初めての敗北
予告なく修正することがあります。
Sep-19-2020、一部変更。
ニーナ達は屋台で昼食を摂って、町を出てすぐ近くの開けた場所にやって来た。都市壁の曲がり角を曲がった場所のため、街道からも門に並ぶ行列からも見えなかった。
「食後の運動をするのじゃ。」
特にすることがなくなると、ニーナは体を動かした。その日も、やる事が無いらしく全員で訓練を始めた。ニーナ達はいつものように、九つの斬撃の型を繰り返して行っていた。ゼンとキキが時々、アドバイスや実際に見せながら、特にエレンは熱心に、ゼンに質問をして色々と型を確かめていた。
「いつものやつか。」
ギルスは一言呟いて、ゆっくりとバスタードソード抜いた。エレンの片手剣であるグラディウスより長く、両手でも片手でも扱えるため、ギルスは両手と片手で素振りを繰り返した。
「ギルスもあれにした方がいいかもね。」
「俺はずっとこれを繰り返してきた。」
「今ならエレンに負けるかも。」
「そんな事はない。はず。」
「やってみるのじゃ。」
キキとの会話を聞いにーなたいて、ニーナが面白く思ったか、模擬戦をすることになった
「ゼン、木剣を出して。」
キキのリクエストにゼンが数種類の木剣をだし、ニーナ達は気に入った木剣を手に取った。
「ゼンのバッグは色んなものが出てくるのじゃ。」
「そうよ、魔道具も沢山あるわ。未来の猫型人形みたいでしょ。」
ゼンがキキを睨みつけていると、ギルスとエレンが距離を取って対峙した。
「エレン、頑張るのじゃ。」
左腕に固定された直径三十センチ位の小盾に、刃渡り六十センチぐらいの片手剣、グラディウスに似た木剣を持ったエレン。同じく小盾を着けているが、ギルスは一メートルを超える両手剣、バスタードソードに似た木剣のギルス。
「どちら勝つのじゃ。」
「多分、エレンよ。」
ニーナの質問にキキが答えた。
「始め!」
ゼンの掛け声で二人は間合いを詰めた。
ギルスが先に動き、剣を上段から振り下ろした。
エレンは左腕を挙げ盾で剣を受け、右へと剣を逸らして躱した。そのまま、身体ごと右へ周り、振り向き様に剣を薙いだ。辛うじて、ギルスは剣身でエレンの剣を受け止め。
しかし、エレンは止まらず今度は、逆に体を回して右から薙ぎを放った。
ギルスは上体を反らして、小さな動きで避けたが、躱されたエレンは回転を加速させ、左の盾をギルスに叩き込んだ。体制を崩したギルスの胸にエレンの前蹴りが入り、仰向けに倒れたギルスの胸に座り喉に切先を突き付けた。
「エレンが勝ったのじゃ。」
「嘘・・・だろ。」
「嘘・・・みたい。」
喜ぶニーナと信じられない様子の二人。ゼンがエレンに近づいて肩に手を置いた。
「剣と盾の使い方、上手かった。回転しながらの連撃もな。」
「ゼンさんに教えてもらった技だ。凄い。隊長に勝つなんて、初めてだ。」
喜ぶエレンの横で、ギルスが項垂れていた。
「あれが術よ。」
「剣術か、俺も教えて貰えないか。」
「いいわ、教えてあげる。でも、ゼンの方が上よ。頼んでみれば。」
その後、総当たりの模擬戦で、ギルスはニーナとララには何とか勝ったが、ミリアンには辛勝と言わざるを得なかった。その結果に項垂れている横に、誰にも勝てなかったロロが同じように項垂れていた。
「斬撃の型は理解したわね。同じ斬撃でも何回かに一回、違いのある一撃を経験したことがない?それがクリティカル、会心の一撃よ。練習し上達すれば、全部をクリティカルにすることも可能になるの。先ずは九つの斬撃を正確にできるようになること。次はクリティカルの確率を上げることね。」
キキがそう言ってゼンに目で合図を送ると、鉄の剣を持って岩に叩き付けた。剣は火花を散らして岩に弾かれた。
「今のは通常攻撃。次がクリティカルよ。」
ゼンは同じ型、同じ角度、同じスピードで剣を振り下ろした。今度は岩に剣が食い込んで止まった。
「型やスピードが僅かに違うの。理想の型とタイミング、練習すれば全部がクリティカルになるかもね。」
「何となく判る。自分でも判る違いのある一撃が偶にある。よし、俺も頑張るぞ。」
ギルスは憂いが無くなったのか、笑顔でニーナ達に頷いた。俯いたままのロロの頭をゼンが無言で撫でていた。
町に戻りニーナ達は市場を巡り、ゼンとキキは道具屋を巡った。夕食前に数軒の屋台にをこ挑んで宿に戻ると、笑うキキと難しい顔をしているゼンが居た。
「果物の皮むき用の魔道具?魔石の無いときは後ろの取っ手を回すのじゃ。魔道具の意味があるのじゃ?何故、買ったのじゃ。」
キ♀:もう少し、描写が必要だったのでは?
空♂:うっ、そんなことない・・・と思う。
ゼ♂:自己流と正当剣術と違いを、描写しなくてはならんな。
空♂:うっ、そんなことは・・・。
キ♀:一応、考えていたのね。
空♂:うっ、そんな・・・。
ゼ♂:出来なかったか。
空♂:うっ。
キ♀:いずれ出て来るでしょ。




