ダンジョン 「ネロ」
各々が修行を開始し始めたところで、俺も始めようとしよう。
ネロ……爺さんとの戦いで姿を見せた魔法。
しかし、あの魔法は見たことのない種類だった。あれが、魔系統の魔法なのだろう。
そんなネロをどうやって呼び出すか。
それは簡単だ。
ネロとは魔法であり、俺は元でも魔王だ。なら、ネロの魔法陣を考えて発動させればいい。
あの時、魔法陣はあの場には出現しなかった。
しかし、魔法陣が出現しなかったのはあの場であり、魔法であれば魔法陣は絶対的に必要な項目だ。だから、魔法陣はあったが、俺の目に写んなかったが正しい。
そんな魔法陣だが、実はもう予測はついている。
魔法陣には『核』と呼ばれる中心に存在するものがある。それが、指し示すのは系統。例えば、火系統であれば、火系統の核があるし、水系統には水系統の核がある。そこからルーン語で少し付け加えたのが汎用魔法であり、ルーン語で複雑化したのが、改変魔法である。
そして、俺はあの時魔系統の魔法。
魔系統中級魔法<魔法支配>をつかった。
なので魔系統の核は既にわかっている。
なら、後は支配すればいい。
恐らく、アイツがいるのは俺の体内。
今まで気づかなかったが、どうやら、魔法でごまかしていたらしい。少し意識を傾ければわかった。魔系統とは支配。なら、魔系統の核を使用して強引に呼びだす。
「魔系統創造魔法──<絶対支配>」
俺の体内に魔力が駆け巡る。
やべぇ、めっちゃ痛い。
早く、来い。
出てこい。
このクソがァァア!
「クソとは酷いじゃないか主様」
艷やかな黒髪をなびかせ、赤眼を俺に向けた端正な顔立ちの少女。
「はぁ、はぁ、よぉネロ。久しぶりだな」
彼女は、今、直立不動である。
俺が、先程の魔法で支配しているからだ。
「凄いね。少し前に魔系統を知ったのに、もう創造魔法ができちゃうんだ」
「まぁな。ルーン語を書き加えるだけだ。誰でも出来る」
ネロの顔が一瞬ムっとなったが、すぐに元に戻った。
「まぁ、主様が凄いのはわかったからこれを解いてくんない?」
「いや、それよりも先に、情報だ」
ネロの拘束は解くが、この状態で情報を聞かないと嘘をつくかもしれないからな。
「酷い。ボクが嘘をつくと思ってるんだね?」
「まぁな」
「あの時助けてあげたのに……」
「アレはアレ。これはこれだ」
「……これを解かないと言わない」
なんだコイツ。
「この魔法は拘束する魔法だから直接的な危害は、ボクに及ばない。なら、ボクは安全だ」
コイツ見た目の割に、解析が上手いな。
いくら急ごしらえとはいえ、ますますコイツの事が知りたくなってきた。
「なら、解除しよう……ほら」
これで体の自由が戻ったはずだ。
「まぁ立って話すのもなんだから、座ってよ主様」
「それもそうか」
俺は腰を下ろし、あぐらをかいた。
「じゃあボクも……」
「おい」
俺のかいたあぐらの上に腰を下ろしやがって。
「別にいいじゃん。……あれ? もしかしてこの姿で興奮しちゃうタチ? ……おりゃおりゃ」
小ぶりなお尻を俺の上で上下左右、縦横無尽に動き回す。
「別に興奮はしない。近所の子供がじゃれにきたという感覚だが──」
「ひゃっ」
俺は後ろからネロの腰に手を回し、軽く抱きしめる。
ネロの耳に口を近づけ……。
「そんなもんどうでもいいから早く話せ」
ネロが俺にジト目を向ける。
「ム〜。今のは襲うところでしょ!」
めんどくさいな。
……なら
「別に構わないが大丈夫か?」
前世にて情報を聞き出す時は、最悪、自分の体を差し出さなければ駄目な状況もあった。
なので、今世は童貞だが、知識とモノがあるのでできなくはない。
「まぁまた今度にしようかな?」
顔全体を赤く染め、目を泳がせる。
「だったら、早く話せ」
「もうわかったよ! じゃあ、説明するよ」
「ああ」
そしてネロは語りだした。




