第107話 ドミニク艦長の作戦
ヴェネトがムーラーの本拠地を2つ潰したことは、ヴィットリオにも通信が来ている。ドミニク艦長は、ムーラーと接敵した時、四方八方からムーラーに襲われたことから、接敵時にムーラーの本拠地に囲まれていたと推測する。
ドミニク艦長はフリッツ副長に聞く。
「ムーラーとの距離はどうだ。」「依然、後方を追って来ていますが徐々に距離が離れています。」
「180度方向転換しても追いつかれない距離になったらSPA砲を使う、あとどのくらいでその距離になる。」
「分かりませんムーラーの減速次第です。」「おおよそでいい」。
「30分位でしょうか。」「よし。30分後、180度方向転換してSPA砲でムーラーの群れを駆逐する。」
「船体が持つでしょうか。」「これまでの船なら危ないだろうが、この船はかなり強固になっている。」
「船体が耐えうるとお考えですね。」「そうだ。」「了解」
ドミニク艦長は最大船速のまま方向展開しようとする。
「3分前です。」「よし、SPA砲発射準備、各砲台展開。」
「バレルロック解除」「バレル内電子、加圧開始。」
「バレル内圧力規定値に到達。」「30秒前です。」
「10秒前」「5、4、3、2、1、0」
「180度回頭、SPA砲照準ムーラーの中央。」
ヴェネトが船体をきしませて180度回頭する。ベネディット級の船体が強固に造られているためできる芸当である。
「照準よし。」「撃て。」
艦首からエネルギーの激流か流れ出しムーラーの群れを消していく、ムーラーはとんどが消し飛ぶ。
「各砲座は残存ムーラーを射撃、全速前進。」
各砲座とクリスは残ったムーラーを掃討していく。
ドミニク艦長は最初の戦場位置に戻り、本拠地を探すことにする。艦長は数基の本拠地が少なくともいると確信している。