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百合チート持ちで異世界に転生したとか百合ハーの姫になるしかない!!  作者: 無色
千遍万華編

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210/311

2-38.閉幕

「な!! ん!! で!! こうなってんの!! マジ意味わかんないんだけど!!!」

「いやお前が私たちのことダブルノックアウトするからだろ」


 いやー疲れたねぇ。

 騒いだ騒いだ。


「みんなでおつかれパーティーしようぜ。ルドナ、ウル、プラン、みんなのこと呼んできてくれない?」

「かしこまりましてございます」

「御意でござる」

「おー任せろー!」

「人の話を聞けぇ!!」

「なんだよサクラ。いいじゃん勝ったんだから。よっ、世界最強」

「よっよっ」

「あっぱれじゃ」

「全員茶化すのウザすぎる!!!」


 何はともあれ剣魔祭(カーニバル)は無事終了。

 閉会式も滞りなく済んだけど、空にはまだ祝砲が鳴り響き、食べて飲んでは歌って踊って。

 街は依然としてお祭り騒ぎだ。

 

「いいじゃないですか。あのメンツで優勝なんてそう味わえる経験ではありませんし。素直に喜ぶのがいいと思いますよ」

「じゃな。早々に敗退した身としては羨ましい限りじゃ」

「お、おめでとう……ございます、サクラ……さん」

「今からでも代われるもんなら代わってほしい……」

「まあまあ。私としては、私の女が世界一だってのは誇らしいよ」

「リコリス……」

「ニッシッシ」

「勝手に自分のもの扱いするなキモすぎ死ね」


 世界最強の悪口キレッキレなんだが。




 さてと、それじゃあ事の顛末でも。

 無事に?世界最強の称号を得たサクラ。

 途中経過はともかくとして、この私、そしてあの強さに誉れを持つ獣の国の皇帝レオナを倒したことで、一躍その名声は世界中を駆けることとなった。

 その容姿と見た目から、早くも黒の王(くろのおう)なんて呼ばれ始めてるらしいことを知ったときのサクラといったら、


「中二っぽすぎて死にたい」


 羞恥に顔を押さえてた。

 一方、大会主催者のテスタロッサ。

 

「ンッンー最高デシター!! 楽しかったデース!!」


 私たちの誰より心ゆくまで戦ったテスタロッサは、優勝こそ逃したものの、大会最多撃破(モスキル)を獲得して充分そうだった。

 戦闘によって生まれた損害は、当初の予定通りテスタロッサが全て補償するらしい。

 元々有り余る財で開いたお祭りだし、懐具合は相当なもんなんだろう。

 

「またヤろうね、テスタロッサちゃん♡」

「ヘッヘッヘッヘッ♡」


 なんかモナ相手に尻尾を振る犬みたいになってたけど、何があったかは気にしないようにしよう。


「まだまだ修行が足りてねぇと思い知らされやした」

「またやりましょ。んーチュッ」

吾輩(わがはい)も……楽しかったのである」


 大賢者たちもご満悦な様子。

 さっぱりとしてるっていうか、さすがの風格だ。

 ただレガートとルシャトリエちゃんは姿を見せなかった。

 ルウリ曰く、


「次の研究でもはりきってんじゃない? そういうもんだよ、天才って」


 ってことらしい。

 次の発明品でも考えてるのかな。

 だとしたら、次は美少女メイドロボットなんかをですねぇ。

 そんでねぇ、合体!とかしちゃったらねぇ。ヘッヘッヘ。


「顔が邪」

「失礼のブレーキ壊れてんのか」




 賑わう街の一角で、私たちも内輪で盛り上がった。

 やれ強かっただの、やれ悔しいだの、お酒が進むにつれてそんなことしか言わなくなった中でのこと。


「あんたは見どころがあるね。どうだい? ラプラスハート流の門を叩いて見る気はないかい?」


 おばあちゃんがマリアに入門の話を持ちかけてた。


「誘ってくれて嬉しい。でも私には救世一刀流(ぐぜいっとうりゅう)が合ってるから。それに」


 マリアは横のジャンヌに身体を寄せた。


「あんまり強くなると、どこかの誰かさんが寂しがるし」

「誰のこと言ってるの? 誰が寂しいって?」

「ニシシ」

「もうっ」


 なんか雰囲気柔らかくなった?

 ていうか……近くない?

 いや、前からパーソナルスペースって概念死んでるくらいの距離ではあったけど、なんていうかこう……なんだ?

 友だち以上恋人未満的な。

 まあいいか。

 仲良きことは美しきかな、だ。


「おっほーあたしカッケー♡」

「あんたほとんど怯えて戦ってなかったじゃない」


 剣魔祭(カーニバル)のハイライトが、またお酒のアテになる。


「アルティのラスボス感ヤベー。マジで私ビビってたから」

「返り討ちにしておいて何を」

「自分のやられてるとこは見るに堪えへんわ」

「まったくじゃのう。我ながら情けない」

「おおっ、おれだ。いやーやっぱ男前だな」

「ステキだったわよタキシードパパ」

「セーラーママもイカしてたぜ。惚れ直した」

「フフッ」


 映像越しでもキッツいなぁ親のコスプレ。


「しっかしみんなカッコいいねぇ。さいこーん゛んん?!! 待って今エヴァとシャーリーチューしてた!! チューしてたよね?!!」

「あ、あれは……そそそ、その……」

「改めて見返すとなんて恥ずかしい……。というかなんでこんなところを切り抜いて……」

「いいじゃんいいじゃーーーーん!! リコリスさんそういうの見るのたまんねー好きだからよぉ〜!! もっとチュッチュレロレロしてくれぇ〜!! なんなら今私の前でお願いお金払うから!!」

「きっしょ」


 私の女が私の女と……

 そんなのどう考えても興奮するだろふざけんな。


「アリスもママとチューするー!」

「んーしようねしようね♡ おいでアリス〜♡ デヘヘへへ♡」

「はい事案」

「触ったら逮捕」

「獄中で点呼」

「私の娘なのに?!!」


 いいだろべつに。

 娘とチューしたいやん。


剣魔祭(カーニバル)が終わったばかりだというのに騒がしいな」

「おーレオナ。そっちこそ諸々の後始末おつかれさま。チューする?」

「……あとでいっぱいして」


 ひゅーたまんねー可愛いな。

 今日は燃えちゃうゾッてね。


「おママ様……」

「ん? どしたリリア。もじもじしておトイレ?」

「あの、あのね……」


 手に……お花?

 私に?

 おつかれさま的なあれか。

 嬉しすぎて泣きそう。

 

「これ……」

「ありがとうリリ――――」

「これ、レオナ様に渡してほしいです……」

「我に?」

「コク、コク」


 すっごい首振ってる。


「ありがとう。嬉しいよリリア」


 頭撫でられてリリア顔真っ赤なんだが。


「レオナの戦いの様子を見てからずっとこうですよ」

「…………なんで?」

「あなたは本当……人の心の機微に鈍感ですね……」

「……? ……??」


 なんで残念そうな顔で見るの?

 なんの話してる?

 うーん、わからん。


「神ッッッ様ぁぁぁぁぁーーーーーーーー!!!」

「よぉクロエみんなの回復おつか……おっぱいすっげぇブルンブルン!!! こぼれ落ちそう!!」


 聖女のおっぱいやっぱパねぇ!!

 

「神様が終始最高でした〜♡ 特に雌豚を一蹴するあたりが♡ 身の程知れザコ」

「誰が雌豚ですかクロ豚。ミンチにしますよ」

「もう神様が優勝♡ 神様しか勝たんですぅ♡ こいつが優勝とかバグ。不正。ファ○キュ」

「自分でもそう思ってるけどお前に言われるの腹立つ」

「神様ぁ♡ 今日はクロエと夜の剣魔祭(カーニバル)しましょうね♡ あーんなことやこーんなことして二人で盛り上がりましょう♡」

「よよよ、夜の剣魔祭(カーニバル)ぅ?!! 喜んでー!♡」

「リコリス、我の方が先に約束しているんだが?」

「アタシたちも頑張ったんだし労ってほしいんだけど?」

「リコリスさん」

「リコリス……ちゃん……」

「リコ」

「も、ももも……もうみんなー! まとめてかかってきやがれーーーー!!♡♡♡」

「マジでキモい」


 喧嘩上等の大奮戦。

 熱は冷めずとも、剣も魔法も(おの)(うち)

 言葉も力もぶつけ合って、後には陽気な祭囃子。

 かくして剣魔祭(カーニバル)はその幕を下ろし、私たちは再び日常へと戻るのだった。

 誰かはより大きなたくさんの愛を。

 また誰かは、ちょっとした成長を心に秘めて。

 ここまでお付き合いいただきありがとうございました!

 あとは幕間を挟んで新章かな。

 次はどんなことを書きましょうか。

 なーんも考えてない!!!



 何はともあれ、これにて剣魔祭(カーニバル)編は終了でございます!!

 皆様の推しは輝いていたでしょうか。

 それではまた、次回の更新でお会いしましょう!

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― 新着の感想 ―
[良い点] あーーーーー心が癒されるーーーー マリアちゃんとジャンヌちゃん仲直り出来てよかったよぉ... リリアちゃん!?!?!? わかる...! レオナ様イケメンな上に可愛いもんな 登場人物全員が魅…
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