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ニーナ、装備を手に入れる

予告なく修正することがあります。

Sep-19-2020、一部変更。

 即席のバーベキューセットを片付け、ニーナ達は小さなテーブルと椅子に座りお茶を用意した。


「さて、お腹も満足したことだし、私達からのミスリル昇格のお祝いよ。」

「ミスリル昇格というより、二人に寄生と言った方が早いのではないか。」

「妾がリーダーじゃから、昇格でよいのじゃ。なっ、ゼン。笑うでない。」


 ニーナの言葉に固まるゼンを見て、キキとララは微笑み、ロロはホッと息を吐いた。


「まだ、慣れんのじゃ。」

「ふふ、先ずはアンダーアーマーよ。」


 ゼンは黒に近い青色の塊を出した。どう見ても、鎧の下に着るアンダーウェアには見えない。


「スライムの変異種。スライムと言っても生存活動は最小限で、宿主に寄生すると言った方が早いかしら。アンダーアーマーの型にすると、僅かに魔力を吸われるの。防刃防弾で効果は小さいけど属性抵抗もあるわ。便利なのは、手ですぐに捲ることが出来て、トイレでも慌てる必要が無いのよ。」


 キキの説明にニーナ達は、口を開けたまま一言も出なかった。

 次にゼンは淡く青く輝く鎧を取り出した。


「ギルスとエレンは騎士で無くなったのだから、ライトメイルが良いでしょう。今までのフルプレートより、パーツが少ないけどミスリル製よ、軽くて動き易く、強度も上よ。のじゃ姫のはエレンのデザイン違い。同じくミスリル製よ。ララには革の部分鎧ね。亜竜のドラゴンスキン製よ。」


 ゼンはギルス達に渡した鎧と同じく、ブレストプレートをニーナに渡した。ララには急所を覆うパーツに別れた鎧を出して渡した。


「ミリアンはメイド服を変えたくないのよね。ロロに胸当てと籠手とブーツよ。」


 ゼンの服に似ている胸当てが付いた服だった。


「おいらのって、普通過ぎると思う。」


 ロロは少し落胆したのか、肩を落として装備を見ていた。


「ロロは刀をメインに選んだでしょ。動き易さを重視するとそれが一番なの。私やゼンの色違いよ。ゼンは防御力の無い装備で、危険を感じるのよ。ロロにも期待しているわ。」

「・・・はい!」


 考え込んだ様に俯いていたロロは、キキの言葉に顔を上げて返事を返した。その顔に見えた表情を希望と呼ぶのだろうか。


「バンプレス一体のガントレット、グリーブ付ブーツは共通ね。ゼン、サイズを合わせてね。」


 ニーナ達はさっそく新しい鎧を装備した。メイド服のミリアンも、銀色に光る脛当ての付いたブーツを履いて、前腕に銀色の籠手を装備した。歩いたり、走ったり、跳んだりしながら感触を確かめた。


「ミスリル装備は、目立つわね。色を変えてみる?」

「色を変えるって、そんな事が出来るのか。」

「苦労したのよ。十年ほどかかったわ。」


 キキはニコニコしながら提案した。


「エレン、好きな色は?」

「赤かな。」

「じゃ、ギルスは青ね。」

「何故、決まる。いいけど、濃い目にして欲しいかな。」


 キキはエレンの好みを聞き、ギルスには押し付ける。そして、スマホのような物を取り出す。


「なんじゃ、それは?」

「魔道具よ。魔法陣を記録して、ものに転写するの。」


 キキがスマホを操作すると、エレンの足元に魔法陣が展開した。


「チェインジカラー。」


 キキがキーワードを発すると、エレンの鎧の色がワインレッドに変わった。同じようにギルスの鎧を藍色に染めた。


「妾も赤が良かったのじゃが、うにゅにゅにゅ。」

「のじゃ姫は取って置きにしてあげる。チェインジカラー、タイプイリデンセント」


 ニーナの鎧が玉虫色に輝きだした。


「おお、これは素敵なのじゃ。」


 ニーナは跳ね回り、皆に見せつけて回った。ララの部分鎧のプレート部は緑に、ロロの籠手とブーツは銀色になった。ミリアンの籠手とブーツは黒金色に変わった。


「さて、お待ちかねの武器だけど、今の武器の材料を変えましょう。オリハルコンの合金だから、切れ味は保障するわ。ララのバスタードソードはミスリル合金にしましょう。ゼン、ロロの刀は任せるわね。」

「大和薬師院鬼六、良業物。十鬼丸。」


 ゼンがララのバスタードソードとロロの刀を取り出した。


「ゼン様、私は弓が欲しいです。」

「ミリアンは、その方がいいでしょうね。ゼン、良いのが有ったでしょ。」

「それは以前、鴨を撃った時の弓では。」


 ゼンが取り出した弓を見て、ギルスが聞いた。


「あれは少し違うの。通常のショットで二百メートル程、魔力を込めれば直線なら五百メートル程飛ぶ。「散」と言えば、射手の見た的の数だけ矢が増える。「爆」と唱えると爆発するの。魔石スロットは七つ、魔石は沢山あるから大丈夫よ。あと、矢筒も便利なの。三十本入るの。ここの口に金属と木材を入れておけば、矢を自動製造するの。錬成魔法だけど、これの魔石スロットは八つあるから、二個を残して補充するようにしてね。ゼン、材料は何か入れてあるの?」

「矢柄はエルダートレント、鏃はミスリル、矢羽は最初の森にいた黒い鳥だ。」

「なんか、恐ろしい弓矢なのじゃ。」


 その後、ゼンは数種類のナイフを出し、ギルス、エレン、ララは短剣のような両刃、ロロは背に波刃の付いたナイフを、ニーナとミリアンは反りの付いた片刃のナイフを受け取った。

 ニーナは既に新しいレイピアで、いつもの練習を始めていた。ララとロロも少し離れた場所で、練習を始め、ギルスとエレンは剣を握り感触と重さを確認し始めた。

ゼンが声を掛けもう一度、全員を集めた。


「パウチ型のマジックバッグよ。容量は宿の箪笥、三つ分ぐらいね。腰に着けて予備の装備を入れておくと便利よ。それと、これは普通のパウチだけど、ポーションを数種類入れておいて。」


 ゼンが人数分のパウチを取り出して、ニーナ達に渡した。


「荷物はこれに入れておけ。」


 ゼンはギルスとエレンにサドルバック型と、年少組にバックパック型のマジックバックを渡した。


「こんな高価なものを、良いのだろうか?」

「これから、遺跡調査やダンジョンにアタックすることもあるでしょ。三日分の食糧を、入れておいてもらわないと。はぐれた時の為にね。」

「何故、三日分なのじゃ。」

「三日以内に必ず探し出すからよ。」


 ニーナ達は納得したのか黙って頷いた。そして、ニーナ達は町へと戻った。

 冒険者ギルドでジャイアントバトルオックスの角と皮を、買い取りに出すと金貨十枚になった。


「屋台に向かうのじゃ。」

空♂:こういうエピソードは後の管理が大変になる。

キ♀:そうね。何時の間にか別の装備になっていたりするからね。

空♂:無いようにしなければ。

キ♀:がんばってね。

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