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ニーナ、ダンジョンにアタックする~中層フロアマスター編~

予告なく修正することがあります。

 ニーナ達は先に進み十九階層に到達した。途中、巨大蟹や巨大海老と遭遇し、ギルスとエレンがなんとか討伐した。


「うにゅにゅにゅ、せっかくの食材が魔石しか残らんとは、微妙に残念なのじゃ。」

「のじゃ姫、のんびりしてられないわよ。」

「お嬢様、来ます。ギルス様、あれは、あれは無理です。」


 狭い通路の奥から姿を現したのは、巨大なイソギンチャクを逆さまにした様な生き物だった。下には無数の触手が不気味に揺れ、足盤と呼ばれる胴体部分に巨大な目が一つギョロギョロと動いていた。ずるずると近づいて来るイソギンチャクの魔物を、キキが解析を始めた。


「メイズウォーカー。高い物理防御力と魔法防御力を持つ。触手で獲物を捕まえて、溶かしながら食べる。厄介ね、ゼン。さすがに無理よ。」

「ピキーィィィィィィィィィン」


 刀を抜くと同時にメイズウォーカーの巨大な眼球に十字の線が入った。線が広がり、内側から緑色の液体が流れ出した。ズルッと柔らかい体が四つになって落ちた。


「ピキーィィィィィィィィィン」


 鍔鳴りが響き、刀はゼンの背中に戻った。


「まじ、か。」

「ギルス、見た。ゼンさん、壁ごと斬った。」

「凄まじいことをするのじゃ。」

「いや、それどころやない。ダンジョンの壁はドラゴンのブレスでも、牙や爪でも傷つくことはない。まして、刀で人が斬るやなんて有り得ん。」

「ゼン様のやる事ですから。気にしても仕方ありません。」


 ミリアンの一言で皆は頷いた。更に、蟹や海老を狩り、ゾンビやスケルトンを倒し、ニーナ達は十九階層の終わりに到着した。


「此処を降りればフロアマスターの部屋ね。少し厄介みたいだけど、のじゃ姫とティム達で挑んでみる。」

「フロアマスターは何じゃ。」

「ギガンテス一体だけど、パーティーが二組だから、二体かもね。」

「ギガンテスって、厄獣クラスの魔物だぞ。」

「私達がサポートに入る。だけど、戦うのはのじゃ姫達よ。」

「僕達では無理です。ギガンテスは倍以上の身長と五倍以上の体重が有ります。リーチも三倍近く有ります。対等なのはスピードだけです。」

「だから、貴方達は攪乱に専念してね。攻撃はのじゃ姫達よ。」

「いくらなんでも俺達も無理だぞ。」

「ギルス、私達は強くなっている。騎士王にも勝った。ゼンさんとの修練、木偶との真剣での模擬戦。多分、貴方が思っているより、遥かに強くなっている思う。」


 ギガンテスは騎士団一個大隊を編成して、臨む必要がある害獣クラスの魔物。ギルスの反応は当然の事だった。しかし、エレンは勝てると考えていた。


「エレンの言う通りよ。貴方達なら勝てるわ。」

「しかし、騎士団千人規模が必要な魔物ですよ。しかも、二体なんて。」

「ティム達はスピードで攪乱を主に、二体を離すことに専念するの。のじゃ姫とミリアンは魔法と弓で遠距離から足止め。ギルスとエレンで文字通り、足を斬る。ララとロロで目を狙って攻撃して、腕には細心の注意が必要よ。当たれば即死だから。止めはのじゃ姫のファイヤーボルトで頭を狙って、ギルスは倒し切れなかった時に、止めを刺して。」

「うにゅう、やれそうな気がしてきたのじゃ。行くのじゃ。」

「おおっ。」


 ニーナ達は二十階層に降りると、大きな扉があった。ニーナが手を触れると、独りでに開き始めた。見た目通りの重量のある扉であろうか、地の底から体を震わすような音を立てて左右に開いた。外からでも見える巨体が二つ立っている。すでに、ニーナ達を見ていた。


「入る前から、敵と認識しているのか。」

「間違いないわ。ギガンテス、武装は蛮族の棍棒と粗末な腰巻だそうよ。ゼンの言った通り、防具は無し。バフはかけておくわね。ティム達にはアクセルとプロテクション、リジェネレーターは全員ね。」


 ニーナ達のステータスが一気に跳ね上がった。


「凄い、これほどとは。」

「今回は忘れんのじゃ。さて、狩りの時間じゃ。」


 ニーナ達は大きな扉を潜り、ボスルームへ入った。二体のギガンテスがゆっくりと、ニーナ達に向かって歩き出した。


「ティム、攪乱をお願いするのじゃ。ミリアン、弓であっちを足止めじゃ。」

「良い判断です。ティガ、ティナ、距離を保ってロングレンジから攻撃。ティアは弓で目を狙って。」


 ティム達が一体のギガンテスを相手に、ヒットアンドアウェイで攻撃を仕掛けた。ミリアンはもう一体のギガンテスに弓を連射して牽制した。


「ティム達がタゲを取ったわね。パーティー内で上手く回している。これなら、いけそうね。」


 ギルスとエレンが身体強化されたスピードで、両方の膝裏を斬りつけた。しかし、ギガンテスの皮膚は固く、二人の剣は表面に傷をつけただけに終わった。


「恐れてもいい。でも、集中して。二人なら斬れる。そのための技よ。」


 キキの叱責が届いたのか、ギルスとエレンは大きく息を吸い込み、ゆっくりと吐き出した。ララとロロも深呼吸をして、武器を構え直した。


「ギルス、もう一度、仕掛ける。ミリアン、矢で牽制。お嬢、ファイヤーボルトを上から落とせる?」

「お嬢様、矢を降らします。爆発したら魔法をお願いします。」

「判ったのじゃ。曲げて見せるのじゃ。ララ、ロロ、止めは任せたのじゃ。」

「おおっ。」


 ミリアンが矢を上に放つと、ギガンテスの頭の上で矢が無数に増えた。


「天弓?教えたの。」

「魔力回路を組み込んだ。」

「爆!」


 ミリアンの言葉で矢が爆発し、ギガンテスの動きが止まった。


「ファイヤーボルト!」


 ニーナの魔法が放物線状に飛んで、ギガンテスを真上から襲い掛かった。上からの攻撃に手を上げて、闇雲に振り回すギガンテスに、ギルスとエレンが一気に走り寄った。全身を回転させた渾身の一閃が、両方の足を切り落とした。ララとロロは走ってギルスとエレンの肩を踏んで、ギガンテスに飛び上がりながら首へ横薙ぎの斬撃を放った。


「曲がった。」

「今度、私もやってみようかしら。」


 もう一方を相手にしていたティム達に笑みが浮かぶ。


「む、離脱。」


 ティアの言葉にティム達は、ギガンテスから距離を取った。ギガンテスの体から赤い光が発せられ、足元から霧のようなものが立ち上った。霧の様なものが薄くなっていく共に、ギガンテスの姿を顕にしていった。


「バーサクではない。」

「強化種。ゼン、あれは無理よ。」


 キキの言葉にゼンは腰の後ろに両手を回し、戻すと両手に漆黒のナイフが握らていた。


「やれやれ、仕事の時間だ。」


 ゼンの姿が消え、独楽の様に回転して、強化ギガンテスの前に現れる。ゼンが止まると強化ギガンテスは灰になり、魔石を残して消滅した。消滅する前に輪切りになったのは見間違いではないだろう。


「ギガンテスの強化種って、亜竜種を超える魔物だろ。厄獣を越えて禍獣。いや、凶獣と言っていいぐらいだぞ。それを瞬殺するって。」

「ギルス、今更よ。ゼンさんだから、真竜どころか天竜でも討伐してしまうかも知れない。」


 ギルスとエレンはフラフラと立ち上がり、ニーナ達の元に向かった。


「強化されるのか。」

「初めてね。恐らく、貴方の気配を感じての緊急回避の対応かもしれないわね。」


 ゼンとキキの会話は誰にも届かなかった。ニーナ達は現れた宝箱の前で騒いでいた。


「うにゃにゃ、この宝箱は青いのじゃ。いつもの赤とは違うのじゃ。」

「いつもの宝箱より大きいです。」

「ロロ、ちゃんと話せるようになってきた。」

「ララの努力だな。」

「いやいや、ララもエレンも、今はそこじゃないだろ。」


 ニーナ達がダンジョンや遺跡、洞窟で見つけた宝箱は全て赤だった。


「開けてみるのじゃ。」

空♂:最初は進化させてヘカトンケイルでも登場させようと思った。

キ♀:どうして変えたの?

空♂:もう少し、終盤で登場させたいと思った。

キ♀:ダンジョンマスターも変更するのね。

空♂:そうなるな。中々、考えてしまう。

キ♀:頑張ってね。

空♂:(・ω・)ノ

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