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ニーナ、おねだりする

予告なく修正することがあります。

Sep-19-2020、一部変更。

 数日、ニーナ達はティンタジェルの町を散策していた。


「このドライアドが欲しいのじゃ。」

「ドライヤーよ。髪を乾かす魔道具でしょ。」

「そうじゃ。これが有ると便利なのじゃ。魔力の節約になるし、ギルスの頭を燃やさなくて済むのじゃ。」

「ゼンの持っている物の方が性能が良いわよ。」


 ゼンはドライヤーを取り出して、ニーナに見せた。


「こっちの方が凄いのじゃ。温度も風も調節できるのじゃ。」

「何!ちょっとあんた。見せてくれ。」


 魔道具屋の主人はゼンの出したドライヤーを手に取って、ボタンを押したりダイヤルを回して試した。


「こっちの方が凄いな。どうだ、あんた売る気はないか?」

「ここのドライヤーは大銀貨三枚でしょ。これは作るのに大金貨八枚かかるの。売値は白金貨になるわよ。」


 キキの言葉に固まった魔道具屋の主人から、ニーナはそっとドライヤーを取り戻した。数日前にドライヤーを買ったエレンは、店の主人に返品の交渉を始めようと乱暴に揺すっていた。演技か実際に呆然自失しているのか判らない店主に、我慢の限界が来たのかエレンが拳で殴ると、白目を剥いて気絶していしまった。


「うにゅにゅ、完全に気を失ったのじゃ。」

「ミリアン、回復魔法を頼む。勢い余ってつい。」


 ミリアンが回復魔法を掛けて店主を目覚めさせた。エレンは丁寧な言葉遣いで、有無を言わせない言葉を選び返品を迫った。店主は渋々、返品に応じた。

 金貨を握ったエレンと共にニーナ達は外に出た。他の店を回りニーナやエレンが便利そうだと手に取ると、キキはゼンがもっといいものを持っていると言って買うのを止めた。

 宿に戻ったニーナ達にゼンが色々な魔道具を出して並べた。


「冷蔵庫もあるのじゃ。こっちは氷が出来るのじゃ。これは馬車にあると便利なのじゃ。おお、アタタメールもあるのじゃ。」

「お嬢様、どこでもシャワールームやどこでもトイレもあります。」


 ニーナとミリアンが手に取って、店のものより高性能の魔道具を珍しそうに眺めた。


「ゼンに頼めば大体のものが有る筈よ。暇な時は魔道具を作っていたから。ただね、取り扱いは要注意よ。作るために手段を選ばずだから、製作費が凄いことになっているのよ。中には白金貨数百枚かかった物とか、神話級の材料や神級の材料を使っている物もあるの。それから、壊れると大爆発を起こす物もあるから気を付けてね。」

「恐ろしいのじゃ。」


 キキの説明にニーナ達は一斉に魔道具から手を引いた。


「さすがに危険な物は無いから大丈夫よ。欲しい物が有ればゼンに言えば大概の物が有るわ。ドライヤーは便利だけど、のじゃ姫は使用禁止ね。」

「どうしてなのじゃ。」

「魔法の効果範囲、威力、流れの調整を覚える練習になるの。ギルスやロロでやらずに、自分の髪を乾かすのよ。」

「理不尽なのじゃ。」


 ある日、宿で夕食を摂り、ニーナ達が部屋に戻った後、食後のゼンはコーヒー、キキは紅茶をゆっくりと楽しんでいた。食堂にアシャが入って来て、真っ直ぐゼン達のテーブルに来た。


「ご一緒してもいいかしら?」

「断る理由はない。」


 アシャは紅茶を頼み、席に着いた。一口飲んで深呼吸をして、ゼンとキキを見た。


「国王から呼び出しが有れば、貴方達は王城に会いに行きますか?」

「会いたいければ来ればいい。」

「一国の王が平民の冒険者に会いに来ると思うの?」

「思わん。」


 アシャは大きな溜息を吐いて、顔を上げ少し疲れたような見えるのは気のせいか。


「騎士が王の勅命を読み上げたら、貴方は恐らく王を侮蔑するような言葉を口にするわね。この国には不敬罪が有るわ。騎士が剣を抜いたらどうするの?」

「敵は斬る。」

「やはり、そうなりますか。」


 アシャは肩を落とし呟いた。そして、ゼンとキキを見て話し出した。


「以前、貴方達が城を破壊し、国を滅ぼしたのを見ました。確か貴方達は国壊者の称号も有りましたね。やはり、刺激は強いでしょうが、見せた方が良さそうですね。」

「王族や貴族はいつも彼の機嫌を損ねるの。」

「判りました。」


 アシャが二人と会った翌日、アーサーが王都に向かい、ニーナ達の到着を王城へ知らせた。ティンタジェルを夜明けに出発しても、王都到着は夜になるため、アーサーはニーナ達の宿を予約した。


「勇者がパシリだよ。」


 翌日、近場で採取してきた薬草を納品するため、冒険者ギルドの出張所に入ったニーナ達にギルドの職員が近づいた。


「エルノワールの皆さんですね。指名クエストが入っていると連絡が有りました。此処は出張所ですから、常駐クエストしか張り出していません。王都本部に向かって下さい。」

「うにゅ、この町も充分に楽しんだのじゃ。」


 ニーナはゼンとキキを見た。二人は小さく頷いてニーナを見返した。


「近々、王都に向かうのじゃ。」

空♂:やっと盆休みになった。

キ♀:投稿もお休み?

空♂:少し休む。アップ出来る環境が無い。

キ♀:里帰り?

空♂:コロナが怖いが、仕方ない。

キ♀:気を付けてね。ところで、ゼンのド○ちゃんぶりを出すのではなかったの?

空♂:(´・ω・`)

キ♀:誤魔化した?

空♂:(´・ω・`)

ゼ♂:ピキーィィィィィィィィィン

空♂:ヾ(・д・ヾ))))))))=3=3=3

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