表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/461

初めての魔法

予告なく修正することがあります。

Sep-19-2020、一部変更。

 あっという間の出来事であった。


「化け物か?十四人をあの一瞬で。」


 ギルスは疲れたように呟いた。実際、疲れてもいたらしく兜を取ると、その場に座り込んだ。その頭に獣の耳がヒクヒクと動いている。


「おかげで助かった。それにしても、ゼンさんだったか。凄まじい強さだ。キキさんの方もあの剣技で魔術師とは、剣士と言われても納得する。」


 兜を取ったエレンは綺麗なプラチナブロンドの髪から、獣の耳が突き出していた。もう一人の護衛、ベンの頭にも獣の耳があった。三人は獣人族だった。全員が座り込んでゼンを見て疑問を声にした。


「で、何をしているんだろうな?」


 死体から鎧や武器を剥ぎ取るゼンがいた。時折、金袋を見つけ頷いている。嬉しいのだろう。一通り剥ぎ終わると、ゼンは死体を一か所に集めた。


「終わったよ。ねえ、魔法って分かる?」

「助けてくれて感謝なのじゃ。魔法なら火の魔法が使えるのじゃ。」


 キキが怖がっていたニーナに問うと、自分も使えると答えが返って来た。


「魔法があるって。」

「ようこそ!剣と魔法のワンダーランドへ!ファンタジー万歳!くそったれ!」


 ゼンの呟きはキキに届いたのか。ニーナ達は気付いていなかった。


「魔法を見せてくれる?」


 キキはニーナにやさしい口調でたずねる。


「いいのじゃ。ミリアンは風と水の魔法を使えるのじゃ。治癒もできるのじゃ。」


 ニーナは馬車から降りてきて、小さな杖を取り出す。


「炎よ!集え!我敵を撃ち抜け!ファイヤーボルト!」


 すると、小さな火が飛んで行き近くの岩に当たり、小さな焦げ目を作る。


「詠唱があるわけね。消費魔力と魔方陣を見る限り、威力とスピードはあんなものね。」


 キキの呟きにゼンが僅かに頷いた。


「死体は?」


 時折、魔力の元である魔素が死体に作用し、ゾンビやグールが生まれることがある。

 周りのマナ濃度を感じたか、ゼンが死体の処分方法を聞いた。


「燃やすのだが、油がない。バラバラにして埋めるしかないか。」


 ギルスは嫌そうに顔をしかめた。

 当然、十六人もの死体をバラバラにし、獣に荒らされぬように深い大きな穴を掘る事は重労働になる。


「キキ。」

「判ったわ。ファイヤーボール。」


 キーワードを唱えると、突き出したキキの手の先に魔法陣が現れ、一メートルぐらいの火の玉が出現した。

 火の玉は積み上げられた死体に向かって飛んで行った。

 着弾すると火柱を上げながら炎が広がり、あっという間に死体は骨すら残さず燃やし尽くした。


「な、詠唱がないだと。」

「ファイヤーボールって初級魔法だろ。」

「それにあの大きさもおかしいだろ。」

「魔術師ではなく、魔法師だったのか。」


 ギルスたちが口々に叫ぶ。誰もが驚く中、ミリアンは静かにキキを見詰めていた。


「この馬車は?」


 道を塞いでいた馬車を、どう扱うかをゼンは聞いた。


「やつらが配置したものだろう。使っても問題はないだろう。」


 それを聞くやゼンは剥ぎ取った鎧や剣、鞍にいたるまで積み込んだ。しかも、馬も十五頭を確保していた。


「どっちが野盗か判らんのじゃ。」

ゼ♂:剣と魔法のファンタジー。

キ♀:在り来たりの設定ね。

ゼ♂:設定が楽だからな。

空♂:そう思ったけど、甘かった。

キ♀:ファイト!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ