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百合チート持ちで異世界に転生したとか百合ハーの姫になるしかない!!  作者: 無色
才媛酒宴編

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61.これを運命と呼ぶのだろう

「テレサクロームのう」


 話を聴いた師匠(せんせい)が、いの一番に顔をニヤつかせた。


「リーダーであるリコリスが決めたのならば仕方あるまい。あのような下賤なところ、高貴な(わらわ)には似つかわしくないのじゃがのう〜」

「ゴクゴク…顔ニヤけてんぞ師匠(せんせい)。ん、このぶどうジュースおいしいね」


 テレサクロームは海に面していることから交易都市としての側面も強く、ドラゴンポートと同じく様々な物資が流通している。

 歓楽街であるため嗜好品が多く集まり、中でも特に種類の流通はドラゴンポート以上で、あらゆる美酒銘酒が集うのだとか。

 師匠(せんせい)が今からソワソワしているのはそのためだ。


「行くことに異論は無いんだけど、ちょっといい?」

「んぁ?」

「歓楽街ってことになると、マリアとジャンヌに悪い影響がないかしら」

「うっ…そ、それはたしかに…」


 あんなに純粋な子たちを大人の薄汚い欲望に晒すのは…


「社会勉強と言ってしまえばそれまでじゃがな」

「あっあの、そっそもそも…あそこには入国に年齢制限があったはず…ですけど」

「詳しいですねエヴァ」

「わ、私の実家がすぐ近くで」

「私たちお留守番〜?」

「しょぼんです…」


 うう妹たちの残念そうな顔は…

 けど行きたい気持ちは抑えられないし…


「と、透明マントでこっそりとか…。【空間魔法】で転移とか…」

「二人に不法入国させるつもりですか」

「ふえええんドロえも〜ん!二人を大人にする薬とか作ってよぉ〜!」

「自分の欲望のために妹たちの身体を変化させようとする鬼畜外道…」


 そのとおりだけどもっと言い方あるだろ。


「なんであんたってそうクズなのかしら」

「だいたい身体を大人に変えるなんて出来るわけ――――」

「まあ大人になる薬ならここにあるけど」

「あんの?!すげえさすドロ!天才薬師!」

「それほどでもあるわ。って、あら?ここに置いておいたのに」

「おいおい薬の管理はしっかりしなきゃダメだろ。誰かが間違って飲んだらどうすんグァアアアア身体がぁぁぁ!!」


 大人になった…

 

「おお…すっげ…。若干身長伸びた…か?胸も少し大きくなった気がするな…。けどこれ毒薬だろめっちゃ苦しかったぞ。なあドロシー」

「へぶっ!!」

「盛大に鼻血噴いたな?!どうしたウイルスにでも感染したか?!」

「ちが、違うの…色気…色気が…」

「おーい倒れんなって!もう!シャーリーちょっと手伝っ…なんで拝んでるんだ貴様」

「美し…美しすぎて」


 泣いてやがる…


「お姉ちゃんがスーパーお姉ちゃんになったー!」

「スーパーお姉ちゃんです!」


 スーパーお姉ちゃんて。


「――――――――」


 エヴァが息してねえ。


「本当、外面は完ぺきなんじゃのそなた」

「全てにおいて完全無欠だが?」


 アルティは…


「……チラッ。〜〜〜〜!」

「ガチ照れしてんじゃねーか。うりゃ!」

「リ、リコ?!なんで抱き…はわわわわ!」


 顔から蒸気出して倒れちゃった。

 大人の私、色気ヤバい。

 一時間したら元に戻った。

 苦しかった以外副作用は無さそう。


「ちょっと改良するだけでよさそうね。けど身分証はどうしようかしら」

「あーそっか。そっちもなんとかしなきゃ」

「ですがギルドカードは、テルナの話だと神代(かみよ)の時代の技術がどうとかって話じゃありませんでしたか?」


 神代の時代か…それなら一度リベルタスに相談してみるか。




「そんなわけなんだけど、どうにかなんないかな?」

「んー」


 リベルタスは珍しく困り顔で唸った。


「リコリスちゃんの頼みだからなんとかしてあげたいけど…ギルドカードとか犯罪歴を調べる水晶って、テミスの力で作ったものだから」

「テミス?」

「法と秩序の神様だよ。昔テミスの加護を与えられた人間が、知識と品格を以て浮浪者を束ねたのが最初のギルド。そしてその技術を以て作られたのがギルドカードなの。だから普通のスキルじゃ誤魔化しようがないし、かといって私たち神がそんなことをしたら神々のルールに逆らっちゃうんだよ」


 なるほど。

 私の自己チューで、じゃあルールに背いてよーとはとても言えないしな。

 どうしようもないなら、今回は諦めなきゃだ。

 まあ人生は長いし。マリアとジャンヌが大人になってから行けばいいさ。うん。


「うぅ〜、リコリスちゃんに我慢させちゃうの嫌だなぁ」


 って肩に頭を乗せてから、


「あ」


 何かを思い出したように声を出した。


「あの人なら…うーんでもなぁ」

「どうしたの?」

「あのね、心当たりっていうか…なんとか出来なくもない…抜け道があるっていうかね」

「抜け道?」


 リベルタスはまた困り顔をした。

 そんなとき。私の背中に何かがのしかかった。


「やあやあリベルタス。ぼくさまのことを呼んだかい?」


 金髪のショタ?いや、ロリ?中性的すぎてわからん。

 ピエロみたいなメイクに、奇術師みたいな格好をした神様だ。


「呼んではないよぉ。でも久しぶりロキ」

「久しぶり。そっちの子は初めましてだね。この世界で人間を見たのは初めてだ。ぼくさまはロキ。遊戯(ゆうぎ)悪戯(いたずら)の神だよ」

「あ、どうも。リコリスです」

「君のことは知ってるよ。神々を騒がせる人間なんて珍しいからね。いつ挨拶しに行こうかと思ってたんだ」

「何をしに来たの?」

「何をしには酷いなあリベルタス。君の愛し子に手を貸そうとわざわざやって来たんじゃないか」


 手を?


「あのねリコリスちゃん。ロキはちょっと…いやかなり…神々の中でも異端…変わり者…嫌われ者…っていうか」


 隠しきれない悪評よ。


「でもだからこそ、神々のルールの中でも唯一自由に動ける神でもあるの」

「ハハハハ、()()()にそう言われるのは光栄だね。自由というより勝手気ままの方が表現としては正確だろうけれど。つまりそういうことだよリコリス君。ぼくさまならテミスの力の包囲をすり抜けられる。悩める君に力を貸してあげようじゃないか」

「それは助かるけど、なんで?」


 ロキはクルクルと踊って、近くの石柱の上に飛び乗った。


「それはもちろん、君がおもしろい人間だからさ。ぼくさまはおもしろいことがだーい好きなんだ。何をやるか、何を成すか、これほど先が読めない人間は他にはいない。自由奔放型破り。ぼくさまが好きになるには充分なおも…人間だ」


 消えたと思ったら目の前に現れる。

 いろんな神様に会ったけど、リベルタスが異端っていうのもわかるくらい、()()()た神様だ。

 てか今おもちゃって言おうとしたろ。


「そういうわけで、はい」


 ロキが指を鳴らすと、私の身体が光った。

 

「ぼくさまから【遊戯神の加護】のプレゼントだよ」

「加護って…フローラのときでさえ、結構問題っぽかったのに」

「理に縛られず大義も正義も無い。それがぼくさまがぼくさまたる理由なのさ。あ、一応体裁として何個かスキルをもらっておいたから」


 ステータスを見ると、たしかに加護が増えている代わりに、【盗賊】を始めフレンドリースキルの幾つかが消えていた。

 厳密には消去というか、加護における能力統合みたいなものらしい。


「これで詐称し放題だよ。ただしバレたときは自己責任。ぼくさまはそこまで面倒を見ないから気を付けてね。それで死罪なんてつまらない幕引きなんか見せられたら、ぼくさまは腹いせに世界を滅ぼしちゃうかもしれない」

「怖すぎる…」

「ロキは一応悪神だもん。でも大丈夫、リコリスちゃんは私が護ってあげるからね♡」

「ハハ…」


 とんでもねえ神様から加護をもらってしまった。

 何はともあれなんとかなったみたいだけど、本当に必要最低限だけ力を借りることにしよう。

 

「おっと。どうやらここも騒がしくなりそうだ。またねリコリス君。楽しい未来でまた会おう」


 そう言ってロキは消えた。

 後には花びらだけ残して。

 演戯めいたキザな退場だ。


「掴みどころが無いっていうか。神様もいろいろなのがいるんだな。じゃ、用も済んだし私もそろそろ」

「おいおいおいおい。おれたちに挨拶は無しかぁ?人間よぉ」


 次はなんだ?

 振り向いてみれば麗しの女神たちが立っていた。

 深い赤の髪と褐色の肌をした、槌を手にした女神。

 それからその女神に背負われた、顔を真っ赤に酒気を漂わせる女神。

 そして穢れを知らないような真っ白な女神の三柱が私の前に現れた。


「えっと…?」

「おれはヘパイストス。鍛治を司る神だ」

「あたしはァ、ひっく。酒の神デュオニュソスれす〜」

「はじめまして…あの、ヘスティアと申しますです。炉と料理を司る神ですます」


 鍛治に酒に炉…前にアレスが言ってた神たちか。


「ったく常識外れにも程があらぁな。恩寵だったか?加護を与えてねえ人間が、限定的とはいえおれたちの力を行使しちまうってんだからな」

「おもしろいよねぇ〜ひっく。本当ならこんらこと許さらいけろ〜、君は飲みっぷりがねェいいからねェ。あたし気に入ってるれすよ〜」

「う、うん。ラーメンって食べ物すごくおいしそうでしたです。それからお寿司も。前に作ってたカレーも全部。炉に愛された人の料理でしたます」


 寿司が炉に愛されてるかどうかはさておき。

 みんな個性つよつよだな。

 ぽかんとしてたら、ヘスティアがジッと私の目を覗き込んできた。


「な、なにか?」

「アテナとヘパイストスとデュオニュソスだけズルいます。私の力も恩寵にしてほしいです」

「私のって…」

「私の力も恩寵にするでます〜!」

「うぉわ!ちょ、やめ!わかったわかったから!」


 料理系のスキルを全部統合して。

 【炉神の恩寵】の出来上がり。


「ムフー」

「満足いただけたようで何より…」

「今回はヘスティアが用事があるってんでついて来ただけだが、今度来たときは酒でも飲もうぜ」

「待〜ってるかられ〜ひっく」

「またねなのます」


 なんだ言うだけ言って行っちゃったぞ。

 神様っていうのは奔放だなぁ。

 じゃあ今度こそ帰るってときに、リベルタスが小さく頬を膨れさせた。


「リコリスちゃんはどんどん神様に好かれるねー。嬉しいけどちょっと寂しいなぁ」


 は?って声出た。


「何言ってんの。そりゃ私がやらかしてるせいで、人より神様の知り合いは多くなったけど。どう考えてもリベルタスは特別でしょ」


 私をこの世界に呼んだ張本人じゃん。あ、いや張本()か?


「リコリスちゃん」

「なに――――」

「ん…」


 熱い。

 けど優しくて、どこか拙いキス。

 年頃の少女みたいな潤んだ目で、リベルタスは私を見つめた。


「私が人間だったら、ずっと傍にいられるのに。好きだよリコリスちゃん。大好き。ずっとずっと大好きだよ」


 何度キスをしたのか。

 気付けば神の世界から退場していて、後には唇の感触だけが残った。

 今までは母親みたいな、姉みたいな存在だと思ってたけど。


「神様に欲情ってのは…痛い字面してんなぁ…」






 その後、ロキから授かった加護の力で、マリアとジャンヌのギルドカードの偽装に成功した。

 これで準備はオーケーだ。

 とはいえ二人に悪影響がある可能性は否めないので、その点も考慮しなきゃいけないんだけどね。


「楽しかったなぁディガーディアー。居心地良すぎてダラダラしてたら永住しちゃいそうだよ」

「しちゃえばいいじゃん」 

 

 ルウリは馬車のようなものをいじくりながら、背中越しにそう言った。


「何不自由無い平和な国。あたしがいるからどこよりも生活水準高いし」

「まあね。さすがに水洗トイレはまいった。ウォシュレット最高すぎた〜」

「でしょ?あ、姫。これに空間拡張の魔法ってかけられる?」

「りょ。空間拡張スペースエクステンション

「サンキュ。ホントに行くの?」

「うん。私を待ってる女たちがいるからね」

「姫タラシだもんね〜。顔国宝かよってくらいイケメてるし。何でも出来てかわよで強いとか神かよー。はーあ、もっと姫といたかったなぁ」

「シシシ。私の腕の中はいつでも歓迎だぜ」

「ミルちぃはついて行く気満々だったけど」


 あーね。




「わーたーくーしーもー!!リコリス様たちと一緒に旅に出ますわぁ!!百合の楽園(リリーレガリア)の勇姿をこの目で!!間近で!!焼き付けるんですのぉ!!」


 って、ジタバタしてた。

 けど。


「ダメだ。成人しているならまだしも、物作りの才能しか無いお前に旅をさせることは出来ん」

「可愛い子には旅をさせよとは言いますが、あなたでは皆さんの足を引っ張るかもしれません」

「そんなこと!……ううう」


 王としての制止じゃなく、これは親としての心配が勝ってるんだろうと思う。

 ミルクちゃんもそれをわかってるから強く言わない。

 戦えないからってついて来るのを突っ撥ねることはしないけど、本人の意思と同じだけ保護者の意見も大事だ。

 私も昔はよく、こうしてお父さんたちに無茶を咎められたっけ。


「わ、わたくしは諦めませんからね!いつか必ず百合の楽園(リリーレガリア)に入るんですの!絶対、絶対ですの!わたくしがもう少し大きくなるまで、せいぜいお待ちになればいいんですのよ!」

「うん。待ってる。いつか一緒に冒険しようね。その時までに」


 ミルクちゃんの手を取って口をつける。


「どうかステキなレディになってますように」

「は、はひ、ですの…」

「リコリス」

「はい?」

「婿取りに異論は無いが、未成年を誑かすのはどうかと思うぞ」

「それはすみません!!」


 陳謝。




「ウヒヒヒ、ミルクちゃん可愛かったなぁ♡あと二年経って成人したら…グフフ〜♡」

「姫って性犯罪とかヤッたことないよね?」

「誰の何を見てそう思ったんだ貴様」


 こんなピュアな美少女捕まえて。


「姫はさ、前の世界ではどんなんだった?」

「普通だったよ。田舎育ちで普通に学生して。何がきっかけだったかは覚えてないけど。普通に百合拗らせて、女の子に恋をして。好きな子に思いを伝える勇気も無かった普通の女の子」


 今の私は過去の反動だ。

 だからこそ自分に正直に、際限も後悔もなく生きようって決めた姿。


「ルウリは?」

「あたしは…普通になりたかった女の子かな」

「普通に?」

「あたしの実家って《ピーーーー》なんだけどさ」

「待って私ですら知ってる世界的大企業の名前出てきた!すげえお嬢様じゃん!」

「ゴメン嘘。盛った」


 なんで意味ない嘘ついた?


「ベンジャミン・フランクリン・メダルって聞いたことある?」

「何それどの運動会で優勝したらもらえるの?」

「電気工学とか生命科学とか物理学とか…ざっくりと、いろんなな分野で飛び抜けて優秀な功績を修めた人に贈られる賞なんだけど、あたしその全部で天才発揮してたの」


 飛び級でオックスフォード首席合格するくらいには、とルウリは付け加えた。

 いやエグい頭いいじゃん。


「日本の学校とか通ってなかったし、当然みたいに友だちもいなくて、毎日ネットでアニメ観ながら研究室で論文書いてた。親がうるさかったんだよねー。お前は天才だ、他とは違う…毎日毎日そんなこと言われてウッザって思ってた。でも反発する勇気は無くて、髪染めてピアス開けるのが精一杯。ウケるでしょザコすぎて。んで、最後は研究の成果を狙われて殺されてんの、シシシ。ね、普通じゃないっしょ?」

 

 ルウリはケラケラと明るく笑ってから、椅子の上で片足を抱いた。


「だから普通にすっごい憧れてた」


 普通の学校に行きたかった。

 普通に友だちを作りたかったし、普通に恋をしたかったと言葉の端に付け加えた。


「そんで挙句の果てに異世界て。どこまでも普通じゃないの笑うしかなかったわー」

「ルウリは気に入ってない?この世界に来たこと」

「どうだろ。最初はガチでムカついたかもしんない。そのまま死なせてくれれば楽だったのにって。でもすぐ受け入れられた。ここは異常が普通で、あたしの実力であたし自身を普通に出来るから」

「家具に産業、空に太陽まで作っておいて普通はちょっとどうかと思うけどね」

「シシシ。あたしらしく生きられるこの世界が今は好きだよ。ま、あたし以上に素直に生きてる人がいるとは思わなかったけど」

「他にもいるのかなー。元の世界出身」

「さぁ。どうだろ」

「話が通じる相手って貴重だよね」

「好きジャンル鬼被ってたしね」

「ルウリ」

「なーあーに?」

「一緒に来る?」


 ルウリはそう訊かれるのがわかっていたかのように、ニンマリと口角を上げた。


「行ーかない」

「そっか。なんとなくそんな気はしてた」

「理由は訊かないの?」

「女の子にだらしなくても無粋なつもりはないんでね」

「ッハ、マジでかっこよ。ノンケでも惚れそうでヤバい」

「試してみる?惚れさせる自信ならあるぜ?」

「あー……」

「おいそんな困り顔すんな私だって傷付くんだぞ」


 こいつは何か勘違いしている。

 私が女なら誰彼構わず抱くような不埒者だとでも思っているのか。

 …………九割九分間違ってはないけどね!

 少なくとも私は嫌がる子を無理やり――――そういうジャンルにめちゃくちゃ興奮するのは否めないとしても――――なんてことはしないのだ。

 お互いの気持ち超大事。

 

「私はな、抱いてっておねだりする子としかしねーのよ」


 自分から行けないヘタレって言うの禁止!

 ルウリは頭を掻いてから立ち上がって、私の膝の上に向かい合う形で座った。


「んじゃ…好きかどうかはさておき、肉体的快楽を優先した行いに関してはどう思う?」

「そりゃー…それも経験というか…。尊い一つの友情の形…ではあるんじゃない?」

「だよね…。今んとこさ、あたしが姫に抱いてるのって友愛なんだけど」

「こっから先に進んじゃったら本気になっちゃうよ?」

「本気にさせてみてよ」

「忘れんなよ。挑発したのはそっちだってこと」


 目をつむるルウリの頬に唇を当てる。

 耳に、首に、上着を脱がせて鎖骨に。

 ピクリと震える身体に。ゆっくりと。


「口にはしないんだ」

「本気になったらルウリからしておいで」

「ほんっと…好きぴになりそ」

「嫌だったら言えよ」

「嫌だったらこんなことやるわけ…んっ」

「声可愛い。もっと聞かせて」

「あっ…姫、待って」

「なに?」

「あたし…前世も含めて、はじめてだから…その」

「わかってる。優しくしてやるよ」

「ん…」


 甘い匂いに溶けながら。

 ディガーディアー最後の夜を。




 ――――――――




 何時間シたんだっけ…うっわキスマエグい。匂いスゴい…シャワー浴びなきゃ。

 ベッドでは姫が満足そうに寝息を立ててる。

 肌白っ、まつ毛長っ。

 寝顔までかわよなのズルささえ覚えるなって、頬にかかった髪をそっと払う。


「朝が来たら行っちゃうんだね」


 実感無さすぎ。

 寂しいって感じたのは、前の世界も込みで初めてかもしれない。

 この世界に来るまで他人に関心が無かったし。

 

「ふぁ…変な時間に起きたのつら…。水…」


 冷蔵庫…はからっぽか。

 しゃーなし厨房で飲み物もらってこよ。

 



「お」

「あら」


 厨房に行く途中の回廊。

 空を見上げる涙目のミルちぃに出くわした。


「どした?寝不足は肌荒れるよ」

「ほっといてほしいですわ…グスン」

「姫たちについて行っちゃダメって言われてガチへこみしてんだ。かわよすぎウケる」

「バカにしてますの?」

「してないしてないwあたしがミルちぃを揶揄ったことがあったかよー」

「死ぬほどありますわ」


 ケラケラ笑うと、ミルちぃは呆れたみたいにため息した。


「あなたは昔から変わりませんわね。明るく振る舞っていながら飄々として、本心なんて誰にも見せず、どこか人と距離があって。そんな人間味のあるところがお父様たちも、それにわたくしも好感を持っていたのですけれど」

「なんで過去形なん」

「だってあなた、リコリス様たちと一緒に行きたいのでしょう?」


 何を言ってるんですの?って顔された。


「なんでそう思ったの?」

「そりゃなんとなくですわ。違いますの?」

「…行きたそうな顔してた?」


 疑問符に疑問符で返すのが続いて、ミルちぃはまた大きなため息をついた。


「いくら国の重鎮だからって、行きたいと言うのを誰も止めはしないのですわ。リコリス様ほどのお方と一緒なら……ああもうっ!本当ならわたくしもご一緒するはずだったのですわぁ!きぃーーーー!!」

「…あたしは、何も知らないこの世界で偶然ミルクちぃたちに拾われた。服も食べ物も住む場所ももらった。めっちゃ感謝してる」

「打算的な言い方ですが、錬金術師としての才能に目を光らせただけですわ」

「それでも恩は恩だよ。あたしはまだみんなに何も返せてない。だから」

「だからこの国を離れるわけにはいかない、か?」

「ガリアっち?!シルヴィたんも…なんで?」

「娘の門出を祝うのになんでもあるまい」 


 娘って…


「とにかく奔放で、私たちを驚かせてばかり。手がかからなかったとは嘘になりますけど。あなたがいたこの十数年は、毎日楽しく刺激的でした」


 シルヴィたんには抱きしめられて、ガリアっちには思いきり背中を叩かれた。


「いった!何すんのガリアっち!」

「ガハハハ!軟弱め!我が娘がこのくらい耐えられなくてどうする!」

「だからあたしは…」

「娘だ!!」

「…!」

「たとえ血の繋がりが無かろうとも!種族が違おうとも!共に過ごした時間は血よりも濃く、紡いだ絆は鉄よりも硬い!お前は立派に、見事に、誇らしく我らが娘であった!」

「でも…」

「はぁ、もう!本当にあなたは…バカも大バカめっちゃおバカさんですわぁ!」


 ミルちぃは両手で思いっきりあたしの頬を挟んだ。


「あなたは自分がどれだけこの国に、いいえこの世界に貢献したのか全然わかってないのですわ!石と鉄しか無かった国があなたの知識と技術でどれだけ栄えたか!どれだけ人々の暮らしが楽になったか!どれだけの人々があなたに感謝しているか!わたくしだってそうですの!恩というならわたくしたちこそですわ!あなたはこの国に収まるような器ではないですの!わたくしが、みんなが称え誇る最高で最上の錬金術師が巣立つことを、誰が咎め止めるというのです!あなたは!!」

「!」

「ルウリ=クラウチ=ディガーディアー!!大好きな姉がうつ向くなんて、そんなの妹であるわたくしが絶対に許しませんわ!!」


 頬の熱が身体中に伝播していく。

 ああ、この人たちに出会えてよかった。

 この人たちと一緒だから、あたしは人並みになれたんだ。

 そして今、あたしを送ろうとしてくれてる。

 友だち以上に家族だった、あたしの大好きな人たちが。


「あったか…」


 サンキュ…みんな。




 ――――――――




「みんな忘れ物は無いなー?」

「はーい!」

「大丈夫ですー!」

「忘れ物は無い、けど…」

「それよりあんたがアルティに馬乗りにされてる方が目につくわ」


 朝帰りとはいい身分ですねってバチボコに怒られたんだもの。


「それよりルウリはどうしたんだ。まさかあいつまた寝坊してんじゃねーだろうな。私たちの出発だってのに」


 ミルクちゃんたちは総出で挨拶しに来てくれたってのに。


「リコリス様、これわたくしからの餞別ですの」


 豪奢な箱を開けると、中には真っ白な鉱石が。


「これはエデンズライトの原石じゃな」

「いいの?これ高価なやつでしょ?」

「本当ならばこれで剣を打って差し上げたかったのですけれど、わたくしを以てして納得のいくものが出来ず…」

「気持ちだけで嬉しいよ。ありがと、ミルクちゃん」

「あ、あの!約束…忘れないでほしいですの!」

「おう。そっちこそ約束守るんだぞ」

「はいですの!!」

「旅路に幸あらんことを」


 手を振るミルクちゃんたちを眼下に、私たちはエレベーターで地上へと昇っていく。

 雄大に聳える炎の塔が私たちを見送ってくれた。

 そして地上へ戻ってきた私たちを、そいつはポケットに手を入れたポーズで出迎えた。

 布を被せた二つの何かを前に。


「よっ」

「よっ、ルウリ。見送り来ないんじゃないかってちょっと心配してた」

「どうしても渡したいものがあったからね」


 ルウリはそう言うと、二つのうち大きい方の布をバサッと取った。


「これは?」

「最新式の馬車ってとこかな」

「いや馬車っていうか、まんまキャンピングトレーラーじゃん」

「シシシ、あたしからの贈り物。外殻にミスリルを使用した特製品だよ」

 

 黒塗りで高級感のある外見。

 ゴムタイヤにサスペンション…車のことは詳しくないけど、従来の馬車の何世代も先を取ったものだというのはよくわかった。


「貴族が乗るような重厚感ね。中も見せてもらってもいいかしら」

「うん、どぞどぞ」

「わっ!何これ!中広い…これリコリスの魔法よね!家具もお風呂も何でも揃ってる!」

「個人の部屋まであるなんて…。これは最早馬車ではないですね」

「揺れも無いし冷暖房に防音完備。【空間魔法】で中を広くしたのは姫がいなきゃ出来なかったけど、それ以外はあたしの技術を全部詰め込んだつもり。そんで、こっちは姫に」


 小さい方が太陽の光を浴びて煌めく。


「おーカッコいいバイク!ルウリが乗ってたやつだ!」

「あれよりちょっとだけ高性能にしといたよ」


 馬車と同じ黒いバイクは、流れるようなラインが美しく機械的なデザインをしていて、なんともオタク心をくすぐる。


「ミスリルドラゴンの魔石を使った魔導製のエンジンとモーター。魔力(マナ)を内燃させてエネルギーに変換することで排気量ゼロを実現しつつ、スピードと消音性を両立させたハイブリッドモデル」


 試しに跨ってみると、これがすごくフィットする。


「このボタンは?」


 ポチッ

 ガシャン!


「おいなんか銃身飛び出てきたんだが?」

「カッコよきじゃない?」

「機動兵器じゃねえかカッコいいけども」


 他にもいろんな機能があるみたい。


「てか私無免だよ?」

「この世界に道交法無いしいいでしょ」

「それもそうか。ん、なるほど。このバイクでトレーラーを牽引出来る仕組みになってんのか」


 今までずっと馬車はウルに牽いてもらってたからなぁ。


「これでウルもゆっくり出来るね」

『お、お役御免でござるか?!』

「これからは移動中もウルと遊んだり出来るよってこと」

『それならば文句は無いのでござる!』

「新しい馬車カッコいいね!」

「カッコいいです!」

「フフン、でしょ?ま、あたし天才ですから。これからもーっといろんな発明して、世界をアッと驚かせてみせるよ。あたしが時代を作ってやるんだから。んで…そんなことくらいならどこでも出来るかな〜って思ったり。たとえばそうだなぁ…姫の隣、とか」


 頭の後ろで両手を組んだり、小石を蹴飛ばしたりして、モジモジしながら私の反応を待った。

 そんなルウリがいじらしくて、ついいじわるをしたくなってしまった。


「ニシシ、本気になっちゃった?」

「はー?上からなのウッザ。一回寝ただけで彼女ヅラされるの無理なんだけど」

「そういうのって経験豊富な人が言うやつなんじゃないの?」

「うっせし!!」


 顔赤くしやがって。

 可愛い奴だ。


「…責任取れって言ったら重い?」

「言ったろ私の腕の中はいつでも歓迎だって。来いよルウリ。私の隣で見る世界は、きっともっと輝いて見えるよ」


 


 ――――――――




「言ったろ私の腕の中はいつでも歓迎だって。来いよルウリ。私の隣で見る世界は、きっともっと輝いて見えるよ」


 なんでこんなカッコいいのこの人。

 あ〜〜〜〜もう〜〜。だからあたしノンケだって…

 ガチ恋はキャラじゃないってわかってるのに…

 姫の一挙手一投足から目を離せない。

 星の引力みたいに惹き寄せられてしょうがない。

 まるで、あたしはこの人の力になるために、この人と巡り合うためにこの世界に来たのかもと思うくらい。

 くっそキャパい…

 あたしってチョロかったんだって、照れ顔を誤魔化すのに姫の胸に顔を埋めた。


「好きにもいろいろあるよね」


 なんて。

 精一杯余裕あるフリしてあたしからキスした。


「気を付けなよ。姫の方があたしにガチ恋しないように」

「何言ってんだ。私は全員にガチ恋してるに決まってんだろ」

「〜〜〜〜!そういうとこなんだけど!」

「なんでキレられてんの?!」


 これからもっと好きにさせられそうなの、なんか悔しくてムカつく。

 ……ま、それはそれでおもしろいか。

 姫は姫で、あたしの好きぴ。

 意味も理由も要らなくて、ただこの事実だけが現実で。

 人はきっと――――


「好きだよ姫。あたしも一緒に連れてって」

「おうっ!」

 

 これを"運命"と呼ぶのだろう。


挿絵(By みてみん)

 《プロフィール》


 名前:リコリス=ラプラスハート

 種族:人間

 性別:女性

 年齢:18歳

 職業:魔狼(フェンリル)級冒険者

 所属:百合の楽園(リリーレガリア)

 称号:ドラグーン王国伯爵、アイナモアナ公国名誉子爵、ディガーディアー名誉子爵、竜殺し(ドラゴンキラー)

 加護:【自由神の加護】【遊戯神の加護】【精霊の加護】

 スキル

 【毒生成】【薬生成】【悪食】【念話】【誘惑】【前戯】【水泳】【芸術家】【欲情】【発情】【避妊】【射精管理】


 フレンドリースキル

 アルティ=クローバー(人間)

 【星天の盾(イージス)】【七大魔法】【魔導書(グリモワール)】【耐寒】

 ドロシー(ハーフエルフ)

 【月魔法】【眷属召喚】【採取】【交渉術】【商人】【金の恵み】

 マリア(獣人族)

 【爆炎魔法】【電光石火】【天駆】【神速】【直感】【言語理解】

 ジャンヌ(獣人族)

 【大海魔法】【術理】【並列思考】【見えざる手】【言語理解】

 テルナ=ローグ=ブラッドメアリー(吸血鬼(ヴァンパイア))

 

 シャーリー(人間)

 【影魔法】【暗殺術】【短刀術】【蹴撃】【投擲】【針使い】【操糸】【暗視】【姦淫】【礼儀作法】【苦痛耐性】

 エヴァ=ベリーディース(半魔人)

 【重力魔法】

 ルウリ=クラウチ=ディガーディアー(自動人形(オートマタ))

 【錬金術】【人形師(ドールクリエイター)】【魔力装填(マナチャージ)】【魔力変質(マナアルター)】【解析】

 フィーナ=ローレンス(人間)

 【花の神の加護】【指揮】【宮廷作法】

 ミオ=ホウヅキ(妖怪族)

 【水上歩行】

 アウラ(エルフ)

 【空間魔法】【剛力無双】

 クルーエル(エルフ)

 【蒼炎魔法】【狂戦士】

 ヘルガ(エルフ)

 【鉄魔法】

 ティルフィ(エルフ)

 【翠嵐魔法】

 ネイア(エルフ)

 【毒魔法】【給仕】


 コントラクトスキル

 リルム(グラトニースライム)

 【暴食】【超速再生】【アイテムボックス】

 シロン(スロウスラビット)

 【怠惰】

 ルドナ(グリードホーク)

 【強欲】【風魔法】【空気抵抗軽減】【奇襲】

 ウル(プライドウルフ)

 【傲慢】【闇魔法】【影分身】【危機感知】【隠密】【索敵】


 エクストラスキル

 【聖魔法】【神眼】【武神の恩寵】【技術神の恩寵】【鍛治神の恩寵】【酒神の恩寵】【炉神の恩寵】【状態異常無効】【覇気】【付与魔術】【世界地図】【魔力吸収(マナアブゾーブ)


 ユニークスキル

 【百合の姫】【管理者権限アドミニストレートスキル】【記憶創造】【混沌の王】



 名前:アルティ=クローバー

 種族:人間

 性別:女性

 年齢:18歳

 職業:魔狼(フェンリル)級冒険者

 所属:百合の楽園(リリーレガリア)

 称号:(しろがね)の大賢者

 加護:無し

 スキル

 【魔眼】【耐寒】【氷結無効】【念話】

 エクストラスキル

 【七大魔法】【魔導書(グリモワール)】【状態異常無効】

 ユニークスキル

 【星天の盾(イージス)



 名前:ドロシー(真名:ドゥ=ラ=メール=ロストアイ)

 種族:ハーフエルフ

 性別:女性

 年齢:130歳

 職業:精霊(エレメンタル)級冒険者

 所属:百合の楽園(リリーレガリア)

 称号:亡国の皇女、森羅の継承者

 加護:【精霊の加護】

 スキル

 【調合】【採取】【交渉術】【商人】【金の恵み】【念話】

 エクストラスキル

 【精霊魔法】【月魔法】【眷属召喚】【状態異常無効】



 名前:マリア

 種族:獣人族

 性別:女性

 年齢:10歳

 職業:妖精(フェアリー)級冒険者

 所属:百合の楽園(リリーレガリア)

 称号:竜殺し(ドラゴンキラー)

 加護:無し

 スキル

 【剣術】【直感】【言語理解】【念話】

 エクストラスキル

 【爆炎魔法】【電光石火】【天駆】【神速】【状態異常無効】



 名前:ジャンヌ

 種族:獣人族

 性別:女性

 年齢:10歳

 職業:妖精(フェアリー)級冒険者

 所属:百合の楽園(リリーレガリア)

 称号:竜殺し(ドラゴンキラー)

 加護:無し

 スキル

 【執筆】【描写】【言語理解】【念話】

 エクストラスキル

 【大海魔法】【術理】【並列思考】【見えざる手】【状態異常無効】



 名前:テルナ=ローグ=ブラッドメアリー

 種族:吸血鬼(ヴァンパイア)

 性別:女性

 年齢:1999歳

 職業:神竜(ドラグニール)級冒険者

 所属:百合の楽園(リリーレガリア)

 称号:真紅の女王(ブラッディークイーン)、血の福音、意思ある災厄

 加護:【最高神の加護】

 スキル

 【鑑定】【鑑定阻害】【隠蔽】他、現存する全てのスキル

 エクストラスキル

 【召喚魔法】

 ユニークスキル

 【全知全能】【無限】【紅蓮魔法】



 名前:シャーリー(シャルロット=リープ)

 種族:人間

 性別:女性

 年齢:25歳

 職業:裁縫師

 所属:百合の楽園(リリーレガリア)

 称号:(うつ)ろの影

 加護:無し

 スキル

 【暗殺術】【短刀術】【調合】【器用】【蹴撃】【投擲】【針使い】【操糸】【暗視】【詐欺】【窃盗】【姦淫】【礼儀作法】【苦痛耐性】【鑑定阻害】【念話】

 エクストラスキル

 【影魔法】【状態異常無効】



 名前:エヴァ=ベリーディース

 種族:半魔人

 性別:女性

 年齢:18歳

 職業:悪魔(デーモン)級冒険者

 所属:百合の楽園(リリーレガリア)

 称号:奈落(ならく)の大賢者

 加護:【混沌神の加護】

 スキル

 【念話】他、取り込んだ魔物のスキル

 エクストラスキル

 【状態異常無効】

 ユニークスキル

 【混沌】【重力魔法】【混沌付与魔術(カオスエンチャント)



 名前:ルウリ=クラウチ=ディガーディアー

 種族:自動人形(オートマタ)

 性別:女性

 年齢:18歳

 職業:悪魔(デーモン)級冒険者

 所属:百合の楽園(リリーレガリア)

 称号:錬金術師

 加護:【機械神の加護】

 スキル

 【射撃】【精密動作】【解析】【念話】

 エクストラスキル

 【錬金術】【人形師(ドールクリエイター)】【魔力装填(マナチャージ)】【魔力変質(マナアルター)】【状態異常無効】




 従魔

 名前:リルム

 種族:グラトニースライム

 契約者:リコリス=ラプラスハート

 スキル

 【家事】

 エクストラスキル

 【超速再生】【アイテムボックス】

 ユニークスキル

 【暴食】



 名前:シロン

 種族:スロウスラビット

 契約者:リコリス=ラプラスハート

 スキル

 【跳躍】

 ユニークスキル

 【怠惰】



 名前:ルドナ

 種族:グリードホーク

 契約者:リコリス=ラプラスハート

 スキル

 【空の眼】【空気抵抗軽減】【奇襲】

 エクストラスキル

 【風魔法】

 ユニークスキル

 【強欲】



 名前:ウル

 種族:プライドウルフ

 契約者:リコリス=ラプラスハート

 スキル

 【危機感知】【隠密】【索敵】

 エクストラスキル

 【闇魔法】【影分身】

 ユニークスキル

 【傲慢】



 名前:ゲイル

 種族:パンツァービートル

 契約者:ドロシー

 スキル

 【突撃】【統率】【砲撃】【高速機動】

 エクストラスキル

 【金剛体】



 名前:トト

 種族:上位月霊

 契約者:ドロシー

 スキル

 【念話】

 エクストラスキル

 【精霊魔法】【月魔法】

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― 新着の感想 ―
[気になる点] なんでミルクのスキル持って無い?
[良い点] えーんミルクちゃんありがとう...さよなら.. ルウリちゃんの背中を押すミルクちゃんかっこいい良すぎて惚れました 真っ直ぐで天使みたいな子だね... ルウリちゃんとリコリスさんのイチャイチ…
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