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元魔王と勇者 4


 策を練りながら、時々質問に来る生徒たちの相手をしてれば、一ヶ月が経ち七魔武闘祭の日がやってきた。

 あの後からは、クルムと魔族の接触も減り、今では魔族と会うことはなくなった。


 クルムの呪いの術者が俺に変わったのを見破ったのか、もしくはこの一連の事が魔族側にバレたのかは定かではないが、どちらにしろこちらに魔族側の情報が入らなくなったのは確かだ。

 よって、魔族の狙いがわからなくなった。


 王女であるサナを狙うのか、王そのものを狙うのか、ユウキを狙うのかは知らんが俺はその全てを守らなくてはならない。

 そして、一番の問題は王宮に忍んでる魔族だ。


 アイツらが何を目的として王宮にいるのかわからない。


 そう、全てがわからない。

 こと戦いに置いて、情報というのはあるいは戦力よりも必要な要素だ。


 それが、ない。

 

 圧倒的不利。

 戦いとは、始まる前から始まっている。いかに決戦が二年後といえども、すでに侵略は始まっているのだ。


 なので、王宮に侵入している魔族が今日、事を始めると予想して王宮に向かうことにした

 しかし、サナやユウキに危険が無いとは断言出来ない。クルムがいるとはいえ、アイツは学院長だ。サナたちに構っている暇はない。


 なので──


「カエデなんの用っすか? もしかして……あ、愛の……こ、告白っすか?」


 こんなアホな事を言っているが、その実力は折り紙つきだ。

 なので、クレアにアイツらの警護を任せることにした。


 アマサと協力すれば、魔族ぐらい余裕だろう。


「なに馬鹿なことを言ってるんだ。お前にはサナの警護をお願いしたいんだが」

「あぁ、サナちゃんっすか……」


 お、もしかして知り合いだったか。

 なら、話は早い。


「魔族のことはしってるな?」

「もちろんっすよ。勇者の一族として幼少の頃から教えられていたんで、それに……」

「わかってる。その魔族がもしかしたら王女であるサナを狙っているかもしれないんだ」

「わかったっす。サナちゃんの事は任せてくださいっす」


 頼もしいことだ。

 なら、コイツにアレを渡したほうがいいな。


「じゃあ、お前にこれを貸しとく」


 アイテムボックスから、聖剣エクスカリバーを<武具顕現>する。


「これは、いらないって……」

「ばーか、誰がやるっていったよ」

「へ?」

「これを貸すって言ったんだ。だから、絶対返せよ?」

「………もちろん、勇者の名において絶対返すっす」

「よし」


 そして、俺はクレアの頭を撫でる。


「ふぇ!?」


 奇声を上げるクレア。


「お前だったらできる。だから、そんな緊張するな」


 さっきから魔力が乱れている。

 緊張をしているんだろう。


「エンチャント──<魔王の加護>」


 加護系統創成魔法<魔王の加護>、身体能力を全て底上げするだけでなく、多種の能力を数段階引き上げる魔法。

 

「これで、お前は大丈夫だ。期待しているぞ?」

「…………」


 無言で頷いたクレア。


 これなら大丈夫だろう。


「じゃ、俺は行く。後は任せた──<転移(ルーザー)>」


「頭撫でられた……」

 

 最後のクレアの呟きが俺の耳に届くことは無かった。

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