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ダンジョン 「修行」


 以前、『真実の迷宮』へと訪れた時ダンジョンについて説明をしたと思うが、ダンジョンとは俺が魔法を極める為に設立した訓練場だ。

 何故、こんなもんを設けたか、といえば、魔法発展期では魔法がものをいう時代だったからだ。


 その頃の俺といえば、国から魔王として追われていて、その時、逃げるように隠れ家を作った。それが、初めてのダンジョンだったのだ。

 日々暗殺者や、勇者に追われながら、当時なんの力も持っていなかった俺は、力をつけようと訓練を始めたのだ。


 さて、そんなダンジョンだが、今回修行に使用するのは『終わりの迷宮』と呼ばれる。俺が、最後に作った五番目のダンジョンだ。

 このダンジョンの最大の目印とも言えるのが──


「ふぁ、大きいっすね……」


 クレアがあまりの大きさに、口を大きく開いて驚く。

 他も似たような反応だ。


「御主人様。これは……?」

「『終わりの迷宮』は俺が最後に作ったダンジョンでな。ここは、魔法も体術も剣術も全てが出来るように設計したんだ。んで、見てわかるように山をくりぬいて作った」


 そう、真実の迷宮では地下だったが、これは違う。

 山をくりぬいてるから、山全体がダンジョンだ。


「さて、このダンジョンは五つあるダンジョンの中で最難関を誇る」


 俺の言葉に全員が息を呑む。


「入口は頂上に設けられており、まずは登山を始める。が、普通に登山したのではダメだ。よって、全員走っての登山だ」


 俺の言葉に全員が絶望したかのような顔となる。


「カエデ様」

「なんだサナ?」

「あのぉ、エンチャントまたは身体能力強化系の魔法の使用は……」

「禁止だな」

「あううぅ」


 そんなもうダメだ。なんて顔をするなよ。


「一つ言っておくが登山して終わりじゃないからな? その後にダンジョンへと潜る。そして、一番深層にある訓練場まで行く。ここまでノンストップだ」


 あれ? 今度は本気で絶望したのか四つん這いになり始めたぞ?


「あの……主。これは私たちも?」

「当たり前だろ? もちろん。俺も行くからな?」


 あれ? ララやオールも絶望した顔に…………ん?

 なんか、心なしかララが喜んでるように……気のせいか? まぁいいか。


「さて、そろそろ始めたいわけだが、言いたい事がある」


 俺の言葉に全員が耳を傾けたところで──


「深層までがウォーミングアップだから」


 またしても絶望した様子となった。

  

 じゃ、とりあえず。


「開始だ」


 俺の言葉に全員が走り出す。

 先頭を走るは俺──ではなく、ユウキだ。


 その後ろにクレア……とどんどん続いて、俺はアマサと共に一番後ろを走っている。


「カエデ! 置いていくっすよ?」


 クレアが俺に言う。


「ん。今日こそ勝つ」


 ユウキも遠目から見ても分かるぐらいの自慢顔だ。

 それはアマサを除く面々も同じくだ。


「どうした? アマサは他のやつみたいに先に行かないのか?」


 ずっと俺の近くを一定のペースで走り続けているアマサに問う。


「ふふ、御主人様。私の目は欺けませんよ? これは別に速さを求めてはないんですよね?」

「……」


 さすが、と言っておこうか。


 そう、アマサの言うとおりこれは速さを求めるものではない。

 持久力を高めるために行っている。


 戦闘において、真っ先に考えなければいけないのが、体力。

 それを養うのが、この登山だ。


 俺は、走れと言っただけでなにも全力疾走をしろとなんて言ってないからな。

 それを見極めたのか?


「にしても、アマサ。よくわかったな」

「私がこの中で一番付き合いが長いのですから、このぐらいわかって当然です」


 ……久しぶりに聞いたな。その言葉。

 地球にいた頃。菜乃花がよく言っていた言葉だ。


『幼馴染だから、このぐらいわかって当然だよ!』


 昔から、俺の事を見透かしているみたいに、次々と俺の行く先々で俺を見つけたり、俺の考えを見破ったり……本当に凄かった。

 だから、俺は負けたくなくて、よく──


「それでもこれはさすがに遅いな。俺はいつものペースで行くわ。アマサも付いてこれるもんなら付いてきてみやがれ」

「言いましたね? じゃあ、行きましょうか」


 こうやってやったもんだ。

 今頃、召喚されてなきゃいいんだけどな。まぁ最悪転移させればいいか。






 さて、深層に到着した。

 俺の近くではアマサが息を切らしている。


「ご、御主人様は、だ、大丈夫なのですか?」


 あれから俺のペースに合わせて走ってきたアマサが、信じられないように俺を見つめてくる。


「言ったろ? あれが俺のペースだ」


 おっ、そうこうしている内にクレアが到着したな。


「はぁ、はぁ、つ、疲れたっす」


 四番目がユウキ。

 

 五番目がオール。

 

 六番目がララ。

 

 七番目がクルム。

 

 八番目がサナという結果だ。


「皆さん早すぎですぅ」


 サナが到着したところで、ざっとした説明を始める。


「この奥には、広い戦闘場がある。朝はその周りを五周したあとに、各々やってもらう事が変わる」


 一旦そこで区切り、一人ひとりに言い聞かせるように言う。


「クレアはララと戦闘訓練。そして、これを十戦行ってもらうのだが、勝敗の決め方は頭上に付けた風船を割ったほうを勝ちとする」


 風船は、王都の店にあったものを渡す。


「アマサはオールとだ。サナはしばらく体力をつくれ。ユウキは……」


 ある程度の指示が終わったので


「では、修行を開始する」

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