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アルムドア学院

さてこの話から『アルムドア学院篇』が始まります。今後ともよろしくお願いします。


「久々に見たが、やっぱりデカイな」


 眼前に広がるは『魔法学院』。

 地球で見るような校舎ではなく、よく小説 (ライトノベル) で表現されているような中世をイメージしたような外観で広さは王城と引けを取らないのでは無いかと思うほど。


 さて、何故俺がここにいるかと言えば、ある日のラナの一言からだった。


「カエデさん。魔法学院の講師をやってくれませんか?」


 その日は宿でゆっくりしようとしていたのだが、突然の来訪者に扉を開ければ既に頭を下げていたラナが居た。


「突然どうした?」

「前に教師の愚痴に付き合って貰った時『まぁ困ったら俺を呼んでくれよ。ラナの頼みなら断んねぇよ』と言ってくださってくれたので」


 内心で失敗したと思った。

 あの時はラナを落ち着かそうとどうせ酒の力で忘れるだろうと良かれと思い言った言葉がここでまさか実行されるとは。


  だがまぁ、俺も魔王として男として言ったことは守らなくてはな。

  しかし講師か·····。


「なんかあったのか?」

「いえ、特には·····ですが『七魔武闘祭』まで後二ヶ月を切ってしまってクラスの子たちもやる気はあるのですが、カエデさんみたいな人を見てしまったらどうしても未熟に思えてしまって」


 おぉ·····なんて事だ。俺のせいとは。

  まぁ俺も伊達に魔王やってたわけじゃない。自慢じゃないが俺に勝てるやつなんていないだろう。これで生徒よりも未熟だって言われたら立ち直れない。


「そうか。それで俺の役目は?」

「カエデさんには私のクラスの特別講師として学院に招待します。既に学院長には話をつけているので·····もちろんお金はお渡しします。よろしくお願いします!」

「·····俺が特別講師することはいいのか?」

「はい」


 なるほど外部コーチみたいな感じか?

  しかし特別講師か·····別に構わないが、今まで教えてきたと言えばアマサぐらいしかいないなぁ。


 まぁ良いだろう。魔王だった頃は『悪魔』地球に住んでいた時は『生徒』ここで『講師』を体験しておくのもいい機会だ。


「わかった引き受けよう」

「っ! お願いします!」


  ―――ということがあり、今現在世界で七つある魔法学院の内の一つ『アルムドア学院』に来ている。

 オールは今回おやすみだが、アマサは共に来ている。本当はアマサも来させる気はなかったがどうしてもと言うので同行を許可したのだが――


「ほわぁ」


 目をキラキラ煌めかせ、まるで田舎から都会に来た少女のようにあちらこちらに目線を転じさせている。

 これを見れば自然と頬は緩む。


「なんだ? アマサ。学校自体は初めてなのか?」

「·····はい。故郷でも学校という文化はなくずっと憧れていたんですっ!」


 個人的にアマサの事は冷静沈着というイメージがあったが、いやなかなかどうしてまだ分かっていないことも多いものだ。


「ふふふっアマサさんも一時的に入学してみますか?」


 そんなアマサを見てラナが提案する。


「い、いいのですかっ!?」

「は、はい。体験入学なら学院は認めていますし、さすがに『七魔武闘祭』の参加はまだ分かりませんが入学程度なら許可は下りるはずですよ」


 この話を聞けばアマサの目線は俺に向く。

 それはまるで欲しいものをお願いする子供が如く、甘やかしたい衝動に駆られた。


「はぁ、しょうがないな」

「ほ、ほんとですかっ! いやったぁ、うふふふ」


 本当に今までのアマサのイメージが崩れるな。いや·····これも奴隷から解放したからかな?


 アマサはこれの三日前奴隷から解放されている。

 それは以前俺が約束したものであって自由にしていいぞって言ったものの俺の元から去ると一文無しとなるのと同時に宿無しにもなるので、今は俺の身の回りの世話として雇っているのと同時にパーティメンバーだ。

 奴隷という肩書きが無くなり、幾分か楽になったのかたまにあのような笑みを見せてくるようになったのは嬉しい限りだ。


「じゃあとりあえず学院長に会いに行くか。アマサの入学も含めてお願いしにいこう」


 そして学院への一歩を踏み出した俺らであった。

アマサのギャップににやにやしてもらえればと思い書きましたが、どうだったでしょうか?


面白ければブクマや評価、感想を下さるとモチベーションが上がります。

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