配を感じる。
エールはその気配から自分より強く、敵意を持っていることを感じる。彼は冷や汗を流しながら振り向くとそこにはフロンがいる
「ナブーはどうしたんだ。」
エールは思わずつぶやく。
フロンは無言で、魔力の帯びた手刀でエールを切り裂く、つぶやきはエールの最後の言葉になる。
ヴァンスがケイティに駆け寄る。ケイティにはまだ息があるが危ない状態である。ヴァンスは救護をスクルドに要請する。