表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/6

悪役令嬢は婚約破棄を突きつけられました

 その後。

 首謀者の子爵令嬢とその実家は取り潰し。

 交友という名の共犯者達も連座で取り潰し。

 関係者は可能な限り生け捕りにされていった。

 さらなる背後関係を洗い出すために。

 自白剤に麻薬、呪いなどを駆使して情報を吐き出させられる事になる。

 肉体も自我も、魂すらも粉々に砕かれる事になるだろう。

 素直に知ってる全てを吐き出したとしても。



 そういった者は他にも余罪がいくつもあるものだ。

 それらもまとめて掃除する事になる。



 その端緒となった学院での事件だが。

 特待生達らを中心に行われた嫌がらせ。

 それらの理由も判明する。



 まず子爵令嬢。

 特待生として入ってきた者達をいたぶった理由はただ一つ。

「だって、面白いじゃない」

 他人をいたぶる事が、ではない。

 そうして優劣をつけ、自分が上だと思う事。

 相手を見下す事が目的だという。

 令嬢が動いたのは、本当にそれが目的だったようだ。



 それ以外では、有力貴族の権益を守るためというのがあった。

 地位は低いが、優秀で有能な特待生。

 それらが出世したら、権益を奪われるのではないか。

 役職から外されるのではないか。

 そういう危機感を持ってる者が一定以上存在した。

 そういう地位に固執する者達が、才能を潰しにかかった。



 あとは、守旧派というのもいる。

 地位の低い者が国政に参加する、その事を許せない者達だ。

 そう考える者達は、悪い意味で国を今まで通りに固定化しようとしている。

 その為に、国を保守するために必要な人材を潰していく。

 人材がいなければ、それこそ国が傾くというのに。

 ただただ今まで通りであり続ける事を求める。

 それらは守旧派、あるいは老害というしかないだろう。



 そういった者達が結託して問題を起こしていた。

 その問題を排除するために、国王自らが動いていった。

「国に害をなす者達を放置するわけにはいかん」

 その言葉に従い、国内の問題が片付けられていく。



 国政を壟断する者達が消えていく。

 それにつれて滞ってた国の機能が少しずつ回復していく。

 完治には時間がかかるが、遮る者はいない。

 そして消えた穴を埋める人材は確かにいる。

 それらは今、あらためて国の枢要に入っていく。



「がんばってくれるといいけど」

 今年度の卒業生。

 その中の特待生。

 彼らが傷跡を補うように取り立てられていく。

 無事に卒業できた者達と共に。

 そんな彼らが、いつか国を支える存在になってくれる事を願うばかりだ。



 そんな王子にとって急務になった事がある。

 新たな婚約者を立てること。

 問題のあった者を処断したのは良いが、おかげで王子の伴侶の席は空いてしまった。

 それはそれで補填しなくてはならない。

 おかげで王子は、当分は釣書の処理もしていかねばならなくなった。

「勘弁してよ…………」

 卒業後に始まる仕事と平行してやらねばならない難題。

 その解消に向けて、しばらくは休む間もない日が続く事になった。



 そんな国は今後20年ほど停滞を余儀なくされる。

 落ちぶれる事はなかったが、現状維持の状態をどうにか保つのに精一杯となる。

 なんだかんだで人が大量に消えたのだ。

 その分の損失はどうしても出てしまう。



 しかし、そんな国を支えて保つ事にも成功していく。

 どうしようもない停滞期を支えたのは、まともに運営されるようになった学院の卒業生。

 その中には、才能を見いだされて特待生となった者達の姿があった。

 むろん、貴族などの有力者の子弟の尽力もある。

 そうした者達と肩を並べて国を支えていく事になる。



 本来あるべき姿を取り戻した学院は、そういった人材を輩出し続けていった。

面白いと思ってくれたら、ブックマークや、下の評価点の☆☆☆☆☆のところを押してもらえるとありがたいです。


応援、よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ