第116話 フロンの動向
俺は、5年近くたってフロンについて情報が何もないので諦めかけていた。突然、東京の拠点からフロンについての情報が来る。
フロンは人間として暮らしているようだと言うものである。彼の調査は続いている。
俺はドニィーシャに聞く。
「人間に成りすますことに何か目的でもあるのか。」「分かりませんが、この世界にとどまる時はこの地の人間を利用しますので、人間に成りすますことはありません。」
「人間に紛れるなら、人間に成りすました方がいいように思えるが。」「彼らは人間を見下しています、人間の真似事はしません。」
ドニィーシャの話が正しければ、フロンの行動は不可解である。
調査が進み、フロンは女性のアパートに住み、その女性と同棲しているとのことである。
報告を聞いたドニィーシャは俺に言う。
「あり得ません、これは何かの罠です。」
俺はフロンと話をしたくなる。ドニィーシャとサイーシャに話をする。
「俺は、フロンに会って話してみたい。」「陛下なりません。これは罠です。」
「何か理由があるかもしれない。俺は会うぞ。」「陛下の悪い癖が出ましたね。」
「悪い癖?」「そうです。言い出したら止まらないところです。」
「なら、俺はフロンに会うことにするよ。」「分かりました。私たちが隠れて護衛します。」
ドニィーシャもサイーシャが分からないように護衛に着き、俺はフロンのいるアパートを訪れることになる。
俺は情報にあるアパートの部屋に行き、インターフォンを鳴らす、しかし反応は無い。先ほどフロンの気配は感じ取っている。彼が部屋にいるのは間違えない。
しかし、俺は今、フロンの気配を感じられずにいる。そして、気づきしまったと思う。
俺はゆっくり振り向く、そこには、フロンが気配を消し宙に浮いている。彼は、気配を消した俺に気づき手を打っていた。俺は完全に後ろを取られてしまったのだ。