112.友好条約
今回は閑話です!
ダラダラお付き合いを!
暗殺者ギルド壊滅のニュースの新鮮さが乾かないないうちに、世界はまたも驚愕に包まれた。
長らく聖王国の理念の柱であった天理教の解体。
それを聖女であり天理教の大司教本人、クロエちゃんが唱えたのだ。
彼女の立場は教皇に次ぐ聖王国の第二位。
聖女の辞任はまだ止められたものの、さしもの教皇にも冗談でしたではすでに収められない状況になっていた。
当然聖王国は、また天理教の信者たちは混乱の渦に飲み込まれた。
「今まで信じていたものはなんだったんだ!」、と。
そこまでならまだよかったんだ。
問題なのはこの後。
クロエちゃんが発信した一言による。
「あなた方が信じる神はここにいらっしゃいます。迫害、差別…我々は今こそ古き教えを捨て、新たな神を祀り、崇め、神の寵愛を受けるべきなのです。さあ、敬虔なる信徒よ。五体を大地に投げ打ち尊き神の名を呼びなさい。我らが神、リコリス様の名を!」
天理教改め天女教。
私を崇める、私の私による私のための新しい宗教だってさ。
ハッハッハ。
「ふざけてる?!!」
「ああっ、やっぱりリコリス様の御名を付けるべきでしたか?」
「そういうことじゃないんだよなぁ!」
聖女の発言力と扇動力よ。
「ウヒャヒャヒャw姫w宗w教wwwあーお腹いったw」
「こっちは頭痛えよ。知らないだろ朝起きたら宗教の看板にされてる人の気持ち」
「知らんてだって無いもん宗教の看板になってたことブホォwww」
「なんて数奇で珍妙なのあなたって」
「アタシたちも入信してあげましょうか?プクク」
あれ?私って君たちの好きな人だよね?
もっと親身になれ!
「はぁはぁ神様ぁ♡クロエは頑張りましたぁ♡ご褒美くださぁい♡」
「頑張りが斜め上すぎて呆気に取られてるけど…。何が欲しいんだい?」
「それはもちろん…神様の聖すい゛っ!」
「口を開かないでください下劣が移ります」
「神様ぁ!このビチ糞が殴りましたぁ!敬虔にして聖なる巫女の私を〜!神罰下れ喋るアナ《ピー》!!」
「クロ豚…」
そんな呼び方するのよくないよ?
クロエちゃんもお口悪いのメッだよ?
「知らないようなので覚えておくことですね。私、殴るときは殴るタイプなんですよ」
「あぁ?暴力でしか他者を虐げることを知らない邪智暴虐の脳筋が。産道に帰れよ産道に。オークの」
「まあ、あなたがなんと言おうと私はリコの妻ですし?キスだってしてますし、それ以上のこともすでに何回もしてますし?あっ、あなたはしてませんよね〜!だってその他大勢ですもんね〜!私と違って〜!」
「マウントキモいから。ねぇ神様ぁ〜♡クロエも神様とキスしたいですぅ〜♡」
「お、する?♡いいよー♡チュー♡」
「リコぉ!!!」
「ひゃひぃ!!しゅみませんちょっと唇当たっただけっす!!」
だってチューねだられたらするだろ…
「とにかく!如何にあなたがリコに恋慕しようと、崇拝しようと、所詮はわ・た・し・の!次だということをお忘れなく」
「神様ぁ♡こんな女より私の方がえっちなこと出来ますよぉ♡私、乱暴にされるの好きです〜♡」
「マジ?!!好きなの?!!」
「何でも好きなことしていいんですよぉ♡縛ったり、辱めたり♡それに…私、お尻弱いんです♡」
「弱いのぉ?!!!♡これは確かめてやらなくちゃダメだよね!!♡神様として!!♡」
「お尻なら私だって弱いんですけど!!!」
ギャーギャーと騒いでも、ちゃんとやるべきことはやったからね。
多少ハメを外してるのはご容赦願うよ。
まず獣帝レオナちゃん、教皇カティアちゃんを連れての緋色の花園の視察をした。
危険性の有無、経済と文化の発展を見据えた将来性、交通交易の利便性を鑑みて、サヴァーラニア同様リーテュエルにも転移門を設置することになった。
人間以外の種族がリーテュエルを行き来することは、天理教の教えに準じてきたリーテュエルの国民はもちろん、今まで粗野な扱いをされてきた他種族も良い気はしないだろう。
意識の改善は、これからのクロエちゃんたちの働き次第だ。
天女教のトップに据え置かれてしまった以上は、私も尽力することに吝かではない。
ゆっくりと。時間をかけてでも人々の意識を変えていけたらと思う。
クロエちゃんっていう爆弾が無ければ、もしかしたらこの先ずっと人種の問題に関わることはなかったのかもしれないって考えたら、ある意味でいい機会だったのかもしれない。
「私はまだあなたを認めてはいませんけれど」
とは、カティアちゃんの談だ。
「神でありながら人で、その上容姿と才能と性格……これはさておき」
さておかないで。
性格も込みで美少女だ私は。
「全てに恵まれた寵児が、人以外を愛するなど」
「理解出来るかどうかはともかく、言いたいことはなんとなくわかるよ。でもさ、全部を好きになることは絶対に悪いことじゃないよ。私は欲張りだからね。欲しいものは何でも欲しいし、誰のことだって好きになる。好きにさせる。そこに人種なんて邪魔なもんは要らない。それだけだよ」
「度し難い」
「カティアちゃんも私を好きになれば、見える世界も違うかもよ。あ、ベッドの上で天国なら見せてあげるよぉ♡なんてね、シシシ」
「変な人」
「美人にそう言われるの悪い気しないですねぇヘヘヘ♡」
閑話休題。
で、結局何がどうなったかっていうとだ。
「ドラグーン王国、サヴァーラニア獣帝国、聖王国リーテュエル、この三国による同盟及び聖獣王国友好条約をここに締結する」
ってこと。
三国の間に上下は無く、緋色の花園を基点に国々の更なる発展と繁栄を願うものとする、だってさ。
元を辿れば私の用事で作っただけなんだけど、まさかここまで大事になるとは。
世界を私が回してるみたいで、少し気分が良かったりするんだけど。
「サヴァーラニアとリーテュエルの訪問の日取りを整えないとな」
「フフ、国賓として迎えないとね」
「やめろやめろガラじゃねえ。いや…ケモ耳美女たちのお出迎えはいいなぁ〜♡」
「顔、顔」
「可愛いって?♡」
「自己肯定感高すぎおばけ?」
低いよりいいだろ。
「この数日で驚かされっぱなしだね」
「ニッシッシ、退屈しなかったでしょ」
「うん。それに、リコリスさんみたいな人と毎日一緒にいられたら幸せだろうなぁって思った」
「ちゃは〜♡レオナちゃん可愛いこと言う〜♡リコリスさん嬉しいよ〜♡」
もう抱きついちゃう!
ほっぺチュッチュしちゃう!
「ブチュチュチュチュー♡」
「ぬあぁ…過剰なスキンシップ…!」
「嬉しいく、せ、にー♡」
「嬉しいけど…」
「けどなんじゃ?」
「……本気になったら困る」
「なんで?」
「だって私は獣帝だし…王の責任とか…。相手は他国の貴族で、世間の目とか…」
なるほどな。
「レオナちゃんや」
「?」
「知らん!!!そんなこと!!!」
「ぬえぇぇぇ?!!」
立場?境遇?
そんなもんに縛られる私だと思うなよ!
「好きなら好き!大好きなら大好き!理由なんて要るかしゃらくせぇ!!」
「女らしすぎる…」
「ドヤッ。で、レオナちゃん私のこと好きなの?」
「そういうの真正面から訊けちゃう人なんだ?!……うん、たぶん一目惚れした…と思う」
「ニチャァ…」
「自分の魅力にまた一人堕ちたと言わんばかりの気色悪い笑顔!!」
いやーすみませんね完ぺき美少女で。
「ニシシ。レオナも私の女になりたかったんだ」
「あ、名前…んっ。……いきなり」
「この続きはレオナが我慢出来なくなったらな」
「ほんと…ズルい…」
「そういうところもたまんないだろ」
「自分で言う…ん、ふぁ…」
レオナの唇やらけー♡
幸せ〜♡
美女、美少女たちとの逢瀬に酔いしれている頃。
「氷獄の断罪!!」
「月皇破邪顕正!!」
来たるクリスマスに向けて残り数日というところ。
私の女たちがガチ喧嘩してるなんて、思いもしなかったんだよなぁ。
《プロフィール》
名前:リコリス=ラプラスハート=クローバー
種族:半神半人
性別:女性
年齢:19歳
職業:魔狼級冒険者
所属:百合の楽園
称号:ドラグーン王国侯爵、アイナモアナ公国名誉子爵、ディガーディアー名誉子爵、竜殺し、夜会の主、神への叛逆者
加護:【自由神の加護】【遊戯神の加護】【法神の加護】【精霊王の加護】【竜王の加護】
アンリミテッドスキル
【百合の王姫】【創造竜の魔法】
名前:アルティ=ラプラスハート=クローバー
種族:人間
性別:女性
年齢:18歳
職業:魔狼級冒険者
所属:百合の楽園
称号:銀の大賢者
加護:【魔術神の加護】【精霊王の加護】【竜王の加護】
ユニークスキル
【七竜魔法】
アンリミテッドスキル
【妃竜の剣】
名前:ドロシー(真名:ドゥ=ラ=メール=ロストアイ)
種族:ハーフエルフ
性別:女性
年齢:130歳
職業:精霊級冒険者、薬師
所属:百合の楽園
称号:亡国の皇女、森羅の継承者
加護:【精霊王の加護】【竜王の加護】
スキル
【調合】【採取】【交渉術】【商人】【金の恵み】【念話】
エクストラスキル
【精霊魔法】【月魔法】【眷属召喚】【状態異常無効】
名前:マリア
種族:獣人族
性別:女性
年齢:10歳
職業:妖精級冒険者
所属:百合の楽園
称号:竜殺し
加護:【精霊王の加護】【竜王の加護】
スキル
【剣術】【直感】【言語理解】【念話】
エクストラスキル
【爆炎魔法】【電光石火】【天駆】【神速】【状態異常無効】
名前:ジャンヌ
種族:獣人族
性別:女性
年齢:10歳
職業:妖精級冒険者
所属:百合の楽園
称号:竜殺し
加護:【精霊王の加護】【竜王の加護】
スキル
【執筆】【描写】【言語理解】【念話】
エクストラスキル
【大海魔法】【術理】【並列思考】【見えざる手】【状態異常無効】
名前:テルナ=ローグ=ブラッドメアリー
種族:吸血鬼
性別:女性
年齢:1999歳
職業:神竜級冒険者
所属:百合の楽園
称号:真紅の女王、血の福音、意思ある災厄
加護:【最高神の加護】【精霊王の加護】【竜王の加護】
スキル
【鑑定】【鑑定阻害】【隠蔽】他、現存する全てのスキル
エクストラスキル
【召喚魔法】
ユニークスキル
【全知全能】【無限】【紅蓮魔法】
名前:シャーリー(シャルロット=リープ)
種族:人間
性別:女性
年齢:25歳
職業:子鬼級冒険者、裁縫師
所属:百合の楽園
称号:虚ろの影
加護:【精霊王の加護】【竜王の加護】
スキル
【暗殺術】【短刀術】【調合】【器用】【蹴撃】【投擲】【針使い】【操糸】【暗視】【詐欺】【窃盗】【姦淫】【礼儀作法】【苦痛耐性】【鑑定阻害】【念話】
エクストラスキル
【影魔法】【状態異常無効】
名前:エヴァ=ベリーディース
種族:半魔人
性別:女性
年齢:18歳
職業:悪魔級冒険者
所属:百合の楽園
称号:奈落の大賢者
加護:【混沌神の加護】【精霊王の加護】【竜王の加護】
スキル
【念話】他、取り込んだ魔物のスキル
エクストラスキル
【状態異常無効】
ユニークスキル
【混沌】【重力魔法】【混沌付与魔術】
名前:ルウリ=クラウチ=ディガーディアー
種族:自動人形
性別:女性
年齢:18歳
職業:悪魔級冒険者、錬金術師
所属:百合の楽園
称号:錬金術師
加護:【機械神の加護】【精霊王の加護】【竜王の加護】
スキル
【射撃】【精密動作】【解析】【念話】
エクストラスキル
【錬金術】【人形師】【魔力装填】【魔力変質】【状態異常無効】
名前:アリス=ラプラスハート=クローバー
種族:精霊竜王
性別:女性
年齢:0歳
職業:無し
所属:百合の楽園
称号:精霊王、竜王
加護:【精霊王の庇護】【竜王の庇護】
アンリミテッドスキル
【精霊王の輝冠】【竜王の黒逆鱗】
名前:ユウカ=モノクロリス
種族:幽霊
性別:女性
年齢:500歳
職業:粘体級冒険者、死霊術師
所属:百合の楽園
称号:時の迷い子
加護:無し
スキル
【念話】
エクストラスキル
【状態異常無効】
ユニークスキル
【死霊魔法】【反転】
《従魔》
名前:リルム
種族:幻獣種・粘魔竜姫ベルゼビュートスライムロード
契約者:リコリス=ラプラスハート
職業:粘体級冒険者
所属:百合の楽園
加護:【精霊王の庇護】【竜王の庇護】
スペリオルスキル
【魔竜の暴食】
名前:シロン
種族:幻獣種・眠兎竜姫ベルフェゴールラビットロード
契約者:リコリス=ラプラスハート
職業:粘体級冒険者
所属:百合の楽園
加護:【精霊王の庇護】【竜王の庇護】
スペリオルスキル
【兎竜の怠惰】
名前:ルドナ
種族:幻獣種・空鷹竜姫マモンホークロード
契約者:リコリス=ラプラスハート
職業:粘体級冒険者
所属:百合の楽園
加護:【精霊王の庇護】【竜王の庇護】
スペリオルスキル
【鷹竜の強欲】
名前:ウル
種族:幻獣種・黒狼竜姫ルシファーウルフロード
契約者:リコリス=ラプラスハート
職業:粘体級冒険者
所属:百合の楽園
加護:【精霊王の庇護】【竜王の庇護】
スペリオルスキル
【狼竜の傲慢】
名前:ゲイル
種族:幻獣種・翠甲竜姫アバドンビートルロード
契約者:リコリス=ラプラスハート
職業:粘体級冒険者
所属:百合の楽園
加護:【精霊王の庇護】【竜王の庇護】
スペリオルスキル
【甲竜の破滅】
名前:トト
種族:幻獣種・月霊竜姫レヴィアムーンエレメンタルロード
契約者:リコリス=ラプラスハート
職業:粘体級冒険者
所属:百合の楽園
加護:【精霊王の庇護】【竜王の庇護】
スペリオルスキル
【霊竜の嫉妬】
名前:プラン
種族:幻獣種・冀聖竜姫サタナエルドラゴンロード
契約者:リコリス=ラプラスハート
職業:粘体級冒険者
所属:百合の楽園
加護:【精霊王の庇護】【竜王の庇護】
スペリオルスキル
【聖竜の憤怒】