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仲良くなれるのか? 7 (鳴 視点)

 私はまだ高校にあがったばかりで、学校に馴染めずにいた。


 なんだかみんな同じ話をしているみたい…。

 今期のアニメは…とか。今期のドラマはとの作品が面白いとか…。最近のマンガはどれがすごいとか…。コスメは何を使ってるとかね…。


 それ以外の話は、まるでしちゃいけないみたい…。なんだか息が詰まる。


 そうして毎日を過ごしていたら、私は少し浮いた存在になってたみたい…。



 ある日、授業の合間の休憩時間に、私は顔を伏せて寝ていた。疲れていたわけじゃないけれど、やることもなかったしなんとなくそうしていた…。


 そうして目を閉じていると、頭に軽く何かがあたった気がした。


 周りを見回したけど、何もないから気のせいかな…、そう思って、私は机に伏せってまた目を閉じた。

 多分、その時には悪意は、私に忍び寄っていた。



 翌日、いつも通りに学校へ行くとなんだか様子が違う様に感じた。


 私には関係ないかと、高を括る。そんなはずはなかったのに…。


 次の授業の休憩時間になると、何やら男子が気まずそうに並んでいた。


『何…?』


 そう思った次の瞬間、前にある机の通路と机を使って、座ってる私の机前方を彼らか順番に蹴ってくる。


 お腹に机が食い込んできて、苦しいやら痛いやら…。


 なんでこんな事するのかわからない。けれど彼らには泣き顔なんか見せるもんか! 私はそう思った…。



 放課後には…。


「掃除手伝うから、ホウキ貸して?」


 クラスメイトの女子が言ってきた。何も疑わずに渡すと…。


「ヤダ! 小鳥遊(たかなし)の菌とかうつったんじゃない!?」


「ヤダ~! あたしにうつさないで~!」


『この人たちも、そうなのか……』


 私はそう思うだけだった。



 そう思いながらも、毎日蹴られて仲間はずれにされて、少しずつだけど心は疲弊していく。


 家では心配かけないように笑ってるつもりだった。 でも、疲れちゃったのかな。たまに学校をサボって、近くにあるマンションの屋上前で過ごした。


 学校が終わる時間に合わせて帰宅する。そんな日が少しずつだけど増えてきた。



 そんな時だった。


「動物を久しぶりに育ててみない?」


 お母さんが、そんな事を言い出したのは。


 お母さんも私も、昔インコを飼っていて、すごく可愛がっていた。その子とのお別れが辛くて、新しい家族を迎えようなんて言わなかったのに。


 多分、お母さんに言ってないけど、心配かけてるんだろうなと思った。


 だから、お言葉に甘えることにした。


 ペットショップには色んな動物がいたけど、桜文鳥よりほんの少し、淡い色合いのブルー文鳥と言う子が気になった。


 ペットショップの人に言わせると、手乗りじゃないし荒文鳥? だから、あまりおすすめできないと言われたけど、どうしてもその子が気に入ってお迎えをした。


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