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どうして尊敬されないか1分で分かる蟹森先輩

作者: えびかに子

ドラッグストアに勤める場合、持っていて損はない資格が『登録販売者』というものだ。

この資格があれば、時給が上がったり手当てが出る企業が多い。一般的に『登録販売者』の資格は正社員であれば取得することが前提だったりする。

僕も入社したその年の資格試験で取得した。簡単とは言えないが、決して無理な試験では無い。勉強をしてマークシートミスさえなければ受かるはず。

店長や先輩、同期も一発合格していた。僕が働いている店舗では短時間パートのスタッフ以外はみんな資格を持っている。真面目なスタッフばかりで、新人の僕はスタッフ全員を尊敬している。


蟹森先輩を除いて。


蟹森先輩はこの店で異質な存在だ。

服装が派手な訳ではなく、仕事をサボっている訳でも無い。仕事は時間内に終わらせるし、他のスタッフのフォローもする。

「なんでカニさんは尊敬されないんですか?」

体重が90kgオーバー(本人談)なのに、そんなんで足りるのか?というくらい小さなお弁当をぱくぱく食べている蟹森さんに僕は聞いてみた。

「そんなん私が知りたいわ。先輩だぞ、尊敬しろよ」

天然パーマを一時間掛けてヘアアイロンで真っ直ぐしているという蟹森先輩。その努力虚しく、品出しが終わってお昼に入る頃にはクルクルが戻り始めている。

「カニさんって入ってきたばかりのパートさんにも一週間で『カニ』って呼び捨てされますよね」

「昔からそうなんだよね。転職した先々でカニ呼ばわりされてたわ。最初は年下のペーペーだからかなって思ったけど、三十路過ぎてもカニって呼ばれるってどういう事?」

蟹森先輩はゴクゴクとコーヒー牛乳を飲み干す。

「白飯のお弁当なのにお茶とか水じゃなくてコーヒー牛乳を飲んでるからじゃないですか?」

「日本人なら白飯にコーヒー牛乳って常識でしょ」

「そんな常識は知りません」

「マジか。まだまだ社会経験が足りないな。中学生からやり直してこい!」

そんな小学生みたいなことを言いながら、蟹森先輩は500mlの乳飲料を飲み始めた。

「先輩は働いてる場所間違えてると思います」


尊敬されない理由その1:糖尿病予備軍だから

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