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初めての剣術指南

予告なく修正することがあります。

Sep-19-2020、一部変更。

 ぞろぞろと傭兵達が集まって来た。呼びに行った者から聞いたのか、多くの視線がゼンに集まっていた。

 ニーナが木の棒を持って台の上に立ち、腰に手を当て傭兵達を眺めていた。全員が集まったのか、傭兵達の視線が台の上に立つニーナに集まった。


「よいか、今から剣の基本を教えるのじゃ。」


 ニーナは一つの型を棒を振って実演し、姿勢や踏込などを説明していった。動きの呼び方や意味は知らなくとも、数々の戦闘を乗り越えてきた傭兵達は知っていて当然のことだった。真剣な表情で熱心に語るニーナへの配慮か、筋肉質の厳つい傭兵達が頷きながら真剣に聞いていた。


「わかったか。これは大切な型なのじゃ。」


 得意気に顎を上げて傭兵達を見渡すニーナ。経験して判り切ったことを、偉そうに説明する十歳の女の子に、傭兵達は対処しかねている様に見えた。


「わかったら、返事なのじゃ。」

「はい。」

「おお、迫力なのじゃ。」


 傭兵達の一斉の返事にニーナが少し飛び上がった。

 講義を終えてニーナは棒を構えて、斬撃を実演しながら説明に入った。


「よいか、斬撃には九つの型が有るのじゃ。左から右への横薙ぎ、左肩から右脇腹への袈裟斬り、上から下への唐竹割、右肩から左脇腹への逆袈裟じゃ。」

「先生、四つしかありません。」

「馬鹿者!逆があるのじゃ。」

「八つです。」

「愚か者!突きがあるのじゃ。」


 棒を振ってゆっくりと九つの型をゆっくりと演じていった。


「これを毎日、一週間、一か月。」

「お嬢。まだ、二週間程度だろ。」

「うにゅ、此処からゼンに頼むのじゃ。」


 ゼンがナイフを抜いて型を演じ、ニーナがナレーションを務めた。


「一か月、一年、十年、五十年、百年なのじゃ。」


 個々の型が繋がり個別の動きが、流れるような動きに変化して行った。途中からキキが参加して、斬撃を繰り返す二人の動きは傭兵達の目に剣舞のように映ったことだろう。


「そして、千年!」


 そこで二人は動きを止めた。


「なぜじゃ!なぜ、ドンをしないのじゃ!あれが恰好良いのじゃ。」


 足を踏み鳴らして、駄々を捏ねるようなニーナ。キキはゼンを促して頷くと、ゼンのナイフが刀にその姿を変えた。


「あれは刀か。型を変えたぞ。魔剣なのか。」


 キキもレイピアを構え直し、ゼンの前に立った。


「のじゃ姫、準備出来たわ。」

「よし、もう一度やるのじゃ。一日、一週間、一か月、一年、十年、五十年、百年。」


 ゆっくりと一つ一つの型が、徐々に速くなっていった。二人の剣舞の様な動きに傭兵達から溜息が漏れた。


「そして、千年!」


 キキはレイピアが霞むほどの速度で、ゼンに向かって九つの斬撃を叩き込んだ。キキの攻撃をゼンが、同じ速度で刀をで受けて行った。キキの突きをゼンが同じ突きで迎え撃ち、切先同士がぶつかって止まった。

 ギンと空気が震え、九つの音があまりの速度に一つに聞こえた事だろう。歴戦の傭兵達が固まる中、ニーナが飛びあげってガッツポーズをしていた。


「あの女、魔法師だろ。なのに、あのスピードにあの攻撃。」

「それを全て防いで見せたぞ。」


 二人の技を見て傭兵達が口々に感嘆の声を上げた。そんな傭兵達の前にニーナが、腰に手を当て少し体を反らして立った。


「次は一対一の模擬戦なのじゃ。」


 ニーナも暴れてみたくなったのか、傭兵達に挑んだ。そして、模擬戦は夕方まで続いた。


「騎士様に勝てんのは判るが、お嬢ちゃん達にうちのアイアンが負けるとは。あの男の子はいくつだ。」

「ニーナもロロも十歳だってさ。」

「ニーナ嬢ちゃんが、シルバー、ララ嬢ちゃんがアイアン卒業間近、ロロ坊がアイアンってところか。」


 傭兵ギルドの幹部連中が感心した。


「ロロ、あなたもちゃんと強くなっているでしょ。」


 キキに言われてロロの顔に笑みが広がった。メンバーで最弱のロロだったが、自分より大きい相手に互角以上に戦っていた。


「お腹が空いたのじゃ。」


 ニーナの宣言で訓練はお開きとなった。


「マスター、あの連中と戦うような依頼は絶対に受けないでね。」

「当たり前だ。」


 エレノアの言葉に大きく頷くジャクソンだった。


「うにゅ、魔法を使うのを忘れていたのじゃ。」

キ♀:のじゃ姫先生は面白いわね。

空♂:うむむむ、少し想定と違ってきている。

キ♀:勝手に動き始めたの。

空♂:まだ、コントロールできる。出来る筈だ。

キ♀:どっかの駄目な科学者のようね。

空♂:うぬぬぬ。

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