百鬼 素朴な未来を願う
「あした天気になあれ」
明日は曇りだ
「あーあ来週の試験なくならないかなぁ〜」
来週は学級閉鎖だ
「気をつけて行ってきなさいね」
帰りに卵を落として割るがそれ以外の不幸はない
丁度1ヶ月前の事
私は未来が見えるようになった
突飛な話だし信じてもらえないだろうから
これはただの独り言なんだけど
未来が見える
この超能力と言っても不十分ない事象を
私は初めの2日は理解できなかった
3日目にして
なんとなくではあるけれど
喜んだ
その後はきっと誰もがやる事を片っ端からやった
万馬券を買ったり賭博場に行ったり
後は当たりのアイスだけを買ったり
気づいた事は
わかった事は未来の自分を見ることは
叶わなかった事と
あまりにも先過ぎるとちょっと頭が痛くなる事
まぁ
でも大した問題じゃない
見えないなら見なければいい
痛くなるならやらなければいい
そんなに欲深いわけじゃないし
この力が発芽してから一週間が経ち
ようやくすごいと思えた
実感が湧いた
高い家を買って
仕事をやめて
同僚からは寿退社なんじゃないかなんて
囁かれたけど
そんな些細な話ではない
そして現在
自分の芯の弱さを知った
小心者なんだなとわかった
鼠輩
それが私である