第102話 サイーシャの子
ドニィーシャは本当に子供に合わせてくれない。他の者もドニィーシャの子を見た者も名前を知る者もいないのだ。
せめて元気なのかくらい知りたい。俺はドニィーシャに聞く。
「ドニィーシャ、子供は元気に育っているかい。」「陛下は知らなくてよいことです。」
「気になるんだよ。」「なら、忘れてしまってください。」
「そんなことできないよ。」
ドニィーシャに取り付く島もない。
サイーシャの子グリゴリー・プラトノーフが生まれる。しかし、サイーシャも子供を俺に合わせてくれない。
俺はドニィーシャに対抗しているのかと思ったが、どうも魔術師にすることと関係あるらしい。
サイーシャは時が来れば会わせると言っている。アピルから習った知識の中には、魔術を使えるように手術をしたり、魔眼を移植したりする技術がある。
実際、俺はサイーシャの施術によって不老不死にされている。サイーシャが自分の子に何をしているのかを考えると不安が募る。
俺はサイーシャに聞く。
「サイーシャは子供に手術したりしないよね。」「それは陛下に関係ないことです。」
「俺は元気に育ってくれればよいと考えているんだ。」「陛下のお考えは分かりました。」
「なら、そうしてくれるよね。」「私に任せておいてください。」
彼女は俺の意見を聞く気はないらしい。
誤解の解けたアピルに様子をそれとなく聞いたがアピルもサイーシャの子に会えずにいる。
ドニィーシャ、サイーシャの子育ては度が過ぎている。俺は何とかしたいと思っているが無理をすれば、彼女らとの関係に支障をきたすだろう。
そして、アーシャからの夜の要求が厳しくなる、彼女は大人だが体は少女のままである。
俺は大人の女性が好みのため、アーシャの要求に答えづらいのだ。
俺のハーレムは、女の方が立場は上なのだ。