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初めての試験、2戦目

予告なく修正することがあります。

Sep-19-2020、一部変更。

 ゼンは次の試験を要求した。召喚士の老人はオーガが一瞬で倒されたことに驚いたのか、口をポカンと開いたまま動かずにゼンを見ていた。


「爺さん、頼むよ。」


 レルナーが老人に声を掛けると、老人は召還魔法を発動させた。


「サモン!レッサーデーモン!」


 慌てて老人は召喚魔法を発動させ、魔法陣の中に現れたのは下級の悪魔族だった。


「爺さん!オーガを三体だろ!レッサーデーモンはゴールドだぞ!」

「今日は烈風の剣の皆さんがクエストでいないのですよ!」


 レルナーと受付の女性も叫んだ。

 レッサーデーモンはゴールドクラスのパーティーで対処する魔物だった。

 試験で召喚するときは制御を外れたとき討伐するため、ゴールド以上のクラスのパーティーが立ち会う規則になっていた。スキップ試験を受ける者たちを、守るための規則であった。

 危険を感じた野次馬達が出口に殺到し、ギルス達はニーナとミリアンを中心に剣を抜いて構えた。ミリアンは杖を出して、自身の使える上級魔法の詠唱を始めた。


「協力して倒した方がいいみたいね。」

「ああ、面倒くさい。魔法も使った方がよさそうだ。」

「そうね。水系にする。」

「リキッドボルトで打ち抜いたりするなよ。ミリアンを見ていると魔力制御に驚いていたようだ。」

「なら、アイスボルトで、ちょっと痣を作るぐらいね」

「魔法で攪乱してから斬る。それで行こう。」

「刀で斬った方がいいかも。」


 周囲の混乱もレルナーの叫び無視して、ゼンとキキは小声で打ち合わせ実行に移った。

 レッサーデーモンは二人を認め、槍を構え襲い掛かって来た。


「アイスボルト!」


 突き出されたレイピアの周りに三個のテニスボールぐらいの氷の塊が形成され、回転しながら流線形に形を変えて行く。一歩目を降ろす寸前のレッサーデーモンに打ち込まれ、数歩押し返した。


「詠唱が無かったぞ!」

「なんだ!あのスピードは!」

「三個・・・だと。」

「氷の魔法とは、まさか・・・あの・・・。」


 野次馬たちの間に驚愕が広がる。


「さっさと斬る方がよさそうだ。」


「ピキーィィィィィィィィィン」


 硬い金属が打ち合うような音が練習場に響いた。逃げていた野次馬達は何事かと振り返った。

 そこには背中の剣を抜いたゼンが居た。ゆっくりと青眼に構えるゼンの持つ剣は、見たこともない型をしていた。刃渡りはゼンの身長ぐらい、百八十センチを超えており、優雅な反りのついた妖しく輝く片刃の剣。すなわち、日本刀。紫色に輝く刀身が不気味だった。

 ゼンは向かって来るレッサーデーモンの頭に、刀を振り下ろし完璧な唐竹割を放った。レッサーデーモンがゼンの前で止まり、野次馬達の息を飲む音まで聞こえた。そして、ゆっくりと左右に別れ、レッサーデーモンは倒れながら灰になった。

 目撃した野次馬達も、レルナーと受付嬢もギルス達も、静かに見詰めていた。目の前で起こった事が、全員の理解を超えていたのだろうか。


「ピキーィィィィィィィィィン」


 再度、金属音が辺りに響いた。そして、全員が正気に返ったよう動き出した。


「おい、たった二人でレッサーデーモンを倒したぞ。」

「すげえ。」

「あの二人、何者だ。」

「氷の魔法だぞ。」


 一人が口にした驚愕が皮切に、驚愕と恐怖そして、憧れを口々に叫んだ。最下級とはいえ戦闘能力が、亜竜種に次ぐ悪魔族を二人で討伐した事実は、下級の冒険者を驚かせるには充分だった。見物に来ていた辺境の下級貴族にとってはまさに英雄のごとく映ったのだろう。


「凄いのじゃ!ゼンとキキは勇者なのじゃ?」

「す、凄い。斬ったゼン様もだけど、キキ様は氷の魔法を使った。」


 素直に驚き感心するニーナと別のことに驚くミリアン、護衛達も関心は別にあった。


「二人でとわな。俺達でも四人でも、倒せるかどうか。」

「魔法支援があれば、楽勝とまではいかないけど相当、楽になると思うけど。」

「上級騎士どころか、騎士王並みだぞ。」

「凄いものだな。」


 自分の事の様に喜ぶニーナと驚くミリアンと護衛騎士達。ざわつく野次馬達がゆっくりと戻って行った。


「二人とも、凄いのじゃ。」

キ♀:やっていまったわね。

ゼ♂:少し焦った。

キ♀:氷の魔法に驚いていたわ。

空♂:この世界は大昔に氷の魔法を使う魔法師に滅ぼされている。

キ♀:滅ぼされたら人間はいないのでは?

空♂:僅かな生き残りがいて、二千年で増えた。

キ♀:平和な二千年ね。

空♂:戦争もあったけど、種族結界とか逃げ延びたとか色々あった。

ゼ♂:ここで設定を小出しにすると辛くなるぞ。

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