97.愛を込めて
最高に楽しい宴から一夜が明け、今日はお城で宝探し。
「今日も一日楽しんでこーぜ!イェー!」
「あまりにも元気」
「元気なのはいいこと!」
てかテンション低い宝探しって宝探しじゃなくない?
スキルが使えなかった昨日と違って万全だから、何があっても大丈夫と。
「ユウカを合わせて十八人だから、六人ずつでチーム分けしよう。くじ作っといたんだ」
「用意がいいですね」
「アリスは私と一緒ね。じゃあ引くよー。せーのっ」
チーム分けの結果。
私、アルティ、アリス、エヴァ、ユウカ、リルム。
シャーリー、ルウリ、シロン、ルドナ、ウル、ゲイル。
ドロシー、マリア、ジャンヌ、師匠、トト、プラン。
って風になった。
「何かあったら【念話】で連絡。今がちょうど正午か……なら、夕方の六時にこの正面エントランスホールに集合しよっか」
「おけー」
「すっごいお宝見つけるからね!」
「私もですー!」
「オイラも負けないぞー!」
「行っくよー!」
「あ、これ!勝手に!」
「アタシたちは子守りみたいね」
「頼むよチームロリっ娘」
「「誰がロリよ(じゃ)」」
ロリだろ。
「シャーリーたんと一緒なのレア〜♪よろ〜♪」
「こちらこそ」
「およ?シャーリーたん、なんか今日機嫌いい?」
「そ、そんなことは。いつもどおりですよ」
後ろめたいことは無いんだけどねぇ。
やっぱり気恥ずかしさってやつは何とも。
不意に視線が合うとお互い逸したり、人間いくつになっても思春期だわ。
スキルが使えるようになって、改めてこの城の全容を掴み始めてきた。
塔を掛け合わせた城壁でぐるりと囲った箱庭の中に、小さな森や湖、そして本殿というかメインとなる城の根幹がまず在るんだけど、それに数百という巨大な城が複合しているというイメージが一番近い。
マイ○ラで作ったおれのすげー城!に、おれの城と合体させてもっとすごくしよーぜ!みたいな。
それ故に、私がこの城に抱いた印象は何を於いてもまず"悪ふざけ"。
これを置いたらカッコいい。
ここをこうしたらもっとカッコいい。
本を並べ替えたら開く隠し部屋に、キーワードで開く床下の階段。
およそロマンという言葉を優先して作られた仕掛けが、私が受けたイメージを更に助長した。
「なんというか、住まいとして日常的に活用するのは難しそうですね」
「事実私も一部しか使ってなかったしね」
「この城を作った人はどんな人だったんだろうな」
きっと話は合ったんだよなぁ。
やっぱロマンだよねぇ。
隠し部屋いっぱいのでっかいお城って。
「お、お城の中は…もちろんです、けど…外もかなり、高度な魔法で…守られてますよね」
「あー外気とか日の光とか?浮遊城全体に卵型に障壁が張られてるね」
「それに城自体、強い修復の力が働いておる」
「ある種、技術の粋ですね。これだけの城です。もしかしたら作成は複数人という可能性もありますね。というよりその方が現実味を帯びているかもしれません」
「そっそうです、ね」
「いいなぁ。私も作ってみたい」
「つ、作る?」
「土台はめんどいから、どっか適当な島とか買ってさ」
あーいや、それなら王都の迷宮に城だけ建てれば…
んーでもなぁ。
やっぱ空に浮かんでてこその造形美がなぁ。
「何千何万の女を囲う気ですか」
「この世界の女ぜーんぶ私のだが?」
「すごく自信家なのねリコリスって」
「そ、そういうところが、可愛いです」
「うんうんエヴァはよくわかってるー♡よーしゃしゃしゃ♡」
「ヘヘ、エヘヘ…」
「ん?そういえばアリスとリルムはどこ行った?」
「リーこっちー」
「きてー!」
呼ばれて来たけど、なんだこの部屋。
「四方の壁に一つずつ、額縁だけ飾られた部屋……何とも言えない不気味さがありますね」
「ゲームだとこういうときは大体、どこかに隠された絵を嵌めると新しい通路が開くんだよね」
「四枚の絵…こんなミステリアスな部屋があったなんて」
「昨日も仰って不思議に思ったのですが、五百年も時間があって知らない空間があるんですか?」
「こういう謎解きがある部屋があるのは知ってるのよ。でもそういうところは、魔法で守られてたりして霊体じゃ通れないの。それにこういう頭を使うのはどうも苦手なのよね」
「なるほど」
「それで、絵を探せばいいのよね。他の部屋を探すのかしら。何かヒントとか」
「リコ」
「フッ」
愚問だぜ。
「めんっっっどい……」
「うええええ?!!あれ?!よーし手分けして絵を探すぞーじゃないの?!」
ノリノリなとこゴメンなユウカ。
私だってそういうノリは大切にしたいと思ってるんだ。
でもな、私…
「こういうRPGっぽいのめっちゃ苦手なんだ」
北の洞窟の魔物は水晶の剣でなければ倒せないのだ。
↓
水晶の剣は西の国の城の宝物庫にあるぞ。
↓
宝物庫を開けるには王様の許可が必要だ。
↓
王様は病に臥せっている。病を治すには泉の妖精の薬が必要だ――――――――長えよ!!!
剣一つ手に入れるのにあっちこっち使いっぱしりさせやがって!
当方、絶対普通の剣でもやり方次第で勝てるって!とか思っちゃうタイプでして。ええ。
「で、でもこの絵の謎を解かないと隠し扉とか開かないんでしょ?」
「隠し扉?その辺殴ったら穴とか空くんじゃない?」
「穴は空くわよ?!」
「額縁とかガタガタやったら絶対後ろに通路あるって。リルム」
「暴食王の晩餐」
「額縁全部ペロンってした!!」
「モグモグ、ごちそうさま」
「リルムすききらいなくてえらいー!」
「エヘヘ」
「ほーら通路あった。よーし行くぞー」
「楽でいいですね」
「ア、アリスちゃん…危ないから、手を繋ぎましょう…ね」
「おんぶがいい!ねーエヴァおんぶー!」
「はっはい…」
「み、みんな平然としてるわね…。私がおかしいの…?」
謎解き要素で作った人、ゴメンね。
今度はちゃんと解くから。
たぶん。
「わ゛ーーーーーーーー!!」
「きゃーーーーーーーー!!」
まあ、横着した仕打ちっていうか…強行しようとすると発動する仕掛けだったらしい。
バカ怖い顔したくまのぬいぐるみたちに死ぬほど追いかけられることにはなったんだけど。
絶対この城作った人性格悪いわ。
――――――――
城は階の移動を、階段と迷宮のような転移の魔法陣で賄っている。
前者は気まぐれに方向を変え、後者は何階層も先へ転移してしまうため、どうにも感覚が掴めない。
「人をおちょくったような城ですね」
図書館の塔の回廊。
見えない底に目を落としながら私は呟いた。
「あたしは結構気に入ってるけどなぁ。なーんかホグ○ーツみたいでおもしろいし。みんなも結構気に入ってるっぽいよ。シロンはすやぴしてるけど」
「くぅ……」
「初めて見るもの、いっぱい。楽しい」
「ねーめっちゃ楽しいよね。たぶん姫もこういうとこ好きだよ。自分で作ってみたいなーとか言ってそ」
「フフ、たしかに」
ルウリさんとリコリスさんの感性は似ている。
こことは異なる世界の出身だけあって。
お互いのことをわかり合っているようで、それがなんとも羨ましい。
「おお?皆あれを。何かあるでござるよ」
回廊の先には壁。
その手前に何やら置き物と、メッセージのようなものが。
「位置を変えよ…?」
「三本の棒にピラミッド状に積まれた石の円盤ね。ハノイの塔じゃん」
「ハノイの塔でございますか?」
「なんでござるそれ?」
「数学パズルの一つでねーこの左端に積まれてる円盤を、全部右端の棒に移動させなきゃなんないってやつ」
そのくらいと思ったけれど、ルウリさん曰くルールがあるらしい。
円盤は全て違う棒に移動させること。
その際一度に動かしていい円盤は一枚のみ。
小さい円盤の上に大きい円盤を乗せてはならない。
三本の棒のみで全てを移動させ、棒以外のところに円盤を置いてはならない。
なるほど、それは面倒です。
「円盤の数が三、四枚ならすぐに解けますが、考えれば考えるほど気が遠くなりますね」
「これ六十四枚ある」
「マジメに解かせる気無くて草越えて森〜」
「ルウリさんでも難しいですか?」
「パズルの難易度は別になんだよ。結局同じことの繰り返しだから目瞑ってても出来る。でも枚数が増えると加速度的に解答時間も増えるから。2の n乗-1かな。六十四枚だと……移動回数がだいたい18に0が18個。一個の移動を一秒でやるとして」
「やるとして?」
「ざっくり5800億年かかる」
「それは……ふざけたパズルですね」
とても正気じゃない。
製作した側もだけれど、知らずに解答に挑むのならまだしも、解答法を知った上で挑むなんて。
「引き返して別の道を行きましょうか」
「まあまあシャーリーたん。ここはこの天才にお任せあれ〜♪」
と、ルウリさんは鼻歌混じりにハノイの塔の台座を持ち上げた。
「これを180度回転させて〜ほいっこれで位置変わった〜」
本棚の壁が競り上がって新しい通路が…
「言葉が出ません…」
「ま、こんなのマジメに考える方がどうかしてるってことっしょ。案外世界は捻くれ者が回してるのだよシャーリーたん。さー行こ行こ〜♪」
ルウリさんはあっけらかんとそう言ってのけるけど、思考が柔軟という意味では百合の楽園の中でも頭抜けてる。
見習いたいものです……という事後感想はさておき、こんな問題を作った人はどれだけ意地が悪いのだろう。
人を喰ったようなとでも言うのが適切だろうか。
でなければ、解答者がハノイの塔というパズルを理解していることを前提とした出題など、しようはずも出来ようはずもないのだから。
そんなことを考えているうちに、通路の行き止まりに到着した。
「なんじゃこの部屋」
蝋燭が灯る薄暗い部屋に絵が一枚置いてあるだけ。
「年代物ではある…かな?」
「ええ。ですがこれは…」
ただの肖像画だ。
ユウカさんともう一人。
私たちが知る人物を描いたもの。
いったいどういうことなのか。
私たちの宝探しは、謎が増えただけに終わったようです。
――――――――
開始から一時間が経って、アタシたちのチームは宝探しという宝探しが出来ていなかった。
「金のネックレス見ーっけ!」
「こっちには宝石いっぱいのブレスレットがありましたー!」
なんせこの城、そこら中に宝があるんだもの。
無造作に置いてあるじゃないけれど、発見の頻度はそれに近しいものがある。
アタシたちが選んでる道が偶然そうなのかはわからないけれど。
「うーん。次はどっちに行ってみようかなー」
「ねえマリア、ちょっとお休みしない?そろそろおやつの時間だし」
「賛成っ!」
「おー今日のおやつはなんだー?」
「リコリスお姉ちゃんがチーズケーキを焼いてくれたんだよ〜」
「わーいケーキ!ジャンヌ、はやくはやく〜!」
「わっ!」
あまりにマリアがはしゃぐので、抱きつかれたマリアはベッドに倒れてしまった。
「もー!危ないでしょ!」
「エヘヘ、ゴメンね」
「イタズラするマリアはケーキ無しにしちゃうからね。プラン、トト、三人で分けちゃお」
「やったー」
「おー!」
「えーゴメン〜!ねーゴメンってばジャンヌ〜!私もケーキ食べるよぉ〜!ね〜え〜!」
子どもたちは元気ね。
こっちは歩き疲れて飽きが来てたりするのに。
「はい、ドロシーお姉ちゃんとテルナお姉ちゃんの分です」
「ありがとう」
「おーバスクチーズケーキじゃな。妾これ好きじゃ」
焦げた部分が香ばしくてチーズの風味が際立つケーキ。
この甘みには紅茶も合うけど、渋みが利いたワインも程よくマッチするのよね。
「はぷ…ん〜たまらぬ♡」
「おいしいね〜」
「やっぱりリコリスお姉ちゃんはお料理上手です〜」
見つけたお宝を眺めながらお茶なんて、金持ちを鼻にかける貴族みたいな遊びだわ。
あまり妹たちには覚えさせたくないわね……と思ったらケーキに夢中なんだもの。
とんだ杞憂だったわ。
「これ一つでも持ち帰れば屋敷が建とうが、ありふれすぎてどうにもありがたみが失せるのう」
テルナが燭台に掛かったロザリオを指で弾くのを見ながら、アタシはこの城の元の住人ないし持ち主について、幾つか考察を立てた。
まず第一にアルティやエヴァみたいな魔法の才能、もしかしたらリコリスやテルナに匹敵する膨大な魔力の持ち主であろうということ。
金銭感覚がバグるほどには富というものに愛着はあるけれど執着は無い。
反転聖杯のせいで誤解されるかもしれないけど、ユウカがそうであるのと同じで、基本的にこの城は来るもの拒まないし。
自分の愉快を優先していながら、ここに訪れた者にも楽しんでもらおうという妙な気概さえ感じる。
「本当に不思議なところ」
「おー!でもオイラこの城なんか好きだ!なんかよくわかんないけどな!」
「クハハ、たしかに変な居心地の良さはあるのう。見よ、この部屋など間取りから家具や調度品まで全て妾の好みで統一されておる。ベッドも最高級のフロートウール100%。このベッドに横たわりながら冷えたワインをくいっ…たまらんじゃろうなぁ♡」
「あんたのことだから、きっとそのままベッドの上の住人になり果てるわね」
「否めぬ」
テルナは苦笑いしながら、名残惜しそうに部屋を後にした。
ほっといたらそのまま昼寝でもしたんじゃないかしら。
どこにいても呑気なのよね、この吸血鬼ったら。
「そういえば今更なんだけど、これだけの城をあの聖杯一つで浮かせてるのよね?本当にそんなことが可能なの?」
「いや、浮遊の術式は別に在る。おそらくは反転聖杯の特性をそのまま利用しておるのじゃろう」
「特性を利用…ああ、魔力を消費したらそのまま反転が働いて、また魔力が貯まっていくのね」
「まさに永久機関。そのようなことを考えついても、実行は容易ではない。いや不可能なはずじゃがな」
「発動は完全にランダムなんだっけ?」
「あれは数多ある宝具の中でも特に制御が効かぬじゃじゃ馬。それ故に妾の家でも封印されておったわけじゃが」
そうとも知らずに捨てたっていうんだから笑えるわ。
「妾たちが知らぬだけで、あれを完全に制御する方法がじつはあるのやもしれぬな」
「たとえば?」
「知らぬ!!」
「はっ倒すわよ」
「チーズケーキとワインが美味すぎて考えるのめんどーいのじゃー!クハハハ!グビグビー!」
「シャーリーに太ったって報告するわよ」
「ぃひいいいい!それだけは何卒ォォォ!」
聖杯の制御か…
あいつならそれもなんとかしちゃうのかしらね。
――――――――
「くまゾンビ、もう追ってきてないよね」
「くまさんかわいかったねママ」
「そうだねー。今度シャーリーにぬいぐるみ作ってもらおっか」
見た目は深夜のピザ屋で監視カメラをチェックしてると襲ってくるロボットみたいだったけどね…
「はぁはぁ…はーここはまた一段と開放的な場所だな」
通路の奥の階段を上ると緑が眩しい空間に出た。
宝物があるという雰囲気じゃない。
真っ白な花が吹き抜ける風にさざめき、一本の大樹が悠然と茂っている。
「非正規ルートでしかたどり着けない場所…か」
と、私たちの目は大樹の根本のこぢんまりとした石碑に留まった。
「な、なんでしょうか?」
「お墓…?」
「もしかしてユウカの?」
「身に覚えが無さすぎる」
花が供えられた石碑には模様が刻まれている。
「文字ではありませんよね?」
「これ…QRコードだ」
「Q…R…?」
「えっと…意味を持った模様、的な?」
ルウリなら文字列情報を図形化したものってスッと出てきたんだろうな。
けどなんでQRコード?
てか誰がこんなところに?
私と同じ世界の出身の人が?
とにかく、意味を持って彫られてるなら【言語理解】で解読は出来る。はず。
私はスマホを持つみたいに石碑に手を翳した。
"たとえ世界が移ろおうとも
歴史の彼方に消えようとも
魂が虚無に還らぬよう
この城と永遠に朽ちぬ友情を捧ぐ
我が生涯の友よ
君を思い続ける
親愛なるユウカ=モノクロリスへ"
「ユウカさんへの…慰霊の、言葉…」
「ユウカさんを思う誰かがこの城を作った。この石碑がではなく、この城そのものがユウカさんの墓標のようですね」
ユウカは石碑の前にしゃがみこんで石碑に手を置いた。
「変な気分だわ。あなたは私のことを知ってるのに、私はあなたのことを何も覚えてないんだもの。こういうとき、なんて言うのが正解なのかしら」
言葉に出来ない思いを込め、手を組んで目を閉じる。
私たちもそれに倣って黙祷した。
「私は誰で、あなたは誰なの?……何も知らない、覚えてないことが、今初めて嫌な気持ちになったわ」
私たちもどう言葉を掛けるべきなのか迷った。
「……戻りましょうか。ここには宝らしい宝は無さそうだし」
「いいの?」
「来たかったらいつでも来られるもの。ここは私の城だから」
出口らしい通路が出現し、ユウカはいたたまれないとばかりに行ってしまった。
「私たちも」
「ああ」
後を追おうとしてハッとする。
「リコ?」
「ママー?」
「あ、ゴメン。先に行ってて」
誰かに肩を掴まれたような錯覚。
今のは…と、何故か石碑が気掛かりになってもう一度確認する。
「……!石碑の裏面にもう一つQRコード」
目立たないようこっそりと。
そうでなければ見つからないように。
誰に?当然ユウカにだ。
なら、ユウカがQRコードを読めない以上、これは発見してもユウカには伝えるなということだろう。
これを読める誰かに宛てた、誰かからのメッセージ。
読むには覚悟が必要だと深く息をして挑む。
そして私は、この城の秘密に足を踏み入れた。
「遅かったですね」
「あ、ああ」
「も、もうすぐ、集合時間…です」
「おなかすいたー」
「おお、みんなを待たせちゃ悪いし行くか」
「何かありましたか?」
「いや、何も」
私は嘘をつくのが下手らしい。
アルティは訝しんだ風に目を細めた。
「もー♡そんな可愛い顔してたらリコリスちゃんドキドキしちゃうぞ♡ちゅき♡」
「……はぁ」
何も言わずにため息つかれるのグサッとくるんだが。
はーあ、とんだ宝探しになっちゃったな。
ったく…恨むよ、もう。
勝手にデカい荷物背負わせてさ。
"彼女には何も伝えないでほしい
以上のことも、この気持ちも
伝えたところでどうにかなるわけでもないけどね
どうか彼女を幸せにしてほしい
僕には叶えられなかった願いだ
そういうわけで、よろしく頼むよリコリス君
万感の愛を込めて
始まりの魔法使いより"
本日はもう一話。
19:00に公開します。